209.一見「戦争アクションもの」で「有名ハリウッドスター多数出演」とくれば「自然描写ばかりのストーリーのない眠たい映画」となるのも無理はありません。が、人によって駄作ではなく、むしろ類をみない「傑作」になりうるかもしれません。極めて作家性が強く、詩的で哲学を含んだ作品ともなれば、理屈や理解ではない『わかるような気がする』部分があるかどうかなのです。この作品の驚くべきところは「戦争の恐ろしさは自分が死んでこの世から消滅することに尽きる」、つまり自分が作品中死ぬような感覚に陥るように見せているところなのです。「このシーンはどう思う?」「今この兵士の感覚は?」「なぜ戦ってる?」「死んだら自我はどうなる?」「あなたの中にも闇が?」と普遍のテーマについてテレンス・マリックがずっと問いかけてくるようでした。なにもこちらに押し付けてこない。でも答えがないから、深く考えざる得ない。考えることが面白い。もしかすると、この映画、鑑賞者の思考が真の主人公ではないかと思うのです。その為の饒舌な美しい映像と音楽、謎の独白なのです。型破りな映画、それがマリックが天才と呼ばれるゆえんなのかもしれないと思いました。テレンス・マリック監督作品にちょい役でも出演したかった役者たちの誇り、格好良いです。(ショーン・ペンはこの映画の道先案内人のような風格がありました。)さて、この映画でニック・ノルティとジョージ・クルーニー演じる兵士がとても滑稽に見えました。これってハリウッドの一部の戦争映画の本質を突いている気がします。(2人の役者に拍手を贈りたいです) 【ひいらぎ】さん 9点(2003-12-10 23:17:50) (良:2票) |
208.“何をいまさら”と言いたくなるような浮世離れした駄作! 【ドラえもん】さん 2点(2000-01-24 00:05:01) (良:2票) |
207.「細く赤い線」とは、生と死を分ける一線である。その「線」を引いていくのは神であり、兵士たちは神がどのような基準で線を引いていくのかだけを知りたがる。死を間近にした人間は、どうやら神と自分とのサシの対話の世界に入っていくらしい。死の病を宣告された人を思わせる。それがこのウィットのモノローグであるように思う。 現地人の営む穏やかな生活。同じ人間である彼らとの違いは何なのか。知恵の実は欲望とセットであり、それを食べたら二度と元には戻れない。知恵の実が文化を生み欲望を連れてきて、欲望が「大いなる悪」を生む。ウィットも私たちもあの現地人と同じ生活はできないのだ。 ニック・ノルティの怪演は鬼気迫る。すでに「棺桶に入っている」と自覚している彼。「どうせ死なせるなら、事前に恐怖を感じることなく死なせてやろう」という彼。なので下手に無駄死にを防ぎたがる大尉の存在は邪魔である。そんな自分の立場を「なんで自分がこんな役割を」と思っているがもちろん誰にも打ち明けることはできない。狂気に見せかけた孤独な指揮官。 ガダルカナルを守備する日本軍に、あのような攻撃を行う弾薬が残っていたとは到底思えない。また、日本兵のセリフにネイティブの日本人とは思えない発音の不自然さがある。世界中の観客のうち、これを理解するのは私たちだけであるので指摘しておかねば。 また、神との対話を続ける彼らと比べて、日本兵は何を考え何を祈っていたのか。「南無阿弥陀仏」で片付けられては到底納得できない。 ここで死んでいった米兵たちは、「マジェスティック」におけるルークなのかもしれない。ルークの墓の前に立つピーターと対峙している若者たちなのだ。そう思いながら見てみると味わい深い。 どうやって撮ったんだという見事なカメラワーク、今なら間違いなく手ブレで撮るだろうが、ブレないで疾走する這うような映像、やっぱりこうでなくちゃ。手ブレ映像FUCK YOU 。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-09-14 15:02:51) (笑:1票) |
【モチキチ】さん 1点(2004-04-08 16:42:19) (良:1票) |
