1.50年代から60年代に盛んに作られていた歌謡映画も、この頃になるとめっきり下火になっていた。高校三年生で華々しくデビューした舟木一夫もご多分に漏れず、年を追うごとに人気がなくなってきたし、この映画は主題歌すらまったく知らなかった。ところが不思議なのは、DVDで初めて見つけた舟木一夫の映画がこれだからまったくの皮肉。舟木は一応主役にはなっているが演技もたいしてうまくなっていないし、映画自体もぱっとしないし斬新さに欠ける。ところが舟木に反比例して、ヒロインの松原智恵子は年々美しくなりまぶしいほどだ。