14.現実的だけど非現実的、退屈だけど退屈じゃない、かっこいいけどかっこよくない、悲しいけれど悲しくない・・・・じつは矛盾であふれている現実をそのまま映画にしたかのようなガス・ヴァン・サントのぎりぎりの感覚が素晴らしい。大人になると美化しがちな学生時代ですが、その多くはたいくつな時間が占めていたことを思い出しました。映画としての楽しさに満ちているような作品ではないですが、「現実」に対して不思議なスタンスで立ち向かう監督の姿勢は、とても重要じゃないかと思うのです。 【ETNA】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-16 16:49:53) |
13.ガスバンサントがやりたいのだろうただ流れる時間の描写がこれは良い塩梅で効果を発して、淡白なのにはっきり緩急付いた良い出来だった。ゆっくり色々その場面について考えながら見られる映画。 【Vanilla】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-11-25 00:31:43) |
12.エンドロールが終わっても、しばらく放心。最初に撃たれた男の子が撃たれる瞬間、犯人にカメラを向けたシーンが頭から離れない。 【ヴィン】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-06-22 01:47:49) |
11.生徒役は実際の高校生を使ってて、役名もほとんど本名だし、セリフはほぼ即興。 あんなに痛切な「エリーゼのために」も現場でアレックスが弾いてたのが良かったから採用、という具合にかなりラフな撮影現場だったみたい。しかも意味深なタイトルも同名映画から拝借したものらしい(DVDの特典映像より)。 でも要所要所で監督さんのこだわりが見えます。黄色いTシャツ、赤いトレーナー、青い空、などの色の使い方も好きです。 「観客に色々考えさせる作品にしたかった」ために、あえて”単調で退屈”な映画にした監督さんの意図をくみとれるかどうかがこの映画の評価の分かれ目だと思います。 日本でも同じようなありふれた高校生活(目立たない子を目立つ子がいじめる、というのも含め)で、あんな惨事が起きてしまうっていうのは、やっぱりあんなに簡単に手に入ってしまう銃の問題は相当なものだと思いました。 【69】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-07 15:47:04) |
10.この映画の素晴らしさは内容ではない。映画はカメラがあってこそ、というのを久々に示してくれたことこそが、この映画の素晴らしさ。役者でも監督でも脚本でも演出でもなく、映画の王様はカメラ。カメラは縁の下の力持ちではなく、カメラこそが映画の主人公。童貞のガキが通販で買った銃で人を何人殺そうが、そんなのは些細なこと。そんな彼の後姿を黙って捉えるカメラにこそ、この映画の物言わぬ真実と本質がある。カメラが回るからこそ銀幕は躍る。 【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-07-07 07:18:35) (良:2票) |
9.この映画の見方は沢山あると思いますね、私みたいなバカはどこで終わったのかも分からずエンディングを見続けていたり。。(笑)コロンバイン事件については私は何もしりませんでした、だからこの作品が事件についての初めての作品だったのですごく新鮮でした。 私も何もなくて平凡でそれをどうにかするために刺激のありそうなことをしてみたり、ただボケーっと生きてるだけの毎日・・・生きてる実感もない。なんてことがよくあります。重たい作品って感じはしなかったです、あっと言う間に終わっちゃったって感じでした、また何年後かに観てみたいです。 【愛しのエリザ】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-24 19:32:41) |
8.同世代の私の目から見るとかなりリアルで衝撃を受けた。なぜ彼らがあのような行動を取ったのかは分からない。だけど、一番辛く苦しかったのは、被害者でもなく、最後には自殺してしまった二人なんじゃないかな。 【アンナ】さん 8点(2005-01-17 22:21:48) |
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【k】さん 8点(2005-01-09 15:24:46) |
6.犯行を行った少年2人も亡くなった彼ら彼女らと同じ目線で描かれていて、作者側の事件に対する憎しみは限りなく排除されている。でも当然憎むべきは犯人二人であり、ボーリングフォーコロンバインを観ているのであれば銃社会そのものも憎むことができるだろう。映画の中に怒りをぶつけることができず、てくてく廊下を歩く長い時間の間、とにかくやり場のない怒りを感じていた。映画的盛上げも時間構成をいじくっているだけであるが、それがなんとも巧妙で、現実を繰り返し冷たく見つめる。もしこの編集がなかったらたんなる残酷な冗長映画だっただろう。 観ていてなんとも気持ちの悪い映画だった。 |
5.延々と長回しのカメラとともに登場人物の後を追っていくうちにすっかりスクリーンの中に放り込まれた。登場人物のセリフからはなかなか物語の主軸に繋がるものが見えてこないが、少しづつ悪夢を予感させる断片が形となってくる。恐怖と言う意味では今まで見たどんなホラー映画よりも恐ろしかった。しかし製作者の主張を徹底して排除した映像は賛否両論だろうというのはわかる。 【ロイ・ニアリー】さん 8点(2004-12-11 23:05:43) |
4.結末を知っているからなのか、そうでなくても同じ感覚を味わえたのか、それは判らない。が、とにかく80分間、終始緊張状態でスクリーンを見続けた。映像作家を自負している人間なら、1度は撮ってみたい映画なのだと思う。M・ムーア作品の中で卒業生(サウスパークの作者だったと思う)が言っていた「うんざりするほど普通の町にある普通の学校」というような言葉が、とてつもない真実味を帯びてこちらに迫ってきた。価値観のベクトルがほぼ同方向を示しているような場所は、ある種の人間には生きづらいということも痛いほど伝わってきた。もちろん、殺人を犯す言い訳になどなるはずはないが。カメラ好きの男子高生、ダサい女子高生、勇気ある黒人青年、そして共犯の少年......。彼らのあっけない死に、言い様のない無力感を感じるラストだった。 【showrio】さん 8点(2004-08-11 13:19:49) |
3.娯楽要素ゼロの映画。これはいわば映画と言うよりは長い再現VTRといったほうが適切。笑い所も泣き所もナイ。あたかも数年前に起きたあの悲劇の日にタイムスリップしたかのよう。カメラはただただそれぞれの1日を色々な角度から映し出す。いつもと同じ何気ない1日なのにあの事件が起きた日もただひたすら空は綺麗で、そこだけ何も変わらなくて、残酷で。今まで見た中で一番個性的で貴重な映画。 【未歩】さん 8点(2004-07-29 21:24:39) |
2.地上で何が起こっているかなんてお構いなく、同じように青さを保っている空が印象的で美しかった。少年が本当に欲しかったものは非日常的な銃撃殺人ではなく、あの空のようなものだったのではないかと、最後になって思った。 【揺香】さん 8点(2004-07-08 11:07:56) |
1.見た後で結構考えさせられる映画でした。犯人の2人の少年以外も色々問題を抱えている人ばかりで、犯行に及ぶ原因は様々なところにあると思いました。犯人も大勢殺すつもりなのに、実行する前に1人に忠告したり、やる直前が長かったり、それでいてあの冷凍室のラストにつながるのは、いかにも心理状況の変化の大きさを物語っていてリアルでした。最後に、タランティーノ風の時間と空間の交錯した演出は、登場人物の運命のすれ違いを示しているようでとても気に入りました。 【マイカルシネマ】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-03-31 21:30:06) |