27.念願叶いようやくスクリーン大画面で観る事が出来ました、世評高い「鴛鴦歌合戦」!この作品の愉しさは既に皆さんに言い尽くされているようなので、さらに自分ごときが言葉を重ねる必要もないんですが、「時代劇オペレッタ」という生まれて初めて観るジャンルの映画で楽しかったです。70年近く前のモノクロ映画にもかかわらず、昨日の東京京橋フィルムセンターは上映前老若男女長蛇の列、ほぼ満席の会場で昔の日本映画が大好きな方たちに囲まれ、これ以上ないと思われる環境で映画を観る事が出来たのは幸せでした。当時の暗い世相を考えたら、突然変異的に生まれた娯楽作品には違いないと思います。でも閉塞的な時代だったからこそ、意図したしないにかかわらず、この映画の作者たちの裏の思惑が自分にはなんとなく伝わってきましたね。国家権力への自己犠牲が当たり前と思われていた時期にもかかわらず、ヒロインお春さん(市川春代)の一見ノーテンキ、実は複雑なこのキャラクター設定はどうでしょう?骨董掘り出し物収集家の父(志村喬)の為、五十両のカタに陽気なバカ殿(ディック・ミネ←いちおう権力)の側女に無理やり召されかけるシーンが後半にあります。私はここでてっきり「おとっつぁんのためならしょうがない、私が殿様のお妾に上がるしかないわね・・・」と決意し、父親とのメソメソした愁嘆場が始まるかと思ってました。ところが彼女は終始甘ったれた声で「いやよ、いやよ、絶対や~よ!」とあくまで「拒絶」という自己主張を貫き、最終的な獲物である若きヒーロー千恵蔵氏の腕の中に飛び込んでいくのである。権力に対する個人意思の見事な勝利ではないか!(←そこまで考えてないっつーのw)いやはや私は参りました、この愛嬌たっぷりのお春さんには諸手を上げて降参です。伊達に「チェ♪」と音に出して発音するだけの事はある。ちびまるこちゃんもびっくり。怒涛のごとく大円団へと流れ込む音楽の処理もお見事!二回目を観たらもっと点数上がるかもしれません。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-01-24 16:31:59) (良:4票) |
26.能天気の極致。1939年ってあーた、戦時じゃないですか!なのに映画は笑いで溢れ、みんなが楽しそうに歌ってる。幸せいっぱい。傘を広げて出演者がずらっと並ぶエンディングで思わず感動の涙を流した。映画が終わって席を立つと老若男女、みんながみんな笑顔でした。「あ~楽しかった」「楽しかったなぁ」という声があちこちから聞こえる。今度この映画が上映されたときは映画嫌いなヨメさんを誘ってみようかと思った。 【R&A】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-12-28 10:42:06) (良:3票) |
25.これを見れば紅白歌合戦などショボすぎて見られなくなってしまうほど面白い。中でもみのもんた、いやいや市川春代の甘ったれた喋り方とけっして巧くはないがどこか惹き付けられる歌声がとっても魅力的。「ちぇっ!」ではなく「ちぇ」と毒を吐く彼女の口調を真似て、その後何か不愉快なことがある度に「ちぇ」と独り言を呟くほどになってしまいました。恋敵の傘をこれでもかと破る仕草もかわいい。短期間でもアイデアと編集でこれだけ楽し過ぎる映画を仕上げるマキノさんの職人気質に拍手を、傘を持った登場人物をドリーに乗って流れるように撮り上げた宮川一夫に喝采を、そして春坊(市川春代のあだ名)に思いを寄せて、春よ来い。 【彦馬】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-01-12 13:02:11) (良:3票) |
24.「戦前」=「陰鬱なる時代」とする暗黒史観の嘘を払拭する傑作である。その明るさとバカバカしさに、大団円では爆笑しながらも落涙してしまった。 【火蛾】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-11-03 11:56:49) (良:2票) |
23.ハリウッドで「風と共に去りぬ」や「オズの魔法使い」が作られていた頃、日本でもこういうミュージカルがあったのだと改めて驚く。そもそも時代劇でミュージカル、戦後の美空ひばりは知っていたけど太平洋戦争前の映画だとは・・・。若いディック・ミネにも驚くけど、何と志村喬までが歌っているとは天と地がひっくり返るような驚きだ。またストーリーも結構おもしろいしすばらしい。永遠に残しておきたい貴重なフィルムだと思う。DVDが出たので即購入。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 10点(2012-12-16 09:13:11) (良:2票) |
