1.これは力のある映画ですねえ。映画の力に満ちている、というより「映画の力」以外のものを全く何も使っていない(笑)。その潔さというか、大胆さというか、投げやりな感じがスゴイです。原作は読んでいませんが、おそらく、1話分のエピソードをワンシーン(さすがにワンカットではない)で撮るというように説話を積み重ねているんだと思います。前後関係を補足することなく、各エピソードをワンシーンの役者の動きだけで描いて、それが終わると唐突にまた次のエピソードをワンシーンで描く。こちゃこちゃした編集は一切無し。ブツ切りのシーンを数本並べただけで出来上がり、みたいな。細かい設定が知りたけりゃ原作のマンガでも読んどけよ、みたいな。アイドル主演のマンガ映画なんぞを、細かく丁寧に構成する気なんか毛頭ねえんだよ、みたいな(笑)。ある意味、オリジナル脚本のとき以上に、相米のオレ流が炸裂している気がします。薬師丸ひろ子の演技も、鶴見辰吾の演技も、本当に生きていて、これまで見たものの中では最良でした。個人的には、歌がダサいとこも好きでした。