182.今回観たのはずいぶん久しぶりで、あれ、こんなに面白かったんだな、と。多分、昔観た時には、作品との距離感が、今観るのとだいぶ違ったんでしょう。当時はお馴染みだった、都会系の刑事アクション映画、そしてこれまた自分にとってお馴染みの大阪の街、その2つの融合とくれば、何だか距離感が近すぎて。どうしても先に立ってしまうのは、違和感と、「あ~あ、やっぱり、やっちゃったね」という(期待通りの)失望感。しかしそれも、今となってみると、80年代アクションを観る機会も減ったし、この映画に出てくる大阪の光景も、今では見られなくなってしまったものが多くなってきて。で、今回、素直に観て、素直に楽しめちゃった。幾分は「変なニッポン」も出てくるけど、基本的には日本らしい日本が登場する、要するにその点では決してキワモノではなく、むしろ刑事アクションとしてやや変則的である点の方が、特徴的と言えるかも知れません(無論、日本を舞台にしている事がそこに一役買っているのですが)。 まず、マイケル・ダグラス演じる刑事ニック、例によってダメダメな感じで、妻子とも別居している。では映画を通じて妻子とヨリを戻すのがテーマかと思いきや、全くそうではなくって、子供のひとりをバイクの後ろに乗せ走り出した次のシーンでは、もう子供は乗っておらず、今度はアンディ・ガルシア演じるチャーリーと出会って彼をバイクの後ろに乗せるシーンとなる。要するに、チャーリーはニックにとって自分の子供と同じ可愛い存在、なんですね。で、実際、このチャーリーという男、実に実に「いいヤツ」として描かれてます。健さんとニックの関係がどうもギクシャクしている時、いつもチャーリーが間に入って、いい味出しつつ何となく間を取り持っている。だもんで、チャーリーの死のインパクトは非常に大きく、かつこれを契機に健さんとニックの間も近づいていく。一方、松田優作演じる敵役の佐藤、(広島の黒い雨になぞらえて語られるのがピンとくるかどうかはともかく)戦後に現れた得体の知れない新しい存在、しかしそれは間違いなく戦後の日本とアメリカが生み出した存在、つまり彼もまた一種の「息子」というべき存在。チャーリーと佐藤は、陽と陰を代表する「息子」たち、だからこそ、2種類の結末が撮影された本作において、最終的に採用されたこの結末、これでよかったんではないか、と思えてきます。--- それにしても、ガッツにホタテ、パチパチパンチ、みんないい顔してるじゃないですか。USJがまだ無かった頃、「ハリウッドが大阪にやってきた!」という、やっぱりお祭り映画でもある訳で。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-15 23:00:16) (良:1票) |
181.松田優作が亡くなって今年の十一月で早いものでもう二十年が経つ。公開当時、二度観に行きました。この映画が公開された年、1989年のキネマ旬報で1位に選ばれた洋画が「ダイ・ハード」である。「ダイ・ハード」も間違いなく傑作だと思うけど、私はこっちのが好きです。「ダイ・ハード」の影に隠れて評論家の人のほとんどはこの映画をベストテンに投票してない。この年邦画で1位に選ばれた「黒い雨」より私は断然、この映画!この映画が遺作となってしまった松田優作がこの時、既に末期がんで死後を覚悟していたという話を聞いたことがある。死後を早めるからと出演中止をすすめる友人に「死後を早めるのは解ってる。けど、好きなようにさせてくれ。このチャンスを逃したら悔いを残して死んで行くことになるから俺の好きなようにさせてくれ」と松田優作がその友人に対して答えているというのを本で読んだりしたけど、それを聞いた瞬間、私は泣けてきた。そんな松田優作の見たくてももう二度と劇場では観ることの出来ない最後の姿を見ることの出来る貴重な映画だ!私にとっては松田優作がいる。それも最後の姿だ!そんな最後の松田優作の才気溢れる演技は一生忘れることは出来ない。あまりにも早すぎる死は日本映画界の大きな損失だ!高倉健との夢の共演、健さん、松田優作の分までいつまでも長生きしてください。あんな自転車だらけのまるで中国みたいな街は大阪じゃないとか、大阪はあんなにも恐ろしい街じゃないとか、その他色々批判的な意見もあるかもしれない。しかし、好きなものは好きだ。好きで何が悪い?えっ?何?やたら興奮しすぎだって?良いじゃないか!好きな映画を好きなように熱く語って何がいけないの?すいません。興奮しすぎました。でも好きなんだから許して下さい。 【青観】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-02-15 19:58:24) (良:1票) |
180.妻投稿■この映画、黒いですね。でも一口に黒といっても微妙なカラーチャートの違いがあって、この映画の黒は昭和と平成の間の日本の渋いサラリーマン警官の色だと思います。この渋さは絶対にCGでは再現出来ないですよね。この黒さをそういう描写が得意なリドリー・スコットによってリアルタイムで残してくれたのはありがたいです。■松田優作を連行してくる松本警部補がめちゃめちゃ渋い。ドロドロのジャンパー姿で上司に一礼してから、スーツ姿で不動の姿勢で賞状を貰うシーンに切り替わるシーンはもう「私にもしお父さんがいたらこれで決定!!!」と思っちゃいました。■佐藤を殺さずに逮捕する設定も、「私ハ日本ワカッテイマスヨ」という最近のアメリカ人監督の映画主人公が日本でやっている「殺してやる―、殺してやる―」な演出と比べても、憎い犯罪者を一公務員として逮捕して上司に引き渡す「大人」が決まっていて、「はーどぼいるど」がさっぱり理解できない私を痺れさせました。 【はち-ご=】さん [インターネット(字幕)] 9点(2009-02-15 16:32:19) (良:1票) |