205.これは戦争を題材にしているが、戦争映画ではない。予備知識ほぼゼロで見始めた。太平洋戦争物はあまりすきではないので少しいやな予感はあった。やはり戦争映画としての娯楽性は殆どなかった。それでも2時間50分のわりには退屈しなかった。映像美がそれなりに心地よかったからか?ただし、その映像にかぶさるモノローグは哲学的思索めかしているが、べつに奥行きも深みもあるわけではない。目新しくもない。ある種の人々が大好きなお題目にすぎない。3つばかり出てくる戦闘シーンもたいしたものではない。あきらかに日本兵が弱すぎる(爆)。とにかく戦争物ということでダイナミックなアクションを期待してはいけない。スタッティック(静的)な戦争映画といえば、「パットン戦車軍団」が思い浮かぶが、あの作品はエンターティメントとしての面白さにも事欠かなかった。残念ながら「シンレッドライン」は中途半端な自己満足映画以上にはいかなかったようだ。 【投石器@甲斐】さん 4点(2003-06-05 00:22:04) (良:1票) |
204.天邪鬼としては、良いこと書きたいんだけど、やっぱあんま面白くないだよね。何か、変に兵士の家庭らしき描写いれたのがまずかったんじゃないかな。あざといって言われちゃうよ。その割りに面白くないから始末悪い。パール・ハーバーもそうやって考えると、まあ良い作品なのかもね。 【Figure4】さん 4点(2003-04-19 19:05:36) (良:1票) |
203. 同じ事を伝えるにしても他の方法があるのじゃないかと思いました。簡単にいうとだらだらしている感じか? 【海牛大夫】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-09-19 20:25:12) |
202.ほぼ同年に作られ、時代背景もジャンルも似ている『プライベート・ライアン』と比較されるが、方向性が全く逆の"戦争アート映画"。美しく詩的な映像と熾烈な戦闘シーンのコントラストは印象に残るが、退屈なシーンはとにかく退屈で、目的を果たしたあとの最後の一時間は拷問のようだった。これだけの豪華キャストなのに下手すれば誰なのかも分からないチョイ役レベルの扱いは勿体ない。それなら別に無名の役者でも成立するんじゃ・・・仮に理解できて感じられても、「だから何だ?」としか感じられないな、自分は。 |
201.ただありのままの映画を観るほど、普段なにかに意味を付けている自分があらわになる。 この映画は意味付けとは違う視点なのだと。 ごくあたりまえの感覚を表現している事が、美しい。 それを頭で理解しようとすれば、フラストレーションが溜まる。 なんの教訓でもなく、ただありのままの美しさのある戦争映画だね。 【森のpoohさん】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-03-03 16:10:38) |
200.歩兵隊といえど、一人の貴重な命だ 無駄に部下を犬死にさせたくない。そんな思いから上官の無謀な突撃命令を拒否してしまったスタロス大尉(だったか たぶん) 彼のような存在がいたことにホッとさせられた。ただし、全体通して商業目的の為だけに製作されたという匂いがプンプンしてきてどうも好きになれない。さて、終わるのかなって見せかけておきながら なかなか終わらない締まりの無さ イコール、だらだら感に溺れてしまった。観てよかったという思いは もはや無い。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-04-03 21:06:57) |
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199.2012.01/14 鑑賞。超大作でその気にならなければ浸れないと思う。皆さんの評価の多様性には驚かされた。0点~10点までかなりの人が幅広く投票、余り例を見ない。①作品の長さにビックリ、しかも会話の少なさ、戦いシーンのすくなさ。②主人公の回想、現実の進行の積み重ねと思ってたのに・・。③日本軍基地のトーチカを7人で占拠は無いでしょう。④戦争叙事詩?戦争レクイエム?反戦運動?兵士群像劇?生命の尊厳?多くのテーマが内包している。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-14 18:17:34) |
198.これだけの豪華キャストでも、監督にとっては全員駒にしかすぎないというワガママぶりが素晴らしい。俳優陣の見せ場などはことごとく無視、あくまでも撮りたい映像をひたすら撮り続けるだけ。その徹底ぶりは、それはそれで潔い。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-12-18 05:08:41) |
