《改行表示》19.特撮映画好き界隈では必ず名前が上がるカルト的人気の高い作品をようやく鑑賞することができた。 個人的にずっと前から観たかった作品だったので、期待値が高まりすぎていたのかもしれないが、何というか、思ったよりも“トンチキ”な映画だった。 まず怪獣そのものの出自についての説明があまりにも曖昧でいい加減だった。 この映画の前に「フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)」という作品があり、その続編なのかと思いきや、設定や描写が若干異なっており、正確には平行世界を描いた“姉妹作品”という位置づけらしい。 だから、劇中で水野久美演じる博士が語る“サンダ”の出生秘話も取ってつけたような描写になっており、結局どういう経緯でこの怪獣が生まれたのか全く不明である。 故に観客は人間側の一人として、どういうスタンスでこの怪獣を捉えていいものか戸惑ってしまう。 当然ながら、“サンダ”の細胞から派生した兄弟怪獣“ガイラ”に対しても同様で、いきなり登場してきて人間を食い散らかされても、恐ろしさは感じるもののただそれだけで、怪獣としてのキャラクター性があまりにも希薄だった。 そういった肝心の怪獣たちの存在感が薄いことに対して、逆に目を向けざるを得なかったのは、人間たちのエゴイズムに対する嫌悪感だった。 一応の主人公的立ち位置の研究者側も、怪獣の脅威に対応する自衛隊(政府)側も、「飼育すべし!」「抹殺すべし!」と、双方がそれぞれに人間のエゴイズムに溢れた主張を繰り返す。 この映画における“メインマッチ”は、悲しき兄弟怪獣の対決などではなく、人間の“エゴ対エゴ”だった。 そして、化粧の濃い水野久美のめくるめく衣装チェンジを目の当たりにする映画でもある。 想像していたものとだいぶ違って残念だったが、当時の東京という街の風俗描写はなかなか味わい深く、色々な意味で「時代」を感じられるという点では、鑑賞の価値はあったと思う。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(邦画)] 4点(2019-12-22 00:45:32) |
《改行表示》18.昔の東宝特撮の中ではなかなか出来のいい作品だと思います。 水中から睨んでいたり、嵐の海を乗り組員を襲ったり、ガイラの恐怖感がなかなかのもので、空港に上陸してきた姿を遠景で撮っていたのも妙なリアリティを感じさせました。 自衛隊の攻撃がそこそこ効果を挙げ、光線を浴びたガイラが山林をぶっ倒しながらのたうち回る攻防戦の一連の合成や、音楽とマッチしたテンポの良さも引き込まれるのものがあります。 【クリプトポネ】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-08-21 20:47:21) |
《改行表示》17.特撮やサンダ、ガイラの造形の妙にヤラれました。怪作なんですが丁寧に作られてます。 みんなフランケンシュタインと呼んでいるモノがどう考えてもフランケンシュタインには見えないな。 【CBパークビュー】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-02-13 21:37:28) |
《改行表示》16.サンダ・ガイラというネーミングもいいが、とにかくキャラのインパクトが強烈。 序盤の設定などちょっとわかりづらい部分もあるのだが、「フランケンシュタイン対地底怪獣」 の続編らしいので、そちらから先に観た方がいいかも。もちろん怪獣映画なので、 気にする程のこともないけど。サンダとガイラは人間型の怪獣で、動きは非常にスムーズ。 役割の違いこそあるが、どちらも顔がそっくりで怖いという、異色の怪獣映画に仕上がっている。 コアなファンが多いことも頷ける作品である。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-08-12 16:28:37) |
15.怖かったです。ダークです。ガイラが出過ぎです。ちびりました。 【ジャッカルの目】さん [映画館(邦画)] 6点(2011-02-05 10:22:13) |