22.もう、あまりにハッピーで、見ているこっちもシアワセになって、最後には嬉しナミダなんかすらにじんでしまう。けれど見終わって、いったいこの映画の何がそこまで面白かったんだろう? と考えても、何だかよく分からない。でも面白い。でも分からない。・・・その繰り返しで、もう何回見たことか! もちろん、皆さんご指摘の市川春代チャン(と、なぜか“チャン”づけで呼びたくなるんですよ・笑)の可愛い意地っぱりにメロメロとなり、憎めないダメオヤジぶりが驚くほどハマっている志村喬など、出てくるキャラと役者の魅力が大きいのは分かる。モテモテ役の片岡千恵蔵だって、城中で家臣たちとジャム・セッション(!)を繰り広げる憎めない“陽気な殿様”ディック・ミネだって、ほんと良い感じだ。そして、宮川一夫のキャメラを得たマキノ正博監督の融通無碍な演出が、すでにこの時代に頂点に達していることもじゅううううううぶんすぎるくらい分かる。でも、この映画は、そんな作品それ自体の完成度を超えた〈場所〉で、その真の魅力をたたえているように思う。 それは、先に【ザ・すぺるま】さんが書かれている素晴らしいレビューのお言葉を借りるなら、その「浮かれかた」にあるんじゃないか。1939年という、すでに中国での戦争が泥沼化した時代にあって、ここまで「浮かれた」映画を撮ることは逆に容易なことじゃなかった。しかも、『会議は踊る』などのヨーロッパ風オペレッタというより、まもなく“敵国”たることが確実だったアメリカのミュージカル映画こそがふさわしい「浮かれかた」をめざすという、マキノ監督はじめスタッフ・キャストたち映画人の“心意気”こそが、このちょっとした「奇跡」みたいな作品を産み出した・・・。 「こんなご時世やからこそ、いっちょ底抜けにオモロイ映画を撮ったろうやないか」。そうして創りあげた本作は、時代を超えてなお、「浮かれる」ことが映画にとって“最大の「武器」”であることをぼくたちに教え続けてくれるのである。 ・・・あの軽やかに舞い上がるラストのキャメラ。ついには重力(それを「時代」とも「社会」とも読みかえてもらっていい)すら振りきり空にのぼっていく場面は、戦時下における「映画」と映画人たちの勝利を高らかに告げるものなんだと、ぼくは信じてやまない。 そう、やっぱり映画には「浮かれた」ハッピーエンドこそがふさわしい。 【やましんの巻】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2010-02-26 18:59:32) (良:2票) |
21.ああこの幸せな感覚。こんな映画が戦時中に作られていたなんて。 ものみな歌で終わる。千恵蔵も歌う。志村喬も歌う。志村喬の歌なんて、『生きる』のあの暗い歌しか知らない自分には何とも新鮮だったよ。 【いのうえ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-07-11 22:41:29) (良:2票) |
20.可愛い。歌声の音程が絶妙な市川春代が可愛い。まるでいたずらっ子のように微笑む片岡千恵蔵が可愛い。純情な一人娘をからかう志村喬が可愛い。歌唱力は高いが台詞が微妙に棒読みのディック・ミネも可愛い。勿論お春のライバルの娘たちも可愛いし、脇役の一人一人も、いや道八茶碗から麦焦がしに至るまで、みぃーんなみぃーんな、可愛い。豪快なまでのハッピーエンド、ニコニコのハッピーエンド、最後は主役も脇役もカタキ役も一列に並んで大合唱。ご都合主義と笑うなかれ、これぞ映画、夢の映画。くたばれ、ニヒリズム。糞喰らえ、ペシミズム。みんなさ、つまんないことであくせくせずに、朗らかに歌って踊っちゃえば良いじゃ~ん、♪浮か~れてっしゃな~りと♪って、ね。 【ぐるぐる】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-05-21 20:07:24) (良:2票) |
19.日本のミュージカル映画史上、最高の名作。こういう映画を見た時の感激はひとしお、映画ファンで本当に良かった。邦画にもこういった夢のある、明るく楽しいエンターテイメントがあったのだ!皆様機会があればぜひ。♪掘り出しもの~だよ~♪ 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-04-18 01:59:29) (良:2票) |
18.日本にもこんなに明るく楽しい映画があったなんて知らなかった。 お洒落な殿様最高。 【りま】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-07-14 12:46:27) (良:2票) |
