11.脚本の力で引っ張っていく正統派の映画。役者の演技や映像に頼ることない素晴らしい脚本、役者の演技も文句なし、構図も計算し尽くされている。男女の業を肯定したラストに、映画を見終わった後どこか救いがある。減点のしようがない。 【ブッキングパパ】さん [インターネット(邦画)] 10点(2020-05-14 20:20:37) (良:2票) |
《改行表示》10.古い映画には当時は評価されていたのだろうけど時代とともに評価が落ちるものも多い。逆に時代に色あせないものや時代とともに魅力が増してくるものもある。この映画はまさに後者。 蓮っ葉なのに上品さのある新珠三千代もダメな男の愛しさ満開の三橋達也もほれぼれしてしまう。 ぽっちゃり体形になってからしか知らない轟夕起子も「青春怪談」と同じくらいのいじらしさ。 でもやはり主役は洲崎パラダイスと街の風景。 知らないはず時代の知らない風景なのに不思議な郷愁に誘われて気が付くと当時を知っているような懐かしさを感じてしまった。 50年以上前の映像なのに勝鬨橋も万世橋の欄干の石の表示板も今も健在。 映画の中から現在を探してしまった。そんな愛しさのある映画です。 【omut】さん [映画館(邦画)] 8点(2019-10-20 08:35:37) (良:1票) |
9.映画はタイムマシーンである。ぼくたちはこの映画と一緒に昭和31年の深川州崎を散策する。当時の人たちと一緒に。――それにしても、ああ、なんと愛しい人たちだろう。 【火蛾】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-10-31 16:33:49) (良:1票) |
8.おどろおどろしい娼婦ものかと思いきや、人情味溢れるカラリとした青春物語。最大の功労者は飲み屋のおかみさんで、彼女を中心に物語は回っていました。さらに玉子ちゃんの瑞々しさが作品に彩りを添えていました。起承転結全てが見事な一品。 |
《改行表示》7.洲崎パラダイス一歩手前の赤信号、よくぞ留まった。最初の方は、義治の駄目男ぶりが嫌でたまらなかったが、次第に物語に引き込まれてしまった。男と女の間柄はそう簡単に割り切れるものではない。この映画はそれを深く掘り下げ、鋭く描き出している。名作という以外ない。 新珠三千代の演技力はすばらしいし、芦川いづみさんもいい。最後はちょっとかわいそうだったけど・・・。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-10-12 20:47:28) |
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6.大人がつくった大人の映画。これなんかを観ると、日本映画もガキンチョになっちまったなあ、とつくづく思う。見ごたえあり。 【goro】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-11-02 13:10:58) |
《改行表示》5.わたしは、”旧赤線地帯フリーク”なので、前から見たいとおもってました。この時代の東京が見れることがまず嬉しいし、当時の洲崎パラダイスがみたかった。(健さんも行ったという東京パレス、なんてデカイのも小岩にあったらしい)この時代の日本映画ってほとんど知らないんですけど。いいっすねえ!世界のクロサワ作品がマジで、ガキんちょにみえます(笑)。しかし、ひょっとして、非常に上質ではないですか?コレ? とくに、酒屋のおばさんのやさしさ。なんという、ふところの深さ!泣けてきたなあ。ほかにも、やはり”銭のハナ”も”藤達也”もスキになっちゃう!みんないいオンナやなあ。 この監督、他のもガゼン!観たくなった。 【男ザンパノ】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-10-02 00:41:22) (良:1票) |
4.場末っていうのはつまり、都心で進行している社会活動の濃密な人間関係から離れた場所。遊郭ってのがそもそも後腐れのなさを売ってる場所だったわけで、そういったフワフワした感じがもう洲崎という土地にしみ込んでいる。身元の保証などなく、ざっと店主が上から下まで見下ろしただけで、蕎麦屋の出前になれる自由さ。でもかえってそういう頼りないフワフワした土地だから、腐れ縁は腐れ縁としてクッキリ浮かび上がってしまうのかも知れない。このなんともブヨブヨした場末ならではの空気が見事に写し取られていた。やたらに雨が降るし。新珠のシャキッとしたところと対照させるためだろうが、三橋のウジウジぶりはやや過剰に感じられる。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-11-24 12:14:11) |
3.洲崎パラダイス 赤信号。もうネーミングの響きがいいですね~。冒頭の洲崎パラダイスの通りに連なる賑やかな店先を、上から見下ろし延々と横移動するシーン。長回しもさることながらエネルギッシュな芝居にも感服。ああ、こんな風に物語は進行するのかと思ったが、ここからが少し違った。本編は洲崎パラダイスの入口手前で進行する。溝口健二は中からこの世界を描いたが、この設定は正直、斬新です。しかしそれからの展開は男と女の愛情のもつれに終始し、前半ほどのインパクトはありませんした。玉ちゃんの扱いも中途半端だし、ラストもね・・。でも背景はおもしろかったですよ。秋葉原(でしたっけ?)の電気街などは賑やかさも建物も壮観でした。それにしてもこの時代は勢いがありますねえ。 【カリプソ】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-01-30 00:00:10) |
2.ビックリした!見る前は川向こうの歓楽街【洲崎パラダイス内】で繰り広げられるオハナシなのかと思っていたら、それは最初のタイトルバックだけ。結局最後までカメラは川のこっち側、普通の人々が日常生活を送っている側から頑なに離れようとはしない。どうしようもないダメ男から離れられない女の姿から、自分も成瀬巳喜男「浮雲」を連想しましたが、こちらの方が良い意味でより軽佻浮薄、何より深刻ぶらないのが良いです。脇役ながら芦川いづみ、この映画でもメチャメチャ可愛いっすねえ~。全シーン、地味な蕎麦屋の店員の前掛け姿なのに、こんなに可愛いなんてよっぽど素材が良いんでしょう。何気なく前掛けの2つのポッケに手を入れている仕草を見ているだけでも、こっちの顔がほころんできます。昔、『山口百恵は菩薩である』なんていう言葉があったような記憶があります。私は同監督作「風船」のレビューで、ラストシーンの芦川いづみからは後光が射しているようだと書きましたが、この作品や「陽のあたる坂道」「乳母車」での彼女のたおやかな微笑みを見ていると、ついこんな言葉が浮かんできます、『芦川いづみは千手救世観音像である』と。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-12-29 11:03:40) (良:3票) |
《改行表示》1.映画館まで観に行った作品。 映画館で観てよかった。 “洲 パラダイス 崎”と架かったアーチが何とも印象的な作品だ。 あのアーチを観ただけで、心が躍ってしまった。 勝鬨橋や都電、そしてこのアーチなどが鮮烈に映像に焼きついており、それだけでも貴重極まりない本作。 本作『洲崎パラダイス 赤信号』は、成瀬巳喜男監督の代表作『浮雲』を思わせる“男女の一筋縄ではいかない後腐れな関係”を首尾よく描いている。 さすが川島雄三監督の代表作の一つと呼ばれるだけあって、独特の余韻を残す紛れもない傑作だった。 それにしても、蕎麦屋のお姉ちゃんを演じていた芦川いづみだが、めちゃくちゃキュートだった! 夫である藤竜也がニクイ!! 最初は7点をつけようと思ったが、あまりに脳裏に焼きつく映像の数々に、1点プラスの8点を献上したい。 【にじばぶ】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-11-01 20:58:16) (良:2票) |