14.これぞプロレス映画。隣近所の迷惑も顧みず、壮絶バトルを繰り広げるは、文字通り血肉を分け合った大巨人同士。譬えるならばまさに、アンドレ・ザ・ジャイアントvsモンスター・ロシモフ、「二人民族大移動」by古舘伊知郎。いや、巨体ながら(アンドレと違って)この素早い動き、これはまさに、ジャンボ鶴田vsジャンボ尾崎。ってそりゃ野球選手だろう。いや借金王だろう。あ、プロゴルファーか。ま、とにかくですね。ひたすら怪獣のバトルを楽しめる映画が、この作品。カラー作品では合成映像が不自然に見えやすい(見えやすかった)ものだけど、本作は見事な処理で、臨場感も満点。理屈抜きで楽しんでください。とか言いつつ、うーん怪獣ってやっぱし爬虫類系とか節足動物系とかがいいなあ。サル系も悪くは無いけど、一匹ならず二匹となると、絵ヅラ的にはちょっとダサい。 【鱗歌】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-12-16 22:51:45) |
13.怖い怪獣映画の傑作といえば、やはりこれ。前作「フランケンシュタイン対地底怪獣」の続編という体裁を取っているが、怪獣の恐怖も物語の面白さも、本作のほうが上だと思う。“サンダとガイラの兄弟喧嘩”という筋書きだが、物語に説得力があって、実にリアルだ。ガイラが羽田空港を襲ってスチュワーデスを貪り食うシーンや、海底から船を覗き込むシーンは少年時代トラウマになった人も少なくないと思う。そして何といっても、特筆すべきは新兵器メーサー車。自衛隊の車両群に何気なく溶け込んでいる演出は、東宝特撮陣の腕の見せ所。60年代の東宝特撮映画の傑作だ。 【ドラりん】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-10-16 09:47:51) |
12.ゴジラ映画が堕落の一途をたどる時代に出現したハードな作品。ガイラがかなり怖いです。羽田空港のシーンのような直接的なものもあれば、ボートのカップルみたいな心理的な恐怖をあおるシーンもある。最後は呆気なかったけど、怪獣が恐怖の存在だった最後の作品といえるかも。 【とかげ12号】さん [ビデオ(吹替)] 6点(2005-11-04 23:35:01) |
11.子供の頃見た時、怖くて怖くて、見た後の夜はトイレもいけないぐらいでした。今見ても、怖い怖い。40年も前によくこんな映画が撮れたなァ~と感激しながら見てました。空港の襲撃や海からの襲撃の時はドキドキものでした。自衛隊の武器がうさんくさかったのが残念。 【はりねずみ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-10-30 19:32:53) |
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10.とにかくガイラが怖いねん。顔つきとか、大きさとか。なんでそんな姿なん?てずっと考えてもーた。海のシーンで泳いでる人の後ろから迫ってくるガイラ、飛行場で暴れて人を食べるガイラ、どれもトラウマになるほどやわ。走るとこがまた怖いねん。飛行場のシーンで滑走路を走ってって、海にドボーンと入るとこ、子供がプールに入るような感じやねんけど、この人間臭さい動きが怖いねん。後、鳴き声、キシャーって、凶暴感が出ててこわひ。そんなガイラと自衛隊の攻防をたっぷり見せてくれる。ただ、博士のシーンはなぜかダルかった。サンダはえーもんやから救わなってノリがなんか。いっそのことどっちも悪にしたほうがもっと怖い映画になってたかも。てゆーか、それこそ大量のガイラを出してくるラストとかにしたら。想像したらさらに怖い。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-08-23 22:55:22) (良:1票) |
9.「 太陽の 光を避けて 人を食う 夢に出そうな 海棲む弟 」 詠み人 素来夢無人・朝 |
8.「海彦山彦」でサンダとガイラなんでしょうね。今までのコメントに沢山書かれておりますが、僕も実際に人を喰ってしまう怪獣が恐ろしくて、眠っているときに窓にあいつの顔が現れたらどうしよう?なんて本当に怯えたものです。同じように人が喰われるシーンは確かスペクトルマンにもありましたが、あっちはもう少し露骨な描写だったな。地下鉄の中を逃げ惑うシーンが秀逸であります。 【leo】さん 6点(2004-12-09 10:06:33) |
