314.「ちぢれ毛の謎」。男性諸君にとってはごく日常的にありふれた謎として、広く認識されていることだろう。つまり、いくら掃除をしてもなぜかカーペットの上に落ちているちぢれ毛……明らかに不可解な事象なのに、僕達はいつから「なぜ?」と考えることをやめてしまったんだろうか。 とにかく、体毛の一本たりともを落とさずに生活を営むって想像を絶する努力が必要な行為だと思うんですよ。結果的に彼はまつ毛を一本だけ落としてしまったワケですが、それでもその一本以外は見事に隠し通した、と。なんて精神力だろうか。そこに彼の強い意志と宇宙への想いを感じずにはいられない。人生を賭けた抜け毛バトル映画! 【コバ香具師】さん 8点(2004-04-19 17:43:05) (笑:7票) |
313.SFという分野にとらわれることなく、観て欲しい作品。セットがチャチだとか(個人的にはそれほどでもないと思うが)、そういんじゃなくて、彼らの思いを考えながら観て欲しい。今回でこの作品を観るのは3回目だが、年々感動の程度が増していくのが分かる。他と比較されるのが当たり前の「会社員」になったせいかもしれない。友情も愛情も嫉妬も憎しみも怒りも全てが無理なく詰め込まれた至高のストーリー展開。もっと詳しく言えば、自己同一化とかアイデンティティーとかそういうところの話が出てくるんだろうが、私の拙い表現能力ではそこまで伝えることができないのが残念だ。 観る前はたぶん9点だろうなと思っていたが、これはもう10点つけるしかない。ラストには嗚咽しながら泣いた。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-01-28 00:14:25) (良:2票) |
312.為ってほしくないが確実に近付きつつある未来をシミュレートし (着床前診断は正にその一例)現代社会に警鐘をうち鳴らした作品である。 今を遡る事60年前ナチスドイツのヒトラーを始めとしたファシストの時代には 選民思想が高らかに謳われていたがこの作品の時代はDNAの段階から 種の選別だけに飽き足らず遺伝子操作で所謂完全な人間を創造している。 科学の力に傾倒し倫理観をも踏み外した社会を創る事自体が 不完全な事なのだとなぜ気付かないのか。 いつの時代も人間は罪な生き物である。 そんな忌避的な社会に不完全な人間として生まれてきたヴィンセントの 生きる為に足掻き努力を積み重ねて夢を掴み取る執念には悲哀を越えてむしろ敬服する。 また完全であるが故に己のプライドに堪えかねて自殺未遂を冒し半身不随になりながらも 歴史に名を残す(生きて来た証を残す)為にヴィンセントに夢を託したジェローム。 恐らくこの作品の根底に流れる『人間の心までは完全には征服できない』といった メッセージが彼のラストの生き様に込められているのではないか? やっと本当の完全な人間に為り得た彼の心情は推して知るべし・・・。 【sting★IGGY】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-09-04 02:25:52) (良:2票) |
311.公開当時派手に宣伝されていたので「どうせツマラン映画だろう」とバカにしていたんですが、先日BS2で放映されたので何気なく観たら想像していた映画と全然違ったので驚きました。私は遺伝子だとかなんだとかって社会的なテーマよりも、何と言っても映像と世界観に引き込まれました。ストーリー的には全然違うけど、「火星年代記」とかあの辺の子供の頃夢中になったSFの雰囲気があるんですよ。現代のSFのようなスピード感が売りじゃなくて、創造と滅亡を繰り返す宇宙の星々を思わせる、どこかロマンチックで哀愁漂う甘い夢の世界。多少目立ち過ぎと言う気がしないでもないけど、ナイマンの音楽の力も大。ジュード・ロウの美しさは失神もの。改めて思う。私にとってのSF映画はアクションじゃなくて、美術が命なんだ。 【黒猫クロマティ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-06-30 12:37:07) (良:2票) |
310.イーサンもユマもジュード・ロウも尿検査の人もみんな良かった。 【腸炎】さん 8点(2004-03-31 17:14:46) (笑:2票) |
309.まあまあの映画。いろんな解釈ができると思いますが、私はジュード・ロウは完全なDNAに逆らうことが目的で、イーサン・ホークは不完全なDNAに逆らうことが目的で、ジュード・ロウは死ぬことで目的を達成し、イーサン・ホークは宇宙飛行士になることで目的を達成したのだと思う。その全く異なった目的を持った二人が協力しあって、不可能を可能にするということなのだと思う。ただ、ほかにもいろんな要素がありすぎて、見終わった後にすっきりとしなかった。 【インセイン】さん 6点(2004-03-12 21:39:25) (良:2票) |
