30.観はじめて30分ほどの間、現在の日本映画ではお目にかかれない、気が利いたセリフの応酬(おうしゅう)に驚かされ、そのテンポの良さに驚かされ、無駄のないストーリー展開に驚かされた。白黒映画だから観る側に想像力が働くのが良い効果をあげているのか。紙風船に自分好みの色がにじみ出る映画でした。 【cogito】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-08-16 00:09:44) |
【ホットチョコレート】さん [地上波(邦画)] 6点(2012-02-03 14:24:57) |
28.天才とまでいわれている若き映画人、山中貞雄氏の演出作品をやっと拝見する事ができました。凄いの一言!! 残りわずかに現存すると言われている作品全部なんとしても生きているうちには必ず観ておきたいと思いました。 【白い男】さん [地上波(邦画)] 9点(2012-02-02 23:52:54) |
27.初めて観た戦前の日本映画ながら、全然古臭さを感じさせず、最後まで見飽きなかった。髪結新三の惚れ惚れするような機転と度胸、その逆に不器用で気弱な浪人又十郎、その周りの貧乏ながら精一杯不敵に生きている長屋の連中。悲劇なのは確かだが、観終って清々しさを感じさせられた。若い加東大介も確かな演技で魅力的。 【Q兵衛】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-11-14 16:18:01) |
《改行表示》26.長屋風雲録といった内容の作品。完全な人情劇かと思ったら、 その長屋の一角に住む、落ちぶれた武士の悲哀さがしっかりと描かれていて、結構面白かった。 その主人公演じる中村翫右衛門は歌舞伎役者らしく、しゃべり方や佇まいが凛としていて、 そのくせ妙に腰が低いというキャラが絶妙。長屋の住人たちの様子に笑わされ、 主人公でこの世の侘しさを表現と、なかなかバランスの取れた作りだったかと思う。 欲を言えば、主人公の奥さん、武士の妻という側からの描写ももうちょっと欲しかったかな。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-10-08 07:57:39) |
25.人情紙風船、いや、人生紙風船。無常。作品自体は時代劇で長屋モノなんだけど・・・中身は何と、これはまさしく“現在”ではないか! 永遠にうち続く無常。永遠の現在。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2011-05-28 17:09:22) |
24.河内山宗俊と共通して、奥行き感を出す構図が良い。背景となった時代を知るわけではないが、長屋風情など至極良く出来ていると思う。ラストシーンの紙風船に心を打たれる。 【円軌道の幅】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-03-27 09:25:15) |
23.古いこと自体は気にしないけど、所々聞き取れない部分があったのは困ったな~。でもDVDには日本語字幕も付いているようなのでご安心を。物語に関していえば理解に苦しむ点もあったが、印象に残る秀作ではあると思う。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-02-27 00:23:57) |
22.淡々とした運びだけれど、終始、無駄のない描写で、密度が濃いです。浪人の自殺という出来事ながら、ほのぼの長屋の情景で幕開けだったけれど、かなりのシビアなラストにちょっと胸が詰まる・・・。長屋の人々の何気ない日々の生活が生き生きと描かれ、本当の江戸長屋を見ている気分。個人的に新三タイプの男は好きだなぁ。群れずに、強きに屈しないところが。一方の又十郎、妻には冷ややかに見られ、元上司には蔑まれ、新三の対極にあるような哀しい男。こんな人生の哀切なんぞ紙風船のごとくなすがままに漂うのみ、市井の人々の生活は淡々と繰り返される、って感じですかね。なんとも渋い映画です。 【すねこすり】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-12-15 14:57:11) |
《改行表示》21.ここでの評価が物凄く高かったので期待して視聴・・・・・したがそれほどのものは無かった。 又十郎に全く感情移入できないことと、90分に満たない上映時間ながら場面の一つ一つが冗長に感じられてしまうところに問題があると思う。 また、登場人物一人ひとりの言動がどうも形にとらわれすぎていて機械同士が喋っているようにしか見えない。これは演者が感情表現に乏しいからであろう。 そしてとにかく作品全体に漂う異常な古臭さである。この時代の作品にも古臭さを感じさせない作品はいくらでもある。邦画という視点から見ても黒澤映画の足元にも及ばないのである。 【理不尽みるく】さん [DVD(邦画)] 2点(2009-09-28 22:00:31) (良:1票) |
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20.色んなレビューサイトでの評判を聞き、ようやくDVDを見つけました。1937年の映画ですが、現代でも通用する映像技術、演技、そして切なくも悲しいストーリー。これを名画と言わずして何と言おう。近年の歴史映画には類を見ない、実に素晴らしい作品だと思います。ラストなんてもう鳥肌が。映画には時代なんて関係ないもんだな、と再認識いたしました。全ての映画ファン必見でございます。 【Fukky】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-09-22 21:01:13) |
