13.ゴジラシリーズは一通り鑑賞していたつもりだったが、改めてチェックしてみると、未鑑賞の作品が数本あった。今作もそのうちの一つだった。
富士山麓にゴジラをはじめとする怪獣たちが勢揃いしている画のイメージが強かったので、てっきり鑑賞済みだと誤認していたようだ。
ゴジラ映画は大好きだ。ただし、ファンだからこそ、このシリーズの大半の作品が目も当てられない駄作揃いであることもよく知っている。
特に1960年代後半から70年代にかけての、ゴジラという怪獣を“ヒーロー化”してしまっている文字通りに子供騙しの作品群は酷いものだ。
今作も、その“期待”に違うことなく、しっかりと「駄作」であった。
何と言っても、冒頭から既成事実として描き出される“怪獣ランド”なる設定が失笑ものだ。
いつから人間は怪獣たちを一括りにして管理出来るほどのテクノロジーを持ったのだ?
もう怪獣映画そのもの対しての概念が滅茶苦茶である。
極めつけは、キラアク星人に召還されるキングギドラの扱いが酷過ぎる。
例によって最強の宇宙怪獣として登場したはいいものの、結託した地球怪獣チームによって殴る蹴る噛み付くの“リンチ”状態。ちょっと引いてしまうくらいにズタボロにされて絶命て……。
でもね。もはやゴジラ映画のファンとしては、こういう駄作っぷりにすら愛着を持ってしまうもの。
駄作であれ何であれ、シリーズと連ねてきたからこそ、傑作も生まれたわけだろうし、何よりも今なお「ゴジラ」と聞いて知らない人がいないほどの日本映画史におけるアイコンであり続けているのだと思う。
今年はハリウッドでの再リメイクもあるし、今一度ハマってみるかな。