7.作中に出てきたフランケンシュタインの怪物は二匹だけだが、「ゴキブリを一匹見たら百匹居ると思え」という格言もある。ちょっとの捜査ですぐ細胞片が見つかるくらいだから、実際はもっとたくさん居るのかしらん。こっちの方がよっぽど怖い。 【flyhigh】さん 4点(2004-12-08 20:58:31) |
6.前作の反省があったのかもしれないが、生身の人間を怪獣に見せる無茶はしていないのが、本作の成功でしょうね。フランケンシュタインとは言え、キングコングみたいな感じですよね。人間らしいだけ、猿というより人造人間に近いのかな。まあ、水野久美さんの存在だけで点数アップです。東宝の怪獣映画には欠かせない存在です。 【パセリセージ】さん 8点(2004-09-25 22:51:35) |
5.タランティーノが『キル・ビル』の参考にした映画、ということで観たが・・・。このサンダとガイラの容貌じゃ一般受けはしないだろう。フランケンシュタインの意味もよく分からないし。けれど現に、公開から40年近く経った今でもこうして語られている映画である。強作だ。 【紅蓮天国】さん 5点(2004-05-05 08:42:51) |
4.この映画は、リアルタイムの小学低学年で見たがガイラが怖かったなあ。海水浴に行くと、ガイラが沖に現れないかと心配したものだ。今、ビデオで見直してみると、外人がたくさん出てくるのはやっぱりコンプレックスかな。日本が経済大国になり、自信を取り戻したのはこの数年後だからね。 【ジブラルタの星】さん 6点(2004-02-14 17:40:16) |
3.お二人のコメントを見て、やはり人を食う場面が印象に残っているんだなと思いました。小学生時代、友達と期せずして「クッチャクッチャと食べる」という表現で一致して、喜んでたのを覚えてます。あと、飛ぶように身軽に走る姿が恐ろしさを一層つのらせてました。表現の細かい部分やストーリーの深い意味みたいなものは、なにしろガキの頃なので、わかっていたかどうかも覚えてないけど、とにかくインパクトの強い映画でした。(こんな題名だったのは全然覚えてなくて、さ行で探してたので、レビューがないのかと思ってました) |
2.<<ネタバレあります>>円谷さんは、この作品以前にゴジラシリーズの行き詰まりを予感していたんじゃないでしょうか。前年の「フランケンシュタイン対地底怪獣」同様、怪獣の大きさの設定をゴジラの半分程度にし、よりダイナミックでスピード感ある映像作りに挑戦したのが本作だと思います。本多監督との息もぴったりで、例えばL作戦準備からメーサー車によるガイラせん滅戦までの描き方も、本編・特撮ともまことにテンポが良く(伊福部マーチも忘れてはいけません!)、本多・円谷コンビのもっとも油ののった時期だったことがうかがえます。唯一残念なのはラストでいきなり海底火山の爆発を持ってきたところで、これは唐突の感あり。背景的に多少伏線を張っておいても良かった気がします。この作品にはガイラが人を食うシーンがあります。私がこの映画を初めて見たのは10歳のとき、映画館だったのですが、あれは怖かった。夜布団に入っても、窓の外にガイラがいそうな気がしてなかなか寝付かれなかった記憶があります(同級生の友人は夢の中に出てきてうなされたそうです)。でも、そういうシーンや火炎の中で人が粉々になるシーンを描くのが怪獣映画じゃないんです。散々怖がらせておきながら、悲惨な死体の様子は見せず、打ち捨てられた花束で象徴させているところを、現代の怪獣映画ファンはよく見ておいて下さい。本多監督の描いたのは直接的でグロテスクな映像ではなく、感覚的でシンボリックなものですが、血まみれの死体がないのがこの作品を物足りなくしているということはまったくありません。 |
1.これこそ待ち望んでいた映画だ。新作「ゴジラ×メカゴジラ」公開を記念に見てみたが、映像はひたすらリアル。メーサー砲なども怪獣ファンにはたまらない。サンダとガイラの東京のバトルも破壊シーンと相まって面白い。特に絶賛したいのは、ガイラが人を食べるシーンだ。「ジュラシックパーク」と比べても(映像的なクオリティはともかく)負けていない怖さだった。 【ゴジバト】さん 10点(2003-01-23 22:35:19) |