10.優柔不断、仕事出来ないどうしようも無いダメ男の癖に女にだけはやたらモテる。 こんな男確かにいてるが、いつも哀愁を帯びた森雅之はよく似合う。こんな経験が無い小生には羨ましいとしか言いようが無い。 又はこんな男に惚れた弱みで離れられずズルズル人生落ちていく女を高峰秀子が好演。清楚な顔なのにこんな汚れ役でも簡単に出来るのが凄い。 戦後10年この時代によくこんな退廃的な映画撮れたもんだ。それだけでも成瀬監督凄いわ! 作中ずっと同じ調子で流れている音楽も印象的である。 【とれびやん】さん [インターネット(邦画)] 8点(2020-05-16 23:57:49) |
9.のらりくらりと特にこれというメッセージもシナリオもないのだが。退屈せずに観れるのは何故だろう。ラストはなんとも悲しい話だったが、この2人にはこんな最後が待っていたのは至極やむおえない様に思った。 このダメ男の話は後向きな話が多いのだが、女も退屈してるものたちが周りにたくさんいて、とにかくよくモテる。しかも美人だかりにだ。次々と家に女が現れて奥さんはどう思ってるのだろう?こういうダメだけどマメな男はいつの時代も放っておかないのだろうか?高峰秀子は私の好みなので、映画ながら羨ましい限りだ。ようやくこの男も覚悟を決めたのだが、時すでに遅くで病で弱っていく彼女は本当に健気で観ていたら心が沈んでいくのが自分でもわかった。結果面白かったがもう一度観たいとは思わない作品。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 8点(2019-09-23 19:13:17) |
8.この映画は音が支配している。室内のシーンの前には必ず屋外の音を伴うシーンがあり、その音が室内の雰囲気を規定している。拍子木や獅子舞の音楽、雨の音、新興宗教の儀式の音、犬の鳴き声、踏み切りの音等々挙げればキリがない。これらの音が室内の情感を豊かにしている。フラッシュバックや回想が挟まれるなど、少し珍しいような気がしたが、唯一の明るい日差しがインドシナであったことが象徴的であった。 【Balrog】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-06-20 15:32:39) |
7.何度も観ている、好きなラブ(?)ストーリーの1本。たった一人でも腐れ縁の女性がいるってことは素敵な人生だと思う。 【トント】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-06-12 17:38:02) |
6.切りたくても切れない腐れ縁とは、こういうものですかね。女心とは、こうも可愛く、いじらしい複雑なのを高峰さんが見事に演じてくれました。 【白い男】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-01-11 11:10:23) |
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5.成瀬巳喜男の最高傑作らしいという前知識をもって鑑賞したのですが、その最高傑作という言葉にかなりの違和感を持ったことをよく覚えています。これ観たとき、『夫婦』とか『妻』、その他いろいろをいっしょに観たのですが、この『浮雲』よりもその他の映画のほうが良かったと思ったし、他の作品に感じた成瀬的なものをこの作品に見出すことが出来なかった。私が当時思っていた成瀬映画(現代劇)の世界観というのはもっと些細な出来事を、あるいは物語とは別のところで見せる小さなやりとりをこそ映し出す、その繊細な感覚というのがまずひとつあるのですが、『浮雲』は「出来事」が作品を支配し、男女の大河ドラマ風になっている。でもね、時がたつとともにおかしな現象が私を襲いました。成瀬映画を思い出そうとすると、まず一番に出てくるのがこの作品の高峰秀子のアンニュイで愚痴っぽい語り口。そして旅先での歩き姿だったり、男の部屋に立っている姿だったり、病床に伏せっている姿だったり、、。他の作品を押しのけて頭に浮かぶのはこの作品の風景ばかり。実のところまだ一回しか観ていないのですが、頭の中では何十回と上映されております。そしていつのまにか傑作だと思うに至ってしまったという稀な映画となりました。 【R&A】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-04-25 13:08:03) (良:1票) |
4.場面と場面の間の、登場人物の移動を表すもの、そしてそれに伴う時間の経過を表すものが、省略されており、各場面が、断片として積み重ねられている、この落ち着かない感覚(その中で、ラスト近くの汽車&船のシーンが、明確に移動を表現していて、とても印象的で、かつヤな予感もするのだけど)。そう、この断片感覚はまるで、男女2人のショートコント集を観てるような----とか言っちゃうと身もフタもないので-----あるいは、主人公2人をメロディとした変奏曲が展開されているような。このナルセとか言う監督はどーも油断のならない監督で(映画観ながら油断するヤツが悪いってか?)、どーも観てて疲れる、挑戦しがいのある強敵だ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-30 22:36:11) (良:1票) |
3.モノクロの画がとても綺麗。今まで観たモノクロ作品は「これはカラーで観たかったなぁ」と思う映画ばかりだったのに、これはもう絶対モノクロが良い。モノクロだからこそ引き立つ墨色のバランスや光の明暗に惚れ惚れした。そして高峯秀子が凄い。美しくて嫌味で、皮膚に粘っこいものが浮き上がってくるようなあの感じ。時折パパパッと移っていく視線なども、女の情念が充ち満ちていた。ストーリーは、もうどうしようもない男と女の道行き。二人で酒を飲んでは管を巻き、そぞろ歩きしては反発しあう。それでもお互いの心にこびりつく想いをたどってまた会ってしまう。華々しくて爽やかなだけが恋愛ではない。泥の中を歩んでいくようなこんな二人の関係もまた愛なんだろうな。 【のはら】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-07-29 13:22:25) (良:1票) |
2.去年、池袋の文芸座でやっと観ました。もちろん感銘は受けたけど、予備知識を色々入れた後で観てしまったので、教科書をおさらいしているような感じでした。改めて映画っていうのはまっさらな白紙の状態で観るのがいいと思った次第です。高峰秀子はこういう投げやりで物憂げな台詞が巧いですよね。森雅之のダメダメ男も魅力有り。 |
1.ダメ男と分かっていても、腐れ縁でズルズルと関係を続けていった挙句に遠く屋久島くんだりまで行って死んでしまう女の悲しさ。そんなどうしようもなくやるせない男女の関係。高峰秀子が人生をだんだん落ちていく女だがその表情が印象的だった。 【キリコ】さん 8点(2003-02-08 15:38:18) |