7.清張作品で橋本忍脚本とくれば良質な筋立ては保証されています。平凡なサラリーマン課長の因果応報な転落模様は都度次の展開が浮かんできて、肩の荷がどんどん増えてゆく思いで滅入ってゆきます。小林桂樹が見せる喜怒哀楽はリアリティあふれる名演で、ラストショットの後ろ姿は残酷でありながら救いも感じました。「40そこそこならやり直しが利くはず、杉山夫妻と妻子への罪を償って」地味ながらも見応えある良作です。 |
《改行表示》6.どう見ても家庭的に見える小林桂樹の不倫では違和感があるのだが、平凡な男の転落ということで見なければならないだろう。それゆえ誰にでも起こりうる可能性を秘めているとも言える。 自分ならあのときどうしていただろうと考えさせられる映画だ。やはり40歳の課長には不相応ということかもしれない。 小池朝雄はコロンボの吹き替え以前は、こういうヤクザをよくやっていた。声優だけあって声にすごみがある。児玉清はちょっとわからなかった。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-10-30 13:41:32) |
5.ラストは拍子抜けだけど、この時代の清張の映画はどれも面白い。でも、最初のモノローグで主人公が41歳と聞いてショックだった。今だったら、あの主人公は50代後半にしか見えない。 【クロエ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2010-03-09 23:55:36) |
4.課長で愛人が持てるとは・・。そんな粋な経験なしの年金暮らしとなった。 【ご自由さん】さん [地上波(邦画)] 7点(2009-12-19 23:36:36) |
3.松本清張の作品は、基本的に淡々と筋を追っていくだけのものが多いので、映像化しても、よほどオリジナルなデフォルメを入れない限りは突出したものにはなりにくい。この作品もその枠を超えてはいないが、要点を突いてコンパクトにまとめており、またちょっとした描写にも気を遣われてもいるので、それなりに面白くはある。説明台詞の多さが難点。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-12-14 02:27:07) |
2.松本清張原作の映画はこれが初めてかな。けものみち(ドラマ版)はわりと好きなんだけどこれはまあまあかな。20代の児玉清氏が端役で出演していたが、さすがにこの人だと指摘されないとわからないね。こういう古い映画だとやはり当時のお部屋とか家電製品など、映画の作り物のセットではあるけれども当時のそういう暮らしぶりが垣間見えるのが楽しい。ご飯を炊くタイマーだとか、オフィスや法廷で蝶ネクタイしている人がチラホラいるなぁ、とか。清張氏の原作だと鑑賞後にがっかりするようなハズレがなく安心して見ていられる、そんなイメージ。他にも清張原作の映画で気になるタイトルがあるので是非また鑑賞してみたい。 【☆Tiffany☆】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-12-09 23:50:11) |
1.小林桂樹は裸の大将のイメージが強かったので、もてる中年には見えないのですが、好演でした。松本清張の計算されたストーリーがなんとも巧妙で、残酷でもあります。また、当時の東京界隈も垣間見ることができ、冒頭で出てきた渋谷の町並みは平成生まれの自分にとってはなかなか衝撃でした。今はないプラネタリウムの存在もそのシーンで確認できます。とはいえ風景以外の部分では変わらない、というかさらに都市化している今では、いくらでもありそうな小市民の悲劇なのです。しょうもないとも言えてしまうのですが・・・。 【kagrik】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-04-29 19:47:22) |