20.なんとも救いがない映画だけれど、弱いものを丁寧に描いていることで好感が持てます。 「石に意味が無ければ、全て無意味だ」というのは心に残りました。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-12-17 22:24:02) |
19.ジェルソミナのテーマが有名だが、中の音楽はすべていい。フェリーニ映画はロータの音楽とコミで評価したい。中盤のカトリック祭の音楽が、私は好き。ザンパノのもとを逃げたジェルソミナが出会う三人の音楽隊、楽隊と言うほどではなく、祭へ向かう音楽愛好家仲間なのか、管楽合奏で、ミーミー、ミードラファーラド、ミーーファソファ、ミー、と短調だけど陽気に行進していく。ついつられてゆくジェルソミナ。やがて祭の場へ至るとその音楽が、ひなびた味わいを残しながらも重々しく響き渡る。ジェルソミナが綱渡りの男に出会う場だ。この男は背中に天使の羽根のような飾りをつけており、ザンパノの獣性と対照される神がらみのキャラクターのようだが、どちらかと言うとトリックスター的で、ザンパノを裁く役割りでなく同列の扱い。フェリーニにとってはカトリックの神も単純に救いをもたらさないってことだろうか。カトリックってものが、あの音楽によって表わされてた気もするのだ。庶民的にひなびながらもやはり重苦しい面もある、ってところ(フェリーニとカトリックでは『ローマ』の教会ファッションショーの場でも音楽が雄弁だった。ミーレシーレ、ミードラード、ミーシソーシ、ミー、ってやつ。あのシークエンスは映像と音楽のコラボの傑作だった)。フェリーニは『甘い生活』の前と後で世界が変わったようにも見えるけど、たとえばこれのラスト、「一人でたくさんだ」と叫ぶザンパノの孤独は『カサノバ』のラストの孤独で反復されたようにも見え、ちゃんとつながっているんだな。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-02-11 10:15:52) |
18.主役二人の性格俳優ぶりがとても際立っている作品。 粗暴なキャラのアンソニー・クインも適役だったが、 やはりジュリエッタ・マシーナの表情豊かな演技に惹きつけられる。 一風変わった設定の二人の関係がとても面白く、まるで古い日本の夫婦像にそっくり。 ラストの展開はちょっと唐突かなという印象もあるけど、テーマはしっかりと伝わってくる。 最後までリアルさを徹底的に追求した作り。後を引く余韻。名画です。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-12-03 07:20:39) (良:1票) |
17.引き込まれました。ザンパノとジェルソミーナの人生とイタリアの貧しい時代の映像が印象深い。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-03-12 22:32:48) |
【CBパークビュー】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-07-31 21:52:45) (良:1票) |
15.犬と同じ次元に生きていた男の魂の遍歴。 なんといっても天使かと思えるほどのジェルソミーナの純情さには心が震えます。 音楽が豊潤で素晴らしい。 ジェルソミーナも哀れだが、ザンパノもとても哀れに感じ、愛着を感じてしまう。 特に、海に二人で行くシーンは微笑ましく、私は一番好きだ。 【タックスマン4】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-02-10 00:37:50) (良:1票) |
14.私にはなぜかこの二人の道行きがそれほど酷いものに見えなかった。砂浜で語り合う二人は素朴でくすぐったくて、少し幸せそうに見えた。社会の底辺で揺られながら暮らす二人の姿を思い出すにつけ、優しいテーマ曲も一緒に頭の中に流れてきて胸に堪える。くるくると目で喋るジュリエッタ・マシーナも愛らしかったけれど、粗暴で自分勝手で、心の在処が分からずに回り道をし、ラストに慟哭するザンパノという男を演じたアンソニー・クインの姿が瞳に焼き付いている。また、彼の行動を一歩離れて見つめ、突き放すことのできない感情を観るものに与える監督の手腕も素晴らしい。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-17 02:01:42) (良:2票) |
13.この映画をみていると「ジェルソミーナは本当はこうした方がよかったんじゃないか」などとつい言ってしまいたくなるが、そういう投げかけはどうも野暮に思える。なぜならジェルソミーナが必死だったからだ。 【クリロ】さん 8点(2005-03-23 08:11:42) (良:1票) |
