433.ここのジョナサン・デミ作品評をつらつら眺めていて気がついた。『羊たちの沈黙』以外はえらく評価が低い…この人、名監督だと思っていたけど違うようだ。そう思ったら、本作の評価がどうして高いのかわかってきた。 この映画の価値は「レクター博士」の発明にある。ほぼ全て檻の中で演技しなければならないレクター役は、俳優にとって厳しい試練だ。アメリカ式のメソッド演技では、何カットもこなす前に早晩限界が来るだろう。レクターはアクターズ・スタジオ風の「なりきり演技」では突破できない矛盾だらけの難物だからだ。そこでやってきたのがアンソニー・ホプキンス。シェイクスピアのたっぷり染み込んだ舞台俳優だ。彼はほぼ立ったままで、表情も変えず、人物を象徴する装飾品もなく、長い長い科白だけで演技した。この爺さんはアメリカ演劇を無礼なまでに無視して、シェイクスピアを持ち込んだのだ…多分これはデミ監督の発案じゃないだろう。ロジャー・コーマン門下生の彼に、こんな大胆な発想ができるわけがない。この映画の特色は「ハリウッド演技の否定」から始まったと言って過言じゃない。 レクターの演技を生かすにはカウンター側のサポートも必要だ。しかもレクターは作中ほとんど主人公クラリスとしか話さない。こちらもシェイクスピアで行くべきか? だが、キャスティングされたジョデイ・フォスターはホプキンスに、張り裂けんばかりの大声で「NO!」を叩きつける。彼女の演技は教科書的なメソッド演技だと思うが、素性は天才子役だ。中学時代にデ・ニーロやカイテルと対等に渡り合った怪物サラブレッドで、知能指数もめっちゃ高く、素の人間としてはコッチの方がよっぽどレクターだ。そんな彼女は、シェイクスピア劇風のセリフの抑揚ではなく目の演技で対抗する。ほとんど表情のみで、強気の中に潜む「弱い少女」を浮かび上がらせる。これこそサラブレッドならではの、神域メソッド演技だ。彼女はこの役を演じる事が、必然的に「イギリス演劇界VSハリウッド映画界」の構図になってしまう事を理解していただろうか? オイラはそうだったと思いたい。 長い歴史、多くの作品によって培われてきた2つの演技方法のガチンコ対決。これが本作の魅力の根底になっていると考えていい。もちろん勝者はない。オイラには、対決をフィルムに収めたデミ監督が不当にも《漁夫の利》を得たような気がしてならないんだ…。 【エスねこ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-05-03 17:25:05) (良:5票) |
432.お勧めリストから削除するためのレビューです。この映画も再見は無理です。心臓に悪いです。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-06-03 16:45:51) (良:1票)(笑:2票) |
431. これは酷い。主役の2人は仕方ないとしてもビルがもっと魅力的に描かれていなければ映画として面白くなるはずがない。原作は未読なのでなんともいえないが・・。一番気持ち悪いのはフォスターをいやらしい目でみる訓練生(か?)の集団のシーン。レクターは予告編で十分。 【swamizi】さん 1点(2003-12-18 16:16:19) (良:1票)(笑:1票) |
430.超久しぶりに再見。前回の印象は牢の中、檻の中のレクターしか残っていなかったのですが、今回も同様。独特な〝マスク〟で覆われた風貌もさることながら、ひたすら特殊な性癖とずば抜けた頭脳で勝負するあたりが斬新。脳筋で勝負するスタローン等とは対照的な、ある種のヒーローだと思います。 そのダークな輝きが強すぎて、個人的にはジョディ・フォスターも肝心の猟奇犯も霞んでしまった感じ。さすが名作だと思います。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-10-08 00:40:14) (良:1票) |
429.レクター博士とクラリスの対峙シーンに尽きると思います。 怖いもの見たさに何年かおきに見てしまうのですが、何度見てもこの油断したら心を持ってかれそうな目が怖い。 そして、何度見ても個人的にはこのシーンがピークです。 今回見て気づきましたがジョディ・フォスターが綺麗。昔見たときはそうは感じませんでしたが。 当時の彼女の年齢を超えたせいですかね…まったく本編と関係なくてスミマセン(^^; 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-12-31 14:55:07) (良:1票) |
428.レクターのキャラ設定だけで出来ているといえなくもない映画。 【afoijw】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2012-01-09 16:23:47) (良:1票) |
427.封切当時映画館で4回は見た。グロテスクになる直前でとどめる匙加減が絶妙で、猟奇事件を扱ってるのに品がある。賢くて誠実なクラリスが好きで好きで憧れた。張っていた気がゆるんで車にもたれるシーンが忘れられない。今でも好きです。 【tottoko】さん [映画館(字幕)] 10点(2011-07-06 13:51:24) (良:1票) |
426.本作は「羊たちの沈黙」。どうりでスチーブンセガールが出てこないはずだ。「沈黙の羊たち」ではない。 【くまさん】さん [ビデオ(吹替)] 9点(2010-07-07 03:00:26) (笑:1票) |
425.「沈黙」がタイトルの最後に来るだけで名作になってしまうのですね。倒置法、恐るべし。 【ダルコダヒルコ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2010-04-30 00:24:45) (笑:1票) |
424.この映画を見て以降、アンソニー・ホプキンスが誰かを抱き締めるシーンになると、寒気が背筋を走る・・・。 【ローリング@ストーン】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-01-25 19:18:25) (笑:1票) |