【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-12-03 20:44:12) |
18.全編通して全く古さを感じさせない重厚なドラマですが、圧巻はやはりラスト5分。タイトルや冒頭の通夜のばか騒ぎなどからもっとお気楽で心温まる物語を想像していたのに、まさかあんな結末を迎えるとは…。昨今のヘタな自称どんでん返し映画などより遥かに勢いよくひっくり返される衝撃の結末にはただただ悶絶。 【とかげ12号】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-08-20 20:53:06) |
17.さすが山中貞雄の代表作だけあって、痺れる緊張感がありました。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-10-13 10:19:44) |
16.雨の中たたずむ男のシーンが頭から離れない。。映画であることのすべてがつまっている作品。せりふ、カメラ、照明、構成、役者、ストーリー、音楽、、どれをとっても文句の付け所がない。これが「映画」ってものなんですね!!! 【kaneko】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2006-12-05 14:11:11) |
【くさや620号】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-05-28 13:55:54) |
14.幸運にも図書館で借りることができ、鑑賞しました。戦前の日本にこれだけ完成度の高い群像劇映画が存在していたとは、ただただ驚愕の極みです。ぜひ山中貞雄監督の他の作品も観たいのですが、現在ではフィルムがほとんど散逸しているということで、残念でなりません…。この映画の存在を教えてくれた他のレビュアーさんたちに感謝の気持ちでいっぱいです。 【K】さん 9点(2005-03-24 10:10:53) |
13.山中貞雄監督の作品をはじめて拝見させて頂きました。観る切っ掛けは、やはりこのサイトでの平均点が異常なほど高かった事と、レヴュアーさん達の感想の中で絶賛を受けている、そんな作品を観ないわけにはいけないと思い、そして日本最高傑作と言われるこの作品を観て見たい、という思いからTSU○AYAでビデオを借りた次第であります。そしてビデオをセットし、再生ボタンを押すと、物々しい雰囲気からストーリーが始まり出しました。すると、いきなり画面に映る映像に驚きを感じました。なぜなら画面の向こうに移る風景や背景がまるでその時代の街を本当に映したかのように、全てがリアルだったからです。これほどまでに鮮麗された映像の時代劇は観た事がありません。そして映像だけでなくストーリーもとてもリアルだった。この映画の中に登場する人々の思考は、現代人の心理とほとんどが同じで、その人々の考えや思考に共感とまでは言えませんが、結構理解できました。しかし、前評判が高過ぎて、自分の中で期待の風船を膨らまし過ぎてしまいました。ストーリーの重苦しさ、苦しみがどうも僕にはつら過ぎて、直視する事ができませんでした。この映画を最高傑作だ!と感じれない自分自身にすごく腹が立ちます。あぁ残念だ・・・ 【ボビー】さん 7点(2004-07-27 23:46:20) (良:1票) |
12.山中貞雄をただ早逝の天才という知識だけで、初めてこの作品を見た時には、正直、うわーなんと厭世的、諦観的な作品なんやと。山中貞雄=ペシミスティックと勝手に式化してました。ところが・・・『丹下左膳餘話 百萬両の壺』『河内山宗俊』を見ると、ありゃりゃーー。さらに評伝などを読むと『街の入墨者』の脚色にはルビッチの『私の殺した男』、演出にはキャプラの『或る夜の出来事』を取り入れた、らしい。『人情紙風船』の憂色の濃さを時代に見るのはたやすいかもしれません。しかし三村伸太郎の生き生きとした脚本を全く反対にしてしまった山中の心情はいかなるものだったんでしょう。空と流れゆく雲のカット、金魚売りの長閑な声、ラストの紙風船。うーん、切ない。特にラストの紙風船、静かに向こうへ流れていく姿、あれはもう山中そのもの・・・。10点はいつか見ることができると信じて『街の入墨者』『国定忠治』にとっておくとしよう。 【彦馬】さん 9点(2004-05-25 01:01:38) |
11.昔、山中貞雄というすごい監督がいた、という話を聞いて早速大学の図書館で本作品を見た。生まれて初めての戦前の邦画だった。戦前の邦画なんて今の学生自主映画くらいのもんだろうという誤った認識を持っていた僕は再生ボタンを押すや愕然。画面には江戸時代にそのままカメラを持って行ったような生き生きとした長屋が映し出された。失礼ながら、想像を遥かに超える出来だった。呆気にとられながら見つづけ、見終わってしばらくは衝撃で席を離れることができなかった。これほどまでに心をえぐる映画を見たのは初めてだったし、しかもそれが戦前の邦画。山中貞雄が20代でこの作品を撮り上げ、そのまま出征して亡くなったという話と合わせて、その場で泣いてしまいたいくらいだった。その後すぐに図書館で山中貞雄関連の本を探してむさぼり読んだ。 ただただ、山中貞雄の最高傑作と言われる『街の入墨者』のフィルムがいつかどこかで発見されやしないかと心から祈っています。 【藤村】さん 10点(2004-02-12 19:32:13) (良:2票) |