5.成瀬初の時代劇、チャンバラもあり、なんですが、時代劇ってより「歌行燈」や「鶴八鶴次郎」あたりの芸道もののライン。というのも、この二本同様、音の演出がかっちょいい。■クライマックスの弓勝負で、当たると太鼓がどん、はずれると鐘がカン、タイムアップにはお寺の鐘がゴ~ン、という音、それを離れた場所で聞いている田中絹代、って演出が実に盛り上がります。というかそれしか覚えてなかったりもするんだけど。■この演出もそうだし、田中春男が脇でうろうろしてたり、脚本が小国英男だったりするんで、なんとなくマキノっぽい感じもする成瀬巳喜男作品。普通に面白いよ。 【まぶぜたろう】さん 10点(2005-02-21 21:16:30) (良:1票) |
4.成瀬巳喜男監督による珍しい時代劇!ところが観ていても全く成瀬映画ぽく感じない。マキノ雅弘か溝口健二かってぐらいにしか思えない雰囲気、それは出演者の顔ぶれにも現れている。田中春男のあの落ち着きの無さ、うろうろしまくり、あっち行ったり、こっち行ったりと、まあ、とにかく少しは止まってろよってぐらいの落ち着きの無さ、まるで「次郎長三国志」シリーズの大五郎のようです。それに脚本が小国英夫で配給会社も東宝、どう考えても成瀬映画には思えないし、マキノ映画です。しかしながら他の出演者の顔ぶれを見るとこれはこれで溝口作品ではないかと思えてしまう。何しろ、長谷川一夫に田中絹代ですからね。長谷川一夫のかっこ良さは溝口映画での長谷川一夫以上、いやいや、これほどまでに長谷川一夫が男らしくてかっこ良いなんて思ったのは初めてかもしれないぐらい男らしい。田中絹代はこれまた絶える女、大八郎の為に身を尽くす姿は何とも言えないぐらいの女としての哀しさみたいなものが現れている。あの最後の方の弓矢のシーンの緊張感、面白さに比べるとそれまでがちょっと退屈だったりと、成瀬巳喜男監督はやっぱり時代劇よりも現代劇や男と女のドロドロした話のが合ってると思うし、私は好きです。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-11-16 11:43:58) |
3.時代劇だからなのかスポコン男性映画だからなのか、本当にこれが成瀬監督作品なのかと疑ってしまうほどの異質な作品。女が映されるとたちまち成瀬っぽくなってる気もするんだけど、男は比較的遠めから撮っていることもあってか、もちろんそれはそれでいいんだけども、なんか違うなあという感じ。通し矢の休憩を挟んだあとのわかりやす過ぎる失態に対しての長谷川一夫の田中絹代への説明もくどい。まあでも普通に面白いのは間違いないです。通し矢の間に時間が過ぎてゆく様を当たり前のように光で表現しているのは流石。そしてその光の差し込ませ方が並みの監督ではないことを見せ付けている。 【R&A】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-04-26 11:49:58) |
2.成瀬巳喜男初めての時代劇らしいが時代劇というよりスポコンものとして楽しめました。単純な話だけど面白いのは演出がいいのかな。主人公を支える田中絹代に、ライバル長谷川一夫の男らしさ。こんな無骨でかっこいい長谷川一夫見たの初めて。家のため母のために兄の記録を守ろうとする河野秋武もいい味出してました。 【バカ王子】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-12-16 23:30:25) |
1.う~ん、やっぱり田中絹代にします。すみません五十鈴さん。私は何を言っているんだろう?長谷川一夫がかっこいいなあ。徐々に明らかになる人間関係と勝負の時を迎える盛り上がり。展開が絶妙です。後を引かないでさらっと終わるラスト。しかし鮮烈な印象。丁寧な描写が光る名作だ。 【パセリセージ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-09-19 00:37:58) |