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423.初めてビデオを買うほどはまった作品。 クラリスとレクター博士の危うい関係がもの凄くエロチック。 一瞬指が触れ合うシーンやクラリスを見詰める目線が愛なのか 食欲(w)なのか判別出来ないところがエロコワい。 よく「可愛くて食べちゃいたい」なんて言いますが、 レクター博士の場合はシャレになりません。(映画館) 【なみこ】さん 9点(2004-08-15 20:18:41) (良:1票) |
422.これを観た当時、まだ小さかったから初めて異常殺人の存在を知ったんかな。とにかく、あんまし理解ができなかったんやけど、その理解できないことが怖くて。トラウマ。大人になって何度か観たけど、やっぱり不気味な世界で緊張してみてしまう。レクターがクラリスのことを色々あてるシーンは今でもゾクゾクするし、それに題名がうまいことつけてると思う。 【なにわ君】さん 10点(2004-05-27 17:34:10) (良:1票) |
421.あれま、点数つけるの忘れてただ・・・。ってことで、これ、全体通して9割5部目まではパーフェクトだったのですけども~ あ~ 最後がな~~ なんであんなに物静かに終わってしまってたのでしょうかな~ あと一波乱 何かが欲しかったんだよな~。むむむ。 【3737】さん 8点(2004-02-04 00:54:37) (良:1票) |
420.こりゃ見事に映画化してくれました。ベストセラーを映画化するとなると、注目は集まるものの、逆に「原作のイメージに合わない」とか「脚色によって原作の良さが損なわれた」とか、原作のファンに袋叩きにされる事もしばしば。イバラの道です。その点、本作は、原作と映画が実に幸せな関係にあると言えるんじゃないでしょうか。映画が原作のイメージに合ってるのやら原作が映画のイメージに合ってるのやら、よう判らんほど。映画の説得力と言っていいのか衝撃力と言っていいのか。無類の不気味な雰囲気とサスペンス性が横溢しております。その中で、奮闘するクラリス、「あ~ジョディ・フォスターって意外と小さいんだなあ」などと思った途端、妙に彼女にも好感が持ててしまったりするのでした。 【鱗歌】さん 9点(2004-01-24 01:14:23) (良:1票) |
419.今までにちょっと無いような話の構成が面白かったなぁ。それまで案外地味な役者だった感じのA・ホプキンスと、子役から脱皮し、力がありながら今ひとつ作品に恵まれなかったJ・フォスターの演技合戦が迫力満点です。羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹、羊が...数えられないのだ。羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹、羊が...数えられないのだ。羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹、羊が...数えられないのだ...(←意味不明ですが「天才バカボン」より引用してます)(←よけいに意味不明) 【nizam】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-12-23 12:49:53) (笑:1票) |
418.世評は高いけど、僕には単なる面白いサスペンス映画にしか思えません。これくらいの出来の映画は沢山あると思うのだけど.. 以前、ダイハードを「単なるアクション映画じゃん。」と言った知人に「わかってないな~」と思ったもんですが、 この映画に関しては僕が「わかってない」んでしょうね。 ジョディ・フォスターは白い家の少女のときが一番だ... 【あばれて万歳】さん 7点(2003-12-16 13:21:02) (良:1票) |
417.こんな役ができるアンソニーホプキンスはすごいなあっておもった。 【ギニュー隊長★】さん 5点(2003-12-13 11:24:19) (笑:1票) |
416.もはや言う必要もないほどであるが、この映画を超えるサイコサスペンス映画はいまだ誕生していない。衝撃的で秀逸なサスペンス映画は毎年公開されるが、それでも今作の域を超えないのは、それらの映画が今作を手本に作られているからであろう。今やこの映画は、サイコサスペンス映画のバイブルとなっていると言って過言ではないだろうと思う。今尚、変わらぬ迫力でハンニバル・<人食い>・レクターを演じるアンソニー・ホプキンスの偉大さもさることながら、彼さえも食ってしまうほどのジョディ・フォスターの大女優への瑞々しさが、この映画の最大の功労かもしれない。 【鉄腕麗人】さん [地上波(字幕)] 9点(2003-10-22 15:12:48) (良:1票) |
415.犯罪者といのは、著名な事件の犯人ならファンレター殺到らしいという意見もあるが、もし本当ならどういう人間がファンレターを出すのだろう?私には理解できん心理。レクターというのはそんなに最高なのだろうか・・ 【花守湖】さん 1点(2003-10-15 04:13:49) (笑:1票) |
414.サイコサスペンスの最高峰。当時のプロファイリングブームはここから始まったと言っても良いほど衝撃的だった。原作モノなだけに説明不足なまま始まるが、それが功を奏してどんどんその世界に引き込まれて行く。創造すればするほどレクターの人物像は膨らんで行く。だから怖い!レクターとクラリスは似た者同士にして正反対で、磁石の同極の様。決してくっ付くことはないが互いの共通点を感じている。二人の関係は映画史上に残る微妙な関係。だから切ない。それだけに「ハンニバル」でこのコンビが見れなかったのが残念! 【ちゃか】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-05-05 15:42:44) (良:1票) |