1.かつて「気球クラブ」というサークルに集った若者たち、サークルのリーダーの死をきっかけにし、彼らが当時内に秘めた様々な想い、今なお続く想いを、“過ぎ去った時間”を通じて切なく、断片的に描いていく。
過ぎ去った時間の中で彼らが見ていたものは、何だったのだろう。
たぶんそれは一つではなく、本人たちも明らかにできないくらいあやふやで、不確かなものだったのだろう。
誰もその時の自分の「想い」を正確に説明できなどしない。
ただ、だからこそ、その時間の中での「想い」には価値がある。
大切なのは、振り返り答えを見出すことではなく、かつての「想い」と再びそれに触れた「瞬間」そのものだと思う。
言葉ではなかなかうまく説明できないけど、この青春群像劇が伝えることは、誰しもが経験する過去の想いに対する「感覚」なのだと思う。
P.S. 永作博美が、ほんとに素晴らしい。