14.《ネタバレ》 今まで特攻隊を描いた小説や舞台を見ては号泣。そういう話には滅法弱い。前途有望な若者が散っていった姿は、あまりにも切ない。この映画でもそうした若者の姿が描かれてはいるが、そこまで心を揺さぶられなかった。突撃前にピアノを弾きにいった青年が、どれほどの思いをピアノにこめていたのか。その背景や過ごしてきた日々があまり描かれていなかったために、感情移入しきれなかったような気がする。失うものの大きさ、重さが、十分には伝わってこなかった。 それでも、エンジントラブルで生き残った隊員たちの悔しく申し訳ない思いは心に痛い。こういう状況に彼らを追い込んだのは何だったのか、防ぐことはできなかったのか。戦争を知らない平和な今だからこそ、いろいろ考えさせられる。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 5点(2015-05-10 23:05:50) |
13.戦争のシーンは少ないが、戦争や特攻の悲惨さや理不尽さはそこそこ伝わる。実話を基にしているとはいえ、演技や演出についてはいまいちだ。 【noji】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-10-25 21:26:33) |
12.「月光」が合っている映画。余韻も悪くない。 戦争の無益さをひしひしと感じるのも確か。ただし、映画としての奥行きは意外に少ない。評価が微妙な作品かもしれない。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-09-01 22:42:05) |
11.ピアノが切っ掛けで明らかになった、肝心の振武寮についての描写が非常に少ないのが残念。しかもかなりソフトに描かれており、調べると実際にはもっと壮絶な地獄の世界であった事が想像できる。特攻隊生き残りの収容所の話は知らなかったので、そういう人々に対し国家が何をするのか?という事がわかっただけでも貴重だが。こんなアホな時代は繰り返してはならない。 |
10.まずタイトルが素晴らしいよね。序盤の流れもいい。 でもそのあとのドラマ性が非常に薄く、まったくこちらの心に響いてこなかった。 なぜ彼らはピアノを弾きたかったのか? そこが一番のキーポイントのお話なんだけど、 その時の背景や心情、人物描写がしっかりと描かれておらず感情移入ができない。 物語の流れも何か変だなと思っていたら、原作が実話を基に創作されたドキュメント小説で、 それをそのまま映画化していたらしい。当時の生存者の取材から成り立っているお話なので、 主人公たちの描写が不足しているのは当たり前のこと。それならドラマ仕立てなどにせず、 完全なドキュメント映画にしてしまったほうがまだ良かった。 役者に関しては、記者役の女性は軽薄だし、主役二人の演技もまるで魅力を感じない。 仲代達也はさすがの演技だったが、上記の理由では戦争の悲劇を訴えようにも限界がある。 何とも中途半端な作品だった。 【MAHITO】さん [地上波(邦画)] 3点(2011-08-04 03:10:50) |
9.《ネタバレ》 佐賀で研究会があった折、ピアノの思い出にまつわる映画が近く公開されるので、ぜひ皆さんにその映画を見てほしいというお誘いがあった。えっ、音楽の研究会でもなかったのに、なぜピアノ?とその時は不思議に思ったのだが・・・。 映画を見ると、それは単なるピアノの思い出話や特攻隊の悲劇ではなく、戦争への怒りを込めたものだということがよくわかった。 特攻隊となって飛び立つ前に「ピアノを思う存分弾きたい・・・」。二人の若者がピアノを弾き、戦地へ飛び立つまでの話であれば、泣けるお話で終わってしまう。だがその後がこの映画のメインなのである。 ピアノを弾いた特攻隊員の一人は、実は飛行機の整備不良で基地へ戻ってくる。しかしたとえ整備不良であっても、当時の日本では、それは戦死した同胞に対して卑怯者・臆病者としか扱われず、許されないことであった。 この映画の中に「振武寮」というものが出てくる。当時は軍の重大秘密とされ、外部に漏らすことが絶対にできなかった恥部。その振武寮での扱いを映画にし、戦争の愚かさを訴えたのがこの映画なのだ。 映画の中にドキュメンタリー作家やラジオ局の記者らが出てくるが、いかに真実を聞き出すことが難しかったかがよくわかる。 【ESPERANZA】さん [試写会(邦画)] 8点(2011-03-05 13:54:10) |
8.成人式で暴れている若者に見せたい映画である。特攻隊のことは漠然としか知らなかったが、この映画で悲惨な出来事を知ることができた。平和ボケした現代社会に何か訴えるものがある。当時の時代背景と現在、過去、未来の人間の在り方を考えてしまった。いろいろな意味で「命」とはなんぞや?と考えさせる後世に残したい良い映画である。二度と悲惨な戦争を起こしてはいけない!! 【ジョンレモン】さん [ビデオ(吹替)] 9点(2007-02-10 13:29:24) |
|
