22.ここまで徹底的に政治と戦争をコケにした映画はちょっと珍しいぐらいです。製作されたのは1933年で、ドイツでヒトラー率いるナチスが政権をゲットした年ではあるけど、まだ大統領ヒンデンブルクが存命でその地位は首相、いわば国際政治にもデビューしたてで売り出し中といったころ。したがってナチス体制を意識した脚本というのはちょっと的外れなんですが、自分の独裁体制に対する毒を感じとって上映禁止にしたムッソリーニはさすがです。マルクス兄弟の映画はこれしか観たことはないですが、この映画がその後のコメディに与えた多大な影響はひしひしと感じます。亡き志村けんのひげダンスは、グルーチョ・マルクスのパロディだったんだと改めて気づかされた次第です。というか、映画史上もっともカオスに満ち溢れた1時間余りなのかもしれません。そしてまさにギャグの百科事典と呼ぶにふさわしく、現在のコメディのパターンはほぼ網羅されているんじゃないかな。一言もセリフがなくて動き回っていたハーポには、狂気さえ感じたほどでした。「祖国は戦争に入れり」のミュージカル・シークエンスなんかも圧巻でした。ただ英語のダジャレのセリフは字幕では上手くニュアンスが伝わらないのは残念、自分の英語力のなさが悔やまれる次第です。やはりこういうギャグ映画は、原語が理解できないと半減とまではいかなくとも三分の一は面白さが減じてしまいますね。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-03-25 22:23:59) |
21.歴史的な意義は十分理解できるし、テンポ感の凄さや、後世の作品への影響等も分かったけれど、なんとか堪えて最後まで観たというのが正直なところです。公開当時の劇場は爆笑の渦だったんですかね。私が子供の頃に爆笑しながら見てた「オレたちひょうきん族」も、今見たらかなりツライですから、お笑いが時代を超えるのは難しいことを実感しました。英語でダジャレ言われても、分かっても、笑うより「なるほど」という感じになってしまうし、戦争への皮肉も「なるほど」になってしまった。村上春樹がこの作品を好きらしくて、ああそういうことかと分かったのがささやかな満足でした。 【すらりん】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2021-08-25 00:28:33) |
20.ナチスが政権とったり、日本が国連脱退したりした時期に製作されているので、そういういう時代状況を揶揄していると解釈できない事もないが、単なるドタバタコントでしかないとも言える。 |
《改行表示》19.いろいろ突き抜けてます。舞台設定も登場人物の関係もストーリーもどうでもよくて、とにかく笑いに変えられれば何でもいいという感じ。ものすごくチープですが、それもあえて狙ったかのよう。そのせいか、ものすごく新しさを感じます。「喜劇王」チャップリンも、また昨今のコントやコメディも霞むほど。 それからタイトルを含め、セリフで頻繁に出てくるジョークやダジャレも、日本語訳にはずいぶん苦労しただろうなという気がします。相当〝意訳〟した部分もありそうですが。 ただし素直に笑えるかといえば、それはちょっと…。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-04-27 02:05:40) |
18.いや、何か、これは凄い。凝縮された熱さ、数秒間のやりとりにネタを詰め込む馬鹿馬鹿しさ。そしてそれを支える制作側の迷いのなさ。アホな内容だからこそ、真剣に考えて作らなければならない、という理念を忠実に体現したものとして、現在まで普遍性を有する作品です。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-04-24 00:22:56) |