197.いやあ、これほどの駄作とは思わなかった。 とにかく退屈。最後まで見るのが物凄く苦痛。 映像もセリフもポエム満載。 「それはチラシの裏にしろ」とツッコむこと多数。 高い金かけてこれだけつまらない映画を作ることができる、ということに感心した。 「戦争は空しい」ということが言いたいんだと思うけど、「もう戦争映画なんか見ないほうがいいのかも」という感想を持った。 そしてこれがアカデミー作品賞候補? タチの悪い冗談としか思えない。 【まかだ】さん [DVD(吹替)] 1点(2010-11-08 01:55:52) |
196.戦争映画とは思えないくらい映像が綺麗で、しかも出演者も豪華。 しかし、中身は意外とあっさりしていて、心に残るものが少なかったです。 【抹茶御膳】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-01-16 15:23:28) |
195.この監督はやっぱり草の映画を撮る。緑あふれる戦場。兵士がふとオジギソウに触れ、葉が閉じる、草にとっては相手が殺気にはやった兵士だろうと遊んでいる子どもだろうと同じ反応をするわけだ。細い葉に一瞬散る赤い血の線。風のように・なめるように移動するカメラ。草の視点から見た戦争映画ということか。この地に殺し合うために呼び寄せられた兵士たち、それをこの地にもともと生えている草たちが観察している。この草の迷宮感が素晴らしく、兵士たちを雑草になぞらえるという単純な比喩を越えて、もっと多義的な思いが次々と湧き上がり、「人と自然」といった軸の周りをめぐり出す。ストーリーはそれほど珍しいものではない(無茶を言う上官と下卒思いの司令官との対比とか)、この映画の眼目は、ガダルカナルを日本軍と米軍が向かい合っている島としてでなく、兵士たちと草が向かい合っている島として描いたことだ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-01-12 12:19:17) |
194.何か無性に見たくなって見に行ったのを覚えています。惨状の中に覗かせる自然の描写、音楽は共に美しく、自分には全編にわたってとても心地の良い作品でした。しかし唯一の盛り上がりは中盤の戦闘シーンだけなので、見る人によってはかなりの間延びを感じてしまうかもしれません。雰囲気を味わう映画だと思います。 【Kの紅茶】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-08-14 19:21:26) |
193.内容はイマイチつかみどころに欠けるのだが、映像には十分惹き付けられた。 【あるまーぬ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-07-28 08:33:23) |
192.評価の難しい作品です。カメラワークが素晴らしいと思ったら他の作品で撮影賞とってる人だったんですね。役者さんも有名どころがあちこちに。内容もいろいろと考えさせられます。ただちょっと長すぎた感があります。映画として7点は付けられないんですけど、他の6点を付けた作品と同じ評価にはしたくない、そんな作品です。 【丸に梅鉢】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-07-16 10:06:53) |
191.レビュワーの意見がみごとに分散していますね。確かに評価の難しい作品だと思います。私は心躍るワクワク感がなかったので低評価です。ストーリーをしっかりと追いづらい作りに閉口しました。アカデミー賞に何部門かノミネートされましたが、それほどとは思えませんでした。 【ジャッカルの目】さん [DVD(字幕)] 4点(2007-01-14 01:32:47) |
190.詩的な台詞、神秘性を感じされる自然の情景、全ては愛から生まれるというメッセージ性がとてもストレートに表現されている作品。ウィット二等兵とウェルシュ曹長の絆はとても深く、戦争という影の中で光を放っていた。 【クロちゃん】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-12-23 12:06:17) |