7.《ネタバレ》 かなり期待外れ。大体、何で現在の取材側の行動の描写にあそこまでの比重を置いていたのかが謎。あんなことをされると、戦時中のストーリーがぶった切りになってしまい、独立した世界に浸ることが妨害されることなどすぐに分かりそうなものだが。今そこにあるピアノの背後に隠された過去の話を浮き彫りにしたいのであれば、現在の描写は最初と最後だけに凝縮して、その間は、特攻兵や女教師の人となりや思考生活をきちんと完成させることに重点を置くべきでしょう。それと、軍服や当時の教室など美術関係が妙に作り物っぽいのも気になった。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2005-08-10 02:18:27) |
6.太平洋戦争末期、特攻隊の悲劇を取り上げた作品は数多くあるが、本作は実話に基づいて作られているだけにより一層切実なものとして胸に迫ってくる。さらに派手な戦闘シーンや凝った特撮など一切使わずに、戦争の悲惨さと平和の願いを描き切ることに見事成功している。また監督神山征二郎の誠実な人柄が作品によく出ており、しかも渡辺美佐子や仲代達矢を筆頭に、各実力派俳優たちの情感が込められた演技も手伝い作品そのものの完成度もかなり高い。物語は、およそ戦争とは無縁に映る平和な余りにも平和な現代の日本と対比して、爆死することを義務付けられた特攻隊員の姿と戦争の不条理が次第に浮き彫りにさけてゆく。奇跡的に生き残った特攻隊員の語るに語れない地獄のような苦しみ、若き命を捨て駒同様に扱う冷血非道な参謀や軍指令部などなど。《ネタバレ》やはり本作では、ラストに尽きるでしょう。引っぱるだけ引っぱって余りにも衝撃的なシークエンスが、このラストに用意されていたのである。悲哀に満ちたベートーベン作曲「月光」のメロディーが類稀なる効果を収めており、特攻隊員の悲劇と戦争の不条理性を見る者へ強烈に訴えている。その瞬間、彼らは何を思い何を願ったのであろうか。このラストシーンは涙なしではいられなかった、というよりもうボロボロになってしまった。少々くどいようだが、この大どんでん返しとも言えるラストを迎えるまでじっと我慢して見て欲しい。この戦慄すべくエンディングシーンで評価は大きく跳ね上がり、作り手はなぜ坦々とストーリーを進めてきたのか分かるはずです。今の若い世代に、いろんな意味でぜひ見て欲しい名作です。 【光りやまねこ】さん 10点(2005-01-07 22:44:49) |
5.特攻隊員の遺書を読んだことがある。涙が止まらなかった。その時と同じ感情がこの映画を見て込み上げてきた。死ぬ前に一度でいいからピアノを弾きたいというあの2人の気持ちが痛いほど伝わってきた作品であった。戦争は遺族にも生き残った者にも深い傷跡を残すだけである。確かに現在の日本があるのはあの戦争があったからと考える事もできるし、戦争により素晴らしい文学等も生まれた。しかし若くして徴兵され死ぬ事を強要された自分たちと同世代の青年達や家族と分かれ出征していった兵士達の気持ちを推し量ると、綺麗事になってしまうが戦争は絶対に起こしてはならないのではないかと思う。色々と考えさせられた価値ある作品であった。 【ゆきむら】さん 9点(2004-03-17 05:18:39) |
4.《ネタバレ》 「月光」が、こんなにも悲しい曲であるとは、この映画を見て初めて知った。登場する特攻隊員たちは、本当に特攻隊員らしかった。あどけないような若い隊員たちが、明日は出撃という日にも明るく振る舞おうとする姿をみると、彼らの運命を思い、悲しみが胸を浸していく。ラストで仲代達也の演じる生き残りの特攻隊員が「月光」第二楽章を弾き始めると、やがて画面には敵艦めがけてダイブする隊員たちの無音の映像が浮かんでくる。一人の隊員の口が「おかあさん」と動いたとき、私は流れる涙を止めることができなかった。 【駆けてゆく雲】さん 8点(2004-01-12 18:42:28) (良:1票) |
3.今まで語られていなかった、特攻隊の裏の部分をからめて、印象に残る作品になっている。明日は死ぬ、という夜に何をするか・・・・・・というのは、とても大きなテーマだと思うが、その夜にピアノがある学校まで走り、ピアノを弾いた人間がいる、というのは非常に心打たれる。エピソードとしては、だいぶ事実を曲げた部分もあるようだが、声を大にして戦争反対と言うこともないまま、戦争の傷を抱えている人々がいることを、教えてくれる映画だった。また、ピアノや戦闘機がいくら高価だったとはいえ、太平洋戦争当時、人命がいかに軽んじられていたかが、伝わってくる。 |
2.泣ける映画だ。特攻隊で亡くなられた方々に対し、60年後の僕らが真っ当に向かい合える為には、どうすればいいのか。それがこの映画の中で問われている。とは残念ながら思えない。それはあまりにも難しすぎるテーマだから。ここでは、単に、ある特攻隊員が出撃前に残したピアノ演奏にまつわる各自の思い出が語られるのみである。しかし、最後にようやく真実を語ろうと決意した旧隊員が何十年かぶりにピアノと対面するシーンを前にして、僕らがこらえきれず号泣してしまうのは、ひとえに仲代達也のうるうるしたギョロ目に圧倒されるからに違いない。でも、ほんとに泣けるよー。 |
1.明日特攻に赴く音大出身の青年が、最後の思い出に小学校の体育館でベートーベンのピアノソナタ「月光」を弾く。これだけで涙腺がゆるむ。鬼気迫る第三楽章では、もう涙ボロボロ。最初の15分でこれ。しかし、そこがピーク。こっからが死ぬほど面白くない。変にドキュメンタリータッチなのが謎。15分で涙ボロボロ、後は爆睡という、よく分からない映画。でも必ず泣きます。 【C-14219】さん 5点(2003-10-15 01:45:02) |