36.コア・ターゲットは、主役・準主役の役者が、アクション・スターだった時代に、少年時代・青年時代を過ごした人たち。
コンセプトが、あまりにも明解である。
懐かしのバンド再結成映画。
<- あらゆる面で、脳が劣化した観客にもわかるように、ちゃんとセリフでもズバリ説明されている。(そこまでされても、JTNEWSのレビュワーは、ここに反応することができない)
トシを取ると、頭を使う映画を観るのがしんどくなる。字幕を読むのさえ、しんどい。複雑な話しは頭に入ってこない。登場人物が多いと、それだけで混乱する。
そういうご年齢になった方々のために、頭を使う要素を、極限までそぎ落としました。そういう映画である。
スゲーぞ!
ある意味で芸術的でさえ、ある。
しかも、だ。主要な役者陣は、よく知っている人たち。だから、考える前に、既に知っている。
ここで、個人的な話しを。
昔の映画しか面白くないことに屈辱を感じていたのは、今は昔、もう40年以上も前のことになってしまった。
映画には気持ち良さを求めている。ここで言う気持ち良さとは、痛快感のみを指さない。
悲劇性もまた、場合によっては気持ち良いのである。
最高の褒め言葉は、お耽美。
(しまった、これを言い出すと、話しが散らかり過ぎる)
だが、お耽美と呼べるほどに、悲劇を劇的に構成した映画は、ほとんどない。
まあ、それはいいや。
REDの話しに戻ろう。
この映画では、じいさんが活躍している。
うーむ。
わしもこのまま枯れていくのは、ちっと早すぎるんじゃないか、とさえ思えて来る。
そういう意味で、観客に力を与える映画になっている。そして、そういうことをやる映画は、今や稀有の分類である。
(だって、バカな観客どもから面白がられるためには、こっちもバカにならなきゃ!
今の映画の作り手は、そう思ってるのが顕著である。
そしてJTNEWSを見て、しばしば思うのは、話しがちょっと複雑だと、
筋違いなことを言っている人が多い。トロン・レガシーなんか、その典型である。
その正反対の例が隠し砦の三悪人だった。
国の再建というあまりに重い責任を負わされてしまった姫が、それにふさわしいウツワであることが見過ごされている。
「あっぱれ、将に将たるウツワ、大事にせえ」との田所兵衛のセリフがあるのに、それでも観客のほうは全然わかってねえ。
そのわりに、絶賛されている。これが映画としてのパワーの違いか。
と思ったのだが、たぶん違うな。)