308.ジュード・ロウは私にとりまだ評価しにくい、苦手な俳優の一人だが、本作はすばらしかった。イーサンは、これのカメラテスト?か何かで初めてジュードに会い、随分とショックやらプレッシャーやらを受けたらしいが、そんなエピソードも、納得だ。イーサンも主役として「負けてられない」と思ったのでしょうね、ナチュラルな演技でもって、この特異な世界に見る者を引き込む。またもちろん作品全体も素晴らしかった。まず第一に、すべてにおいて大変ユニーク。遺伝子操作がもたらす新たな問題、という、時代を先取りする着眼点もいい。そもそも97年制作、そのさらに前からの企画と考えると、進取の姿勢にも感服である。もう一つのポイントは、SFでありながら人間としての苦悩が描かれていて切ないこと。この両立がすごい。SFに詳しい人なら、そういう作品は案外ありますよ、と言われてしまうのかもしれないが、こんなにバリバリのSFで、サスペンスとしても一級で、しかも哀切に満ちた世界があったなんて、驚きだった。なおかつ映像がクールでスタイリッシュ。無機的な美しさに見事にマッチしているユマの美しさもまた絶品です。 この世界観がやや重たく感じられる人は、深く考えずに画面の美しさにひたるだけでもいいんじゃないか、と思うほど。しかし残念なことが1つある。そもそもこのサイトを知るまでこの秀作の名前の片鱗すら知らなかった。高得点やあらすじを知って興味を持ち、近所のビデオ屋でさんざん探したのに、SFの棚のむちゃくちゃすみっこの、これ以上目立たない場所はない!というところに置かれていたので、見つけるまでにかなり時間がかかってしまった。きっと世間でも本作を知らない人、未見の人は多いだろう。残念。これはまずSFは苦手だ、と思っている人こそ観たほうがよいシロモノです。 【おばちゃん】さん 9点(2003-12-18 10:37:31) (良:2票) |
307.青の強い画面。静かな映像。イーサン・ホークの暗い個性と、ジュード・ロウの冷徹な表情。不適正者の烙印の下、それでも宇宙を目指す孤独な若者と、スーパーエリートの資質を持ちながら不幸な事故で半身不随となった挫折者の間に芽生える不思議な友情。時には自虐的に、そして自嘲的に、将来を限定され、夢見ることを否定された時代に生きる出来損ないのジェミニとも言うべき二人の姿を軸に、夢を見る自由の尊さを静かに、だが切々と訴えた至高のSF映画。優性な遺伝子を持つ若者になりすましてガタカに採用され、エリートとして宇宙を目指す主人公の身の回りに空気のように横たわる恐怖。同じように限定された将来に向かって歩き続けるヒロイン。そして不適格者でありながら命をかけて烙印に挑戦する友人に最後の夢を託す挫折したエリート。3人の一風変わった恋と友情の物語の中に、人は遠い昔に未来を夢見た幼い頃の自分の姿を重ねる。幻想的とも言うべき美しい映像は、人間世界の不条理さをほんの少しシニカルに描きながらも、明日を生きるささやかな勇気を与えてくれる。 【anemone】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-12-06 01:42:06) (良:2票) |
306.ちょっと無理がありすぎるように思うんですけど。替え玉にするなら、ジュード・ロウの身長とか目の色とか髪の色とか、身体的特徴の似た人を探すべきだろうし、目の手術は傷跡でバレるからダメだけど、(だいたい、カラーコンタクトはバレないのか?)身長を伸ばすための手術はOKなんて。しかも手術後もイーサン・ホークの方が背低いし。おかしいって、絶対。 【あやりん】さん 4点(2003-05-19 11:59:57) (良:1票)(笑:1票) |
305.着想が面白い。というかこれ、近未来に実現しそうな気もします。先進国は少子高齢化が進むし、各所で民族紛争だの戦争だのが絶えないので。とりあえず種の保存や民族の純血や国家の繁栄を確実にする手段として、検討されても不思議ではないかなと。いわゆる優生学の発想ですが、彼らが人口の調整弁として必要量だけ〝生産〟され、世の中の面倒くさい仕事(宇宙飛行士もその1つ)のいっさいがっさいを一手に引き受けてくれるなら、それも案外悪くないかもしれません。 一方、ジュード・ロウが見事に表現していましたが、「勝つ」ことを宿命づけられて生まれてきた彼らのプレッシャーたるや、想像を絶するものがあります。まして昨今は、強力なライバルになりそうなAIもずいぶん進化してきました。彼らとAIの仕事の奪い合いを、自然出産の我々が下々から見物するという図式は、はたしてユートピアなのかディストピアなのか。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-12-21 01:27:49) (良:1票) |
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304.評判が良かったので期待して見ましたが、個人的には素直に乗り切れませんでした。いいところもあるとは思うんでうが、絵のチープさや主人公のとる手段にそれほど共感できず・・・。初監督作品だから予算が確保できなかったのかもしれませんが、マリン郡庁舎でロケしてSFでござい、というのも、今時の映画でそれはキツいっす。新宿のコクーンタワーでロケして「近未来SFです」って言ってる邦画があったら、見てるこっちが赤面します。そういう感覚ですね。「才能と努力」という題材は子どもむけCGアニメ作品で既に沢山の良作があるなかで、この作品が特別良く出来てるとは思えませんでした。主人公よりも脇のキャラクターのほうが魅力的だったとは思います。それにしても、適格者を何百人も診察してきた医者からみても、不適格者である主人公のチ○コはかなり立派だった、というのは笑ってしまいました。 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-01-12 15:08:21) (良:1票) |