《改行表示》17.最初から最後までテンションを落とさず、そこにミュージカルシーンや屋台コント(特に帽子コントが秀逸!)などを挿入しながら1時間ちょっとによく収めましたよね。 正直、毒舌グルーチョの面白さがどれ程理解できているのか・・・?という疑問はあります。日本語字幕が結構スベっていて、字幕に相当苦労されているような箇所も見受けられましたしね。 一方、ハーポ&チコのコンビには理屈抜きで笑わせてもらいました。そして兄弟が同じ寝巻の恰好で揃って以降、鏡コントまでは本当に面白い! それにしてもこんなことで戦争が始まってこんなことで戦争がおわりますか!?今でこそ戦争の愚かさを笑い飛ばす戦争コメディは珍しくありませんが、あの時代に、戦争を始める当事国と戦争そのものをハチャメチャ・ナンセンスギャグの応酬で徹底的に笑い飛ばす、こんな映画を作ってしまったことに敬意を表したいと思います。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-03-25 21:35:18) |
《改行表示》16.マルクス兄弟の外見と悪ふざけのセンスは、生理的に合わないが、本作はさすが彼らの代表作と言われるだけあって、レベルの高いドタバタ喜劇だった。 尺の短さも手伝って、「自分には合わないなぁ・・・」と思いながらも、気付いていたら終わっていた。 リズム感の良い作品だったからかもしれない。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2011-05-03 22:43:42) |
【KYPA】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-03-03 22:18:47) |
14.私に国際政治の本質を教えてくれた初めての教材みたいなもの。某国家の人材選びとか、政策外交というのはある意味こんなもんなのではないかと。グルーチョの毒舌もさることながら、やはり「目」ハーポと「口」チコのコンビが絶品。(お願いだから今は絶版となっている中原弓彦(小林信彦)氏の名著「マルクス兄弟の不思議な世界」を復刻してくださいよ~。) 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-07-01 13:01:23) |
13.面白いことに変わりはないんだけど、それでもどこか大声を上げて笑うのには躊躇いがあった。グルーチョの毒舌の言い回し、チコとハーポのコントと秀抜ながらも、感性の貧しさからかどうにも「古い」と思わざるを得ないシーンやギャグが何箇所かありました。もしかして自分はマルクス兄弟には向いていないのか?と思ったり、キャラクター自体は好きなんですけどねぇ。ただ終盤の戦争に突入してからはまるで笑い死にしそうな勢いでした。繰り返し何回か観れば味が出てくるのかも。 【かんたーた】さん 6点(2004-12-18 11:33:31) |
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12. 大学1年生の夏休み、初めて観たマルクス兄弟映画。「戦前に、こんなにバカな映画があったことが嬉しい」というレビューを、ある文庫版映画ランキングで読んではいたんですが、僅か1時間余りという尺で、これだけ手際よくまとまって、しかも切れ味鋭い間抜けっぷり、バカさ加減は衝撃的でした。兄弟で唯一まともに見えるゼッポも、最後までしっかり兄たちについて行っている時点で、魅力的でありやっぱり間抜けなのかも。チコリーニとピンキー (日本語で「小指」!) という、名前はおろか、存在していることそのものが間抜けな2人が、陽光降り注ぐ外でのピーナッツ売り屋台で、間抜けを繰り広げる様は、まさに屋外版の舞台コントのような雰囲気そのもの。イタリア語訛りで矢継ぎ早に話しかけるチコリーニ、それをギョロ目でじぃっと見据えて、無言で変幻自在な小技 (ハサミでちょん!っとフランクフルトをちょん切ったり) で対抗するピンキー。そんな2人が、すぐにあの独特の振り付けの殴り合いに発展して行く様が、可笑しくも何とも言えぬ良い雰囲気なのです。 |
