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31.20年近くまえ、映画館で観た。まだ10代の自分には早すぎた気がして、撃沈した。そして、アラフォーの年末、ふと見返してみた。「ショートカッツ」というタイトルのとおり、短いシーンがめまぐるしく移り変わる。それがとにかくスリリング。ある程度まとまった「エピソード」を重ねるオムニバスとは全く違う。最初1時間は話も見えず、やっぱりしんどかったが、途中から突然物語がつながり、登場人物が生き生きと動き始める。そのへんは後発の群像劇『マグノリア』や『クラッシュ』とも似ているけれど、やっぱりぜんぜん違う。何が違うか考えてみたのだけれど、結局、この映画は、徹頭徹尾、登場人物のあいだの「関係」を執拗に描く。関係を欲望し、関係に絶望し、関係を喪失し、関係がうまれる。アルトマンらしい「文明批評」。唯一無二の映画体験だと思う。残念なのはラストかな。『マグノリア』の元ネタではあるといえるが、この映画に限っていえば、もっと別の可能性があったように思える。 【ころりさん】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-01-06 18:10:27) |
《改行表示》30.時間軸を工夫した群集劇によくあるパズルが完成されるような爽快感や、ドンデン返しの意外な結末を期待して観ると肩透かしを食らうと思います。 私はその一人でした。 ただし、様々な人間模様ドラマとして面白い作品でした。 「ショート・カッツ」なだけに、内容が多くてそれぞれコメントできませんが、結局、言いたいことはすべてエンディングの歌詞が言ってくれてると思います。 じっくりと腰をすえて、紙に人物相関図を書きながら観賞するといいかもしれません。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-02-11 17:26:18) |
29.色々なエピソードが、ジグソーパズルのピースのように繋がっていく。ようやく其々のピースが埋まり完成と共にパズルごとひっくり返すエンディング。3時間があっという間に過ぎる、クールな映画。 【円軌道の幅】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-04-05 22:18:52) |
28.省略の芸術に足し算を試みたが何も起こらなかったところか。 【michell】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-09-22 19:42:48) |
27.1992年[ザプレイヤー]も観たが、この作品も1回の鑑賞では充分でない。再鑑賞要。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-08-05 17:15:38) |
《改行表示》26.ものすごく豪華キャストなので、長いとはいっても、それなりに楽しめたが、カーヴァー的世界が目の前で繰り広げられると、映像を見てるのに、不思議なことに村上春樹の文章がちらちらして、妙な気分だった。村上春樹訳でカーヴァーを読んでいるのだから、不思議でもなんでもないんだけどね。 ごひいきのティム・ロビンスのうそつきぶり、身勝手ぶりが、やっぱりよかった。 【yhlee】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-12-30 16:54:35) |
25.待望のDVD化により即購入、鑑賞しました。アルトマン映画では最も好きな1本です。日常生活に浮かぶ人と人との関わり合い、心のすれ違い、おかしさ、哀しさがテンポよく描かれ、3時間まったく飽きません。出演している俳優はみんな実力派ばかりで、役にもぴったり。見るたびに新たな発見のある映画です。DVDに特典が入ってないのが少々残念でありますが。 【カワウソの聞耳】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-11-28 12:15:12) |
24.苦手アルトマン作品にしては、珍しく楽しめた。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-10-10 17:38:17) |
23.ちょっとまじめすぎる。リアルな日常劇のお芝居という感じ。ありえなさそうでありそうな生々しさはない。だから笑えない。つまり突き放し過ぎて救いがない。始まりと終わりも輪をかけて陳腐。 【Vanilla】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2006-08-05 07:37:15) |
