11.各登場人物にはモデルが居るようだが、ローマカトリックはファシスト政権とは良好な関係にあったわけで、本来イデオロギー的にも対立関係にある共産党系レジスタンスを支援する司祭というのはかなり異色な存在であることには留意すべきだろう。とはいえ、人間とはグレーな存在であり、ナチスに協力するイタリア人もいて、人間の行動は白黒がつけにくかったりもする。よって、司祭の中にもナチスに協力的な人もいたはずで、その辺キリスト教とファシズムの関係性についての描き方は一方的で弱かったように思う。かなり共産党イデオロギー色の強い作品ではあるが、そういうことを割り切って類似的な事象があったと想像して見るならば、ひとつの歴史的事柄を描いた作品であるとは言える。 |
10.関東大震災の直後に溝口健二が荒廃した街を舞台に映画を早撮りしたという話を思い出しました。舞台セットでは絶対に表現できないリアル、浮かび上がる、空気を舞うホコリ。確かに映画史に残る傑作であることに間違いはありません。ただ、ストーリーに面白さをさほど感じられなかったので、この点数をつけました。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 6点(2014-12-06 22:51:08) |
9.悪口を先に言っちゃうと、ファシストの描写。作られた時が時だからある程度仕方なく、この時代はこういう悪役像しか作りようがなかった、という1945年の記録になってるわけでもあるんだけど、やっぱり後世の目で見ると薄っぺらい。いかにも悪女めいた表情してたり。しかし個性を持った人物が出ないシーンになると、がぜん光ってくる。あわてて逃げている男の背後で明けていく朝の空。あるいは兵士が到着し、オートバイが回り込んで止まり、家の周りを包囲していくその臨場感。処刑のシーンのまぶしい白い光。これつまり1945年の錦絵・瓦版みたいなもので、これこれこういうことがあったと多くの人に告げ知らせたいという意識が濃いんじゃないかな。劇映画も否応なくその時代の記録映画となってしまう、ということを確認できた作品。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-10-01 09:27:33) |
8.これを観てわかることは、要するに映画はロッセリーニからほとんど進化していないということです。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 10点(2013-06-02 22:09:28) |
7.当時、すごい作品だったことは、想像できました。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-10-27 06:16:45) |
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6.イタリア終戦直後の記憶も生々しい時期にこのような映画を作るという、その映画人の心意気に感動した。 【とと】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-09-19 12:06:44) |
5.射殺された女性のエピソードや拷問によって殺されるエピソードなど、悲惨な現実が写しだされているのですが、その中ですごく好きな会話があります。少年が隠し事をしていて、「俺にも言えないことかい?」と問い詰められます。「秘密なんだよ…。」と答えると「…そんなら、よし誰にも言うなよ。」という、まぁなんてことないやりとりなんですけど、思いやりにあふれた言葉で好きです。 【きむねぇ】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-06-27 00:44:08) |
【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2007-09-03 16:17:22) |
3.戦争の生々しさが伝わってくるなんて言うと、本当に陳腐でありきたりな台詞なんだけど、戦争を経験したロッセリーニが戦時下で資金を集め、フィルムの切れ端を集めて撮ってこの映画は本当にドイツ占領下でのイタリアの様子が本当によく伝わる。派手な戦闘シーンなんかはないけれど、生きていなければならない人が死んでいく様子には本当に胸を打たれる。イタリア・ネオレアリズモの悲しい幕開けを目の当たりにすることになる。 【アンダルシア】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-04-16 00:22:47) |
2.ふだんは悪ガキどもを叱りつけてばかりの謹厳で頑迷な神父が、最後に反ナチの罪で処刑される。その処刑現場にかの悪ガキどもがやってきて、ナチの兵士に対して抗議の口笛を吹く。それをなんともいえない表情で、しかし静かに眺めやる処刑直前の神父。神父や僧侶というのは、人々からバカにされながらも、ひっそりと自分の死を見据える存在だと思う。神父・僧侶好きのわたしにとって、このシーンだけでも本作品は意義深い。 【バッテリ】さん 8点(2004-01-16 21:44:32) |
【STYX21】さん 5点(2003-11-16 02:25:47) |