179.優作さん、ほめる人が多いようですが、単純に目玉向いて、キレまくってるだけで、大した演技じゃないように見えます。最後も弱すぎるし。ハリウッドの俳優さんに比べると、日本の俳優人の表情の乏しさが目立ってますね。高倉さんらしいって言えばそうなんですが、もう少し、「お友達」になっていく気持ちの変化が表情に出てたら、おもしろかったのにと思います。 【かねたたき】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2008-02-01 21:55:44) (良:1票) |
178.途中でうどんが食べたくなる映画。←(笑)に投票してくれた人、ごめん。これ、中島らものネタなんです。 【マックロウ】さん 5点(2004-06-18 15:00:42) (笑:1票) |
177.劇中、タイトルである「Black Rain」というキーワードを台詞の中で発する人物が、「若山富三郎」であるということに今回の再鑑賞で初めて気付いて、自分自身がこの名作を“ちゃんと”観られていなかったということと、リドリー・スコットは流石に「わかっている」ということを、思い知った。 今作といえば何と言っても伝説的俳優である松田優作の「遺作」として、彼の鬼気迫るまさに伝説的な演技があまりに強く印象に残る。 そして、亡き高倉健が、日本が誇るスター俳優として、ハリウッドスターのマイケル・ダグラスに対して一歩も引かぬ存在感を“魅せつけた”作品でもある。 とういわけで、日本の映画ファンとしてはどうしても、マイケル・ダグラスとアンディ・ガルシアという両ハリウッドスターに対する、高倉健、松田優作という日本映画史に燦然と残る両名優の存在に目がいきがちである。 しかしながら、 今回改めて観直してみると、前述の大親分役の若山富三郎を筆頭に、警視役の神山繁、用心棒役の安岡力也、その他ヤクザ役の國村隼、内田裕也、ガッツ石松、島木譲二……日本の俳優陣はみな強い個性を放っていて、素晴らしい脇役ぶり、端役ぶりを見せてくれている。 彼らの存在感こそが、外国映画が日本を描く際に生じる“違和感”を最小限に抑え込んでいるとも言えると思う。 はっきり言って得体のしれなかったであろう日本の俳優陣を的確に演出したリドリー・スコット監督は「流石」の一言に尽きるが、この映画の場合、彼らのキャスティングに成功した日本側のエージェントも「最高」の仕事をしたと思えてならない。 【鉄腕麗人】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2003-09-28 17:27:44) (良:1票) |
176.久しぶりに観てこの映画の面白さを再発見することができた。衛星放送で流れていたので何気なく観始めたら強烈に引き込まれてしまった。どうやらずうっと前の初見時にはこの映画の素晴らしさをいまひとつ把握できていなかったらしい。まず日本の舞台に大阪を選んだことが見事だ。あの乱雑で多国籍感を漂わせつつ、一目で日本だと分からせる場所は大阪をおいて他にないだろう。そしてそこで繰り広げられる男たちの戦いとドラマを生み出す役者陣が揃いも揃って渋い。日米それぞれの役者が実に深みのある男臭さを演じ出している。特に松田優作は文字通り命を賭して日本の俳優魂を見せつけてくれている。 【スマイル・ペコ】さん 9点(2003-05-29 01:25:49) (良:1票) |
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174.空港(伊丹空港懐かし~!)でニセ警官に書かされた保険の契約書(バリバリ「東京海上」って書いてあるやん)に始まり、おきまりの健さんとの友情までいろいろあって、これが大阪じゃなくて東京だったらつまんなくなってただろうなーと思った。でも最近見た古い映画の中では最高 【M谷】さん 10点(2002-07-04 22:18:35) (良:1票) |
【TERU】さん [インターネット(吹替)] 6点(2023-12-03 20:03:52) |
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172.物語はバディ物としては普通。でも、高倉健や松田優作の動いている姿を観るだけでも価値はある。あと、欧米人が主役として日本で活動する作品にありがちだが、ヤクザの親分が流暢な英語を話すのは違和感が大きい。 【次郎丸三郎】さん [DVD(字幕)] 6点(2022-08-09 21:15:08) |