12.ジェルソミーナ・・・なんて表情豊かなのでしょう。言葉では表現できない痛々しい表情の数々。楽しそうな笑顔よりも悲しげな表情の方が印象に残っています。かなり感情移入してしまいました。ラストは衝撃的で、なんとも悲しい。しかし私はこのラストが好きです。そしてこの「道」という邦題も好きです。白黒映画を食わず嫌いで今まで見てきませんでしたが、みなさんおレビューを読んでこの作品を見ました。これからは他の古い映画も見ていきたいです。時代を超えてさまざまな世代に愛され続ける映画って素晴らしいですよね。ちょうど50年前に作られた映画。今もなお愛され続けています。素晴らしい。 【未歩】さん 8点(2004-03-28 14:20:11) |
11.学生の頃見た時より、はるかにザンパノに共感できる自分がいる。本能で生きているように見えるザンパノも、後悔して泣き崩れるザンパノも、最初から最後まで自分のように見えてしまう。年を取るってことは、食っていくってことは、そういうことなのだろうか。黒猫クロマティさんに全く同感。 【閑話休題】パスタも飯盒(はんごう)?みたいなので作るんだなー 【眠い悪魔】さん 8点(2004-02-21 03:27:00) |
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10.「しのぐ」という言葉がありますが、この作品は旅芸人が日々しのいで生活していく説明が実に丁寧になされているために、ストーリーに不動の説得力を与えているものと思いました。ザンパノが方々で行きずりの女を抱くのも、生きる知恵の一つなのでしょう。そういう中で一人夢見心地のジェルソミーナは、ザンパノの行動を理解出来なくなるわけですが、キ印がはからずもザンパノの心を代弁して、ジェルソミーナの必要性を説きます。キ印にとっては、「伴侶」のいるザンパノがうらやましかったのでしょう。狂言回しである彼が、ザンパノの心情を裏側の表現で見事に裏打ちしていた、こういう部分にこの映画の奥深さを感じました。 【神谷玄次郎】さん 8点(2004-02-15 01:49:15) |
9.ジュリエッタ・マシーナの表情が演技に見えなかった。普遍的な愛の形として素直に感動できました。海のシーンに始まり、海のシーンで終わるのが象徴的です。とても哀しくて切ない。 【背骨】さん 8点(2004-02-14 15:54:27) |
8.「ラスト・サムライ」が殺戮を肯定する映画でなく、「仁義なき戦い」がヤクザを肯定する映画でなく、「ゴッドファーザー」がマフィアを肯定する映画でなく、「俺たちに明日はない」が強盗殺人を肯定する映画ではなく、「大丈夫日記」が重婚を肯定する映画でなく、「ルパン三世・カリオストロの城」が窃盗を肯定する映画でないというのと同じ意味で、本作は男の身勝手さや暴力を肯定する映画ではないと思います。後半で正気と狂気の間をさまようジェルミソーナの、正気に戻った時の表情の優しさ、美しさが忘れられない。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-02-09 15:52:11) (笑:1票) |
7.鎖をお腹で切るだけで生計をたてているザンパノ。痔にもなるでしょうに・・ 【ノマド】さん 8点(2003-11-09 18:17:59) |
6.終わりの方、シーツを干してる奥さんと、ザンパノ、二人の間にあるのは有刺鉄線の柵。何だか、健康的な普通の生活とは隔絶されて、もう決して立ち返ることができなくなったザンパノを象徴しているようで、妙に印象に残っているシーンです。 【鱗歌】さん 8点(2003-08-13 20:49:22) (良:3票) |
5.良い!!!!名作。ジェルソミーナへの愛情をほとんど見せなかったザンパノがあの浜辺のラストシーンだけでわかる彼女への想い・・・それだけでザンパノの愛情を表現するなんてフェリーニはすごいね。いや、ほんとに。 |
4.夜中一人でテレビ放送で見た。画面がカラカラしてて、人間の人情が潤っていた。「道」という漢字一文字の意味を何気にかんがえたてみたり。絶対的な底力が感じられた。 【sasa】さん 8点(2003-05-14 12:36:29) |
3.辛いぞこの映画…面白いが辛い。二度とは見れないがいい映画。 【As】さん 8点(2003-04-26 16:51:35) |
2.ジェルソミーナを醜いなんて言うヤツは許せん!!-2点也。 【kett】さん 8点(2003-01-19 00:13:06) |
【john】さん 8点(2001-01-01 11:08:09) |