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17.♪さて、さて、さて、この映画、めちゃ、めちゃ、おもしろござりますう♪ 【なるせたろう】さん 10点(2003-12-27 20:10:21) (良:1票)(笑:1票) |
16.何が一番驚いたかって、それぞれの歌が、場面や心情の表現にきちんとなっていること(曲調や歌詞も含めて)。そして、役者陣が、きちんと「歌いながら演技をしている」こと。つまり、ミュージカル映画としてはすでに完成しているのだ。それにしても、戦前からこれほどの作品を作っておいて、どうしてその後の日本にはミュージカル映画が存在しないのだろう? 【Olias】さん [映画館(邦画)] 8点(2015-08-30 21:43:19) (良:1票) |
15.花のように明るくて楽しくてかわいい。志ん朝の落語のような話だ。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-02-16 00:03:53) (良:1票) |
14.ミュージカル映画観てると、ときに思わぬ人が歌ってるのに出会うことがある。最近では『ヘアスプレー』でのクリストファー・ウォーケンか。かつて『ロシュフォールの恋人たち』では、ミシェル・ピコリが歌ってるのを目撃した。でもやっぱり一番驚いたのは、これの志村喬、片岡千恵蔵の連発だなあ。しかも時代が時代だし。なんかここらへんの映画の軽薄な陽気さって、好き。こういう「軽薄の力」が、中国大陸で無茶やってんのと同時進行で生きていたんだ。日本が、この片岡千恵蔵まで歌わせる軽薄さの側にしがみついて、眼を吊り上げるような馬鹿真面目を排除し、心を入れ替え地道に軽薄し続けていたら、日本現代史はあんな陰惨なものにならなかったんじゃないか。別に「時代の不安」の裏返しのヒステリックな笑いじゃないの。ただただ健康な陽気さが満ちている。伴奏が入ってくるあたりのムズムズ感がたまらない。こういう映画が作られていたことをアメリカが知ったらどう思うだろう、とふと考えたものだが、その後、日系人収容所描いた『愛と哀しみの旅路』というすごい邦題のハリウッド映画の中で、デニス・クエイドがこれ観てディック・ミネを真似て歌い踊るシーンを目にした。アメリカに勝ったと思った。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-05-03 12:04:35) (良:1票) |
13.↓なるせさんのように浮かれっぱなしで観るのが、この映画の正しい見方なのだが、天気雨のシーンに涙するのを忘れてもらっちゃ困る。あの娘とこの娘の恋が望遠鏡でむすびつき、宮川一夫の柔らかな光が、干した傘に満遍なく注いでいる。この叙情、このご都合主義! 【まぶぜたろう】さん 10点(2003-12-27 22:17:29) (良:1票) |
12.時代劇ミュージカルとでも言えば良いのでしょうか?ユニークな作品ですね。 作られた時代まで加味してこの評価。純粋に一本の映画として見ると流石に厳しいです。 【alian】さん [インターネット(邦画)] 6点(2022-07-22 20:54:41) |
11.昭和14年に作られた約一時間程度の時代劇オペレッタです。ストーリーは簡単な恋愛もので、最初から最後まで、チャンバラシーン以外は全編がほぼ歌です。 軽くて緩い楽しい映画でした。ディック・ミネの陽性のキャラクターが作品の雰囲気とよく合ってます。和楽器でジャズっぽい演奏をするなど遊び心があり、発想が自由で、開放的な印象を受けました。 歌も古臭くありません。どう表現すればいいのか分かりませんが、当時の流行歌よりも、明るさとテンポの良さをワンランクアップさせた感じというか。心地よく耳に入ってきました。 日本にもこんな映画があったんですね。完成度がかなり高いと思いました。背伸びして海外ミュージカルを真似ている感じでは無くて、そこも良かったと思います。 【wayfarer】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-06-14 02:41:13) |
10.古い映画の評価は難しい。「すべての歴史は現代史である」という観点に立てば、そんなに面白いモノではないし、「全ての時代は神に直接する」という観点に立てば、ノモンハン事件が起こった時代にこのような作品が製作されていた事には驚く。マキノ正博は高倉健の任侠映画しか知らないのだが、粋とユーモアの融合はこの作品からも垣間見えるし、突き抜けてる感はある。 |
9.とかく浮世はままならぬ、日傘さす人、作る人。って、なんのこっちゃですけれども、片や日傘をさしたおとみさん、片や日