171.ストーリーが面白くありません。せっかく高倉健と松田優作という2大スターが器用されているというのに、彼らの良さが全く活かされていません。他の日本人俳優たちももったいないですね。日本人俳優たちはみんな片言の英語を話しますが、無理に不得意な英語を話す必要はないと思います。。。大好きな松田優作の遺作となっただけになおさら残念です。 【みるちゃん】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 3点(2020-12-11 11:43:09) |
170.松田優作の本格的ハリウッドデビュー作にして遺作になった作品。 病気さえなければ・・・。この後にもハリウッドからオファーが来て、 今までに無い、誰にも表現できなかった日本人像を見せてくれたんだろうなと思う。 彼の台詞はどれくらいあったか。しかしその存在感は凄かった。 日本側の豪華キャストの素晴らしい仕事もあって、 洋画によく見られるおかしなニッポンを感じることはほとんど無かったけど、 ケイト・キャプショーだけは激しく浮いていた。 日本の大阪を舞台にしたアメリカ映画。どこかにアメリカ映画の空気も出したかったのかな。 日本のヤクザの抗争は時間不足でしょうか。中途半端になってしまった感がありますが、 パチパチパンチの島木譲二さんがいい味出していましたね。なかなか迫力のあるコワモテぶりでした。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-09-06 21:07:24) |
169.大阪を撮りようによっては、ブレランの世界になる見本。こうなるのかあといった感想。出来はもう少し。高倉健の映画では、一番存在感がないかも。 一番は、若山富三郎! 【にけ】さん [映画館(字幕)] 7点(2018-12-20 12:45:14) |
168.ちゃんと大阪でロケをしたことや、日本の芸能人を使ったことなど、プロダクション上はめんどくさいことをわざわざやって他のハリウッド映画とは異質のリアリティを築き上げた点は評価できます。こういう映画ってメインの役どころにはちゃんとした日本人俳優を使っていても、隅っこに日本人でも聞き取れない日本語を話す脇役がいることが多いのですが、本作については端役に至るまで日本の芸能人で固めているので好印象です。 ただし、面白い映画だったかと言われるとそうでもありません。リドリー・スコットが監督しているのにキレのある見せ場がないし、当時ありふれていたバディアクションのテンプレートに当てはめて作られた物語には大した面白みがありません(元は『ビバリーヒルズ・コップ2』として書かれた脚本が流用されているようです)。 異文化交流ものとしてもさほど深みがなく、せっかく日本を舞台にしているのだから、NYのはみだし刑事が役人的な日本の刑事に影響されて個からチームへと意識を変えていく話にでもすればいいのに、ニックはスタンドプレーやルール軽視といった姿勢を最後の最後まで崩さないので、基本設定があまり活かされていません。NYで横領していたという原罪をニックに負わせた意味って何だったんだろうかと思ってしまいました。 【ザ・チャンバラ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2018-06-15 18:15:04) |
167. 大阪ってこういう雰囲気?「ブレード・ランナー」のような退廃的・煙っぽい空気感が合うか疑問。 「黒い雨」は菅井のセリフに出てくるが、原爆とヤクザの存在を無理やり結びつけたような印象で、映画全体にテーマ性は感じない。物語の展開としてはチャーリーの殺されるシークエンスが弱い。ラストの原版のやり取りも意味深だが心に響かず。指詰めは「ザ・ヤクザ」と変わらぬハリウッドの日本観が滲み出てるね。「芸者遊び」とか「完」も同様でステレオタイプの感。どちらかと言えば「ザ・ヤクザ」の方がいい。 主要キャスト3人の適演に加え神山繁がいい味出してる。あの人誰?と思ったら、ああーあ、プロフェッサー田中かい。 最後にひとつ、ニックが吐く皮肉交じりのセリフ「Fuck you very much」はうまく心情を表して面白い。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-07-16 17:12:33) |
166.大阪育ちの私には古臭さを感じて、自分が年を取ったことを思い知らされた。 作品は雰囲気は好きですが、物足りない感じがしました。 【さわき】さん [地上波(邦画)] 5点(2016-12-06 18:50:49) |
165.日米合作映画として、豪華キャストだが、それだけですね。2回目の視聴ですが、すぐ忘れてしまいそうな映画です。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-08-29 08:16:23) |
164.タイトルは有名だけど 中身が追いついていない映画。 退屈だった。 |
163.冒頭の主人公の埠頭でのチキンレース、家庭環境、不正の尋問などの説明シーン、大阪でのクラブでの飲み会のシーンをカットすれば、エンターティーメントなアクション映画になったと思う。 【ガブ:ポッシブル】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-11-16 18:23:10) |