125.この映画、大天使ガブリエルのティルダ・スウィントンと、ルシファー(サタン)のピーターストーメアの2人だけが記憶に残った。
この二人はキワモノ演じさせたら、ドンピシャリな役者だ。
人間離れしたお顔のティルダは「ザ・ビーチ」の怪しい集団のリーダーや、「オンリーラヴァーズレフトアライヴ」のスタイリッシュなドラキュラや、「スノーピアサー」のクレイジーなおばさんといった、ミョウチキリンな役が本当にピッタリだ。
そして今回は、ゲスな大天使役で私の心をわしづかみである。さらに目をひいたのはそのファッションだ。
初登場シーンでは180cmの長身にマニッシュなブラックのパンツルックでモード系なガブリエルかと思いきや
終盤で表れたときの彼女は、病院で患者の腕につけるリストバンドを何連にもつけレースアップのパンツのすそとクラッシュ加工のオフホワイトのタイトな衣装が終末感漂うポスト・アポカリプティック系なガブリエルだったり。
なんともファッショナブルなガブリエルで、お洋服が大好きな私にはかなりのツボである。
そもそもガブリエルは聖書でも男か女かはニュートラルなキャラなので、中性的なティルダにはまさにピッタリだ。
そしてサタンのピーター・ストーメア。彼も「マイノリティ・リポート」の怪しすぎる眼科医や、「8mm」の怪しすぎるAV監督のように、ちょろっと数分出ただけでもうその存在感が主役さえ圧倒するキョーレツな個性の役者だ。
そんな彼、期待を裏切ることなく、今回も数分間だけの登場でキアヌの存在感すら圧倒する怪しすぎるサタンを演じきってくれた。
正直、ガブリエルとサタン以外は、憑依モノによくある流れなのでどうでもよく、実際、CS放送で録画したこの作品を見終わったあと、”編集”を使ってガブとサタンの登場シーン以外は削除した。
ガブ&サタンのPV映像としてこれからもたまに見て楽しむ。