【ケンジ】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2011-08-12 23:41:06) (笑:1票) |
302.この映画はいつも私に勇気を与えてくれます。 心からの感謝を込めて9点献上。 【棘棘棘棘棘棘棘】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-01-23 17:10:07) (良:1票) |
301.SFやファンタジーといっても内容は様々で、ただひたすらおとぎ話のような映像を見せつけて「どうです! すばらしいでしょ!」っていうものが多いのですが、ごくまれに、人間をより深く描くためにSFという設定を利用する映画があります。本作はそうした映画のひとつで、その硬質な画面とあいまって人間が持つ運命の苦しみと悲しみが見る人の心に深く染み入っていきます。おとぎ話的映像を期待すると当てが外れますが、数あるSF映画の中の傑作のひとつです。 【きのう来た人】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-02-21 05:38:25) (良:1票) |
300.遺伝子による社会支配の近未来を描いた作品。ただその人物入れ替えテクは結構アナログ的。犯人捜査もそうかも。そんなとこ観るよりはイーサンホークジュードロウの心理描写の方が見応えがある。ビンセントの被差別側の悲しさ、逆のジェロームの選ばれた側の悲しさ。ビンビン私の心に響く。弟君の扱いが雑な気もしたけど良作。度胸試しの泳ぎで戻りや危険を気にせずとにかく踏み出す姿勢、見えないのに道路を渡るビンセントに物語を象徴するものを感じる。それにしてもジュードロウ、続くリプリーでも入れ替わられる青年役。演技も存在感も素晴しいし、キャラを生かしたはまり役なのかも。 【タッチッチ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-07-05 14:16:12) (良:1票) |
299.ジュード・ロウの演技などはかなり秀逸。中身もあるし感動もある。だがいかんせん、全編通してのテンションの低さゆえに盛り上がり切れない。合点の行かない点も多い。内容は味があるもののあまりに淡々と進む展開や作りの甘さに高揚感が欠けるのは否めない。もう一点、この作品のジャンル分けがサスペンスになっている場合が多いが、これはサスペンスではなくヒューマンドラマである。何に期待して観るかによって評価が違ってくると思うので良質のサスペンスを期待するのであれば注意すべき。 【ムッシュ★いち~ろ!!】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-02-15 23:36:08) (良:1票) |
298.偽装工作ばかりに一生懸命で何か努力をしていただろうか。頑張れば夢を実現できるという映画とは全く違うと思う。ビンセントの家まで調べに来たとき顔が違うのになぜ分からなかったのか。バレていたのにわざと黙っていたのだろうか。また「なんだ弟だったのかあ、気づかなかったよ」とは明らかにおかしい。物語にやや矛盾を感じるが、ワイド画面での凝った構図は最近の映画では群を抜いて美しい。 【WEB職人】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-07-17 21:11:27) (良:1票) |
297.自分も劣等・・いや努力してないので全く問題外なんですが そういった視点で見ました。 劣等遺伝子のレッテルを貼られた主人公が最後には夢を叶えるという 至ってシンプルなストーリー。 随所にB級テイストが盛り込まれており、SF色も弱め。 だがシンプルでわかり易い分、グッと心に響いた。 ジュードロウは儚い存在感を漂わせるキャラを熱演、 主人公を食うほどのビジュアルと演技を見せてくれた。 【HIGEニズム】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-03-15 20:31:49) (良:1票) |
296.題材は悪くないが、私は科学では人間の才能なんてはかれっこないと固く信じて疑わないので感情移入できなかった。そのせいなのか管理する側の脅威や恐怖がうまく表現されていないように感じる。全体的に緊迫感に欠け、なぜか物語に入り込めない。題材は悪くないのだが。 【えいざっく】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2004-07-10 13:26:04) (良:1票) |
295.近未来の冷たい映像が綺麗だった。その冷たい映像の中で静かに熱いイーサン・ホークも綺麗だった。クールに見せかけてなかなか熱いストーリーはよいと思う。しかし、DNAで決まる世界は考えることは出来ないし、きっと来ないだろうと思った。 【めめこ】さん 8点(2004-03-18 16:20:13) (良:1票) |