11.マルクス兄弟に焦点を当てて観ていました。毒吐きのグルーチョ、喋らないハーポは、はっきりとしたキャラを持っているわけですが、チコは流動的な役回りで彼らに絡んでいくわけです。それで笑いの性格もシチュエーションごとに変わってしまう。芸のないチコは意外にキープレイヤーなんじゃないでしょうか。本作の真骨頂は、チコとハーポが首相官邸に忍び込んでからですね。やっぱり兄弟同士絡んでいるときが面白い。一般人が入ってくると、その人が攻撃対象になってしまい、毒が強すぎてしまうわけです。それに対して、ツッコミ役が毒を抜いてしまう日本の笑い。この辺りは国民性の違いなんでしょうか。 【円盤人】さん 6点(2004-09-20 06:04:05) |
10.裸の銃シリーズやウディ・アレン映画の源流にあたる作品だと思います。同じコメディでも、チャップリンやキートンがさすがに時代性を考慮に入れつつの鑑賞になるのに対して、こちらは同時代的な視点での鑑賞に耐えうる稀有な作品です。本当に、『裸の銃を持つ男』を見たときと同じ感覚で爆笑しました。鏡のギャグなどは現在では使い古されていますが、(はっきりとしたことは分かりませんが)映画で使ったのは彼らが初めてではないでしょうか?オリジナリティと超時代性を評価しましょう。英語力を鍛えたら真っ先に字幕無しで見たい映画の一つです。 【藤村】さん 8点(2004-02-16 16:20:42) |
9.結構期待しすぎたせいか、まあこんなもんだよな、というのが正直なところ。ただチコとハーポ(及び+グルーチョ)の凄まじきハチャメチャさは今現在の目で見ても充分通用します。グルーチョの喋りの面白さを理解できるだけの英語力があればまた違うんだろな。 【馬飼庄蔵】さん 7点(2004-02-11 11:57:48) |
8.とにかく面白い。コメディだめな人でも、昔のものは面白くないってゆう人でも、素直に笑えます。こうゆう映画は、面白いでいいんだと思う。なんかいろいろ難しいこといわなくても。 【clown】さん 8点(2003-12-17 05:05:22) |
7.あー大昔のコメディかぁ、どうせ寒いんでしょと思ったらキツイ笑いに一本とられちゃいました。最高です。コメディでは一番好きです。馬鹿馬鹿しく見えてさりげなく戦争批判がバッチリで、でも重くなりすぎずあくまでコメディであるべし・・バランスが絶妙なのです。クール! 【べんじょみん】さん 9点(2003-09-14 01:34:37) (笑:1票) |
6.1930年代に、こんなにアナーキーな笑いがあったなんて!一番面白かったころの「マカロニほうれん荘」を思い出しました。帽子ネタ、鏡ネタは今でもそのまま通じる面白さ!個人的にお気に入りは“何でも切っちゃう、取っちゃう”ハーポですね。 【ぐるぐる】さん 7点(2003-08-18 22:31:21) |
5. ナチスの台頭を予見した、とか深読み(過ぎ)なマニアに必要以上に持ち上げられている感もあるが、フリードニア共和国という架空の国を舞台に繰り広げられる訳の分からない怒濤のギャグの洪水は確かに彼らならでは。そう、頭で考えてはいけない!この映画は彼らの余りにアナーキーかつ意味不明な芸に感じ酔いしれるべきモノである。監督が柔軟性に富む名職人レオ・マッケリーだったことが本作をマルクス兄弟の代表作たる地位に押し上げたと言えよう。コレを「古い」「ショボい」と一刀両断するような方は、時代性というものを考慮する客観性すら持ち合わせない己の貧しさを自覚なさるがよい。”三人グルーチョ”の余りにブッ飛んだバカバカしさに爆笑しつつ…8点だーっっっ!!「ピーナーーッツ!!」 【へちょちょ】さん 8点(2003-07-06 04:17:40) (良:1票) |
4.マルクス兄弟の空前おバカ映画!!70年前の映画とは思えぬ切れのいいギャグの嵐に爆笑と同時に感動すらもしてしまいます。ただ残念なのは私に英語が分かればこの映画はもっと面白く感じるのだろうなぁという事です(字幕でも十分に面白いですけど) 【まりん】さん 8点(2003-06-27 02:13:34) |
3.こんな笑った映画は初めて!まだ見てない人は絶対損してる!そのユーモアセンスと発想力と喋くり能力は素晴らしい!さすがマルクス兄弟! 【子機】さん 10点(2003-06-14 01:23:35) |