1.泣ける映画だ。特攻隊で亡くなられた方々に対し、60年後の僕らが真っ当に向かい合える為には、どうすればいいのか。それがこの映画の中で問われている。とは残念ながら思えない。それはあまりにも難しすぎるテーマだから。ここでは、単に、ある特攻隊員が出撃前に残したピアノ演奏にまつわる各自の思い出が語られるのみである。しかし、最後にようやく真実を語ろうと決意した旧隊員が何十年かぶりにピアノと対面するシーンを前にして、僕らがこらえきれず号泣してしまうのは、ひとえに仲代達也のうるうるしたギョロ目に圧倒されるからに違いない。でも、ほんとに泣けるよー。