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22.傑作である。レイモンド・カーヴァーの小説作品といえば、日本では、村上春樹訳としてよく知られている。その村上春樹がカーヴァー作品について、「人間存在の有する本質的な孤独と、それが他者と関わりあおうとする際(あるいは他者とかかわりあうまいとする際)に生じる暴力性が重要なモチーフ」と解説しているように、カーヴァーは、その原初的な孤独と暴力性に常に囚われる下層労働者たちの荒涼とした悲哀を描く作家である。しかし、村上訳でカーヴァーに接する僕たちにその辺りのニュアンスを掴むのはなかなか難しい。村上訳から漂う軽妙な風がまさに都市的な悲哀を僕らに吹き込んでくるからである。個人的には、その悲哀の本質<弱さ>は変わらないと思うが、カーヴァー作品で描かれる下層労働者たちの絶対的な「どうしようもなさ」が圧倒的な存在感をもって僕らに伝わっているかと言えば、なかなかそうは捉えられないところがあるだろう。それに比べればアルトマンの描く「ショートカッツ」は実にカーヴァー的<原カーヴァー的>であると僕には感じられた。画面に漂うあまりにも明瞭な寒々しさ、絶対的な孤独を自明とした人々の生活とその荒涼感。映画としては、カーヴァーのいくつかの短編を繋ぎ合わせた構成となっていながら、そのエッセンスをうまく統合することにより、カーヴァー的世界を忠実に表現していたように思える。著名な役者たちも各々の無意識的な「ボロボロさ」加減をうまく演じていた。上空を旋回するヘリコプターが煽る硬質な不安感の中、最後の地震のシーンは人間の根源的な衝動、漠とした悪夢を見事に映し出す。僕は映画を観終わったあと、しばらく間、悪夢の続きの中をくらくらしたものだ。 |
21.途中眠くなったけど、観て良かったと思える映画。エンドロールの歌を含めた最後10分に救われた。人生の応援歌って感じ。でも、二回は見なくていいかな... 【●えすかるご●】さん 6点(2004-03-20 01:22:15) |
20.ある町の複数の夫婦の一つ一つの話しがどこかで結びついていき、見ていてある種の楽しさがある。かなり長い映画ですが、その辺はジャックレモンをはじめとする名優陣、飽きずに見れます! |
19.まぁとにかく豪華なキャスト。ぞろぞろぞろぞろ。お腹一杯っす。中でも延々とエロ電話してるジェニファージェイソンリーが一番面白かった。人ではなく、人の集まり、つまりは社会を撮るという非常に遠い視点ながら、細かいところまでよくできていると思う。テーマは浮気・・かな? 【ぷりんぐるしゅ】さん 7点(2004-02-12 16:15:13) |
18.ロバート・アルトマンという監督は、とても玄人向けの作品を撮る監督だと思う。私のように頭の回転が鈍い人間には、彼の得意とする独特な群像劇は辛いものがある。映画の内容云々以前の問題だけれど、登場人物全部憶える前に映画が終わるのですよ(涙1粒)。この映画は観る前に人物関係を予習したのに、それでも駄目だった(涙2粒)。ひどいものです。この点数は、作品の点というより、自分の至らなさに起因するものです(涙3粒)。 【ひのと】さん 4点(2003-12-31 20:00:30) |
17.何組かの夫婦の日常を淡々と描いているわけですが、それを飽きさせず、どうなっていくんだろうと思わせてくれるアルトマン。下品になることなくシニカルに見せてくれるのがよいです。ジェニファー・ジェイソン・リーのテレフォン・セックスのシーンは現実的で笑いました、その仕事ぶりを見ているクリス・ペンの表情がまた良いのです。「マグノリア」?んー このスタイルを引用したってだけで視点、焦点がまったく違うと感じる。イっちゃってる人も結構出てはくるけど、こっちにはユーモアがあり登場人物たちの性質ね、ここが違うのよ。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2003-12-01 12:26:44) |
16.もう一つ、アルトマンの世界には馴染めずにいる私だがこれはそこそこ楽しめた。これが売り物の豪華な顔ぶれも、豪華すぎずでマル。それぞれの個性が微妙に絡み合って、独特の雰囲気をかもし出している。全体の雰囲気もウェルカムなムードで誰にでも入り込みやすい仕掛けになっているし、いろんな意味で楽しい映画だったと素直に思う。何か痛烈なメッセージとか感動を期待するのは難しいが、ひまつぶしにはお勧めの一作。 【anemone】さん 7点(2003-11-29 17:21:12) |
15.大好きです。日々淡々と生きてる中で無意識の内にも交差する人と感情をドライに写し撮った傑作!基本的には人間賛歌なのですが、超変化球なのがいい。この頃アルトマン復活で昔の作品が上映されていて足繁く通いました。 【けせる】さん 9点(2003-11-16 20:48:02) |
14.ちょっとした事で突然昨日までの自分には戻れなくなり喪失感を感じる。そんなお話が多いレイモンド・カーヴァーの原作の世界をとっても良く表現していると思う。手順をすっとばしていきなり心の中のデリケートな部分に触れてくるような映画だと思います。但し結論が無い話しが苦手な方には退屈かも。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2003-11-14 17:18:56) |
13.いろいろな人間が勝手に動いていて、それが世の中なんだなあと思ってしまう映画でした。昨日まで笑っていて明日は三面記事の主役になっているかもしれない、そんな現実を感じさせます。アルトマンの群像劇はどれも大好きですが、これも良かったです。 【omut】さん 8点(2003-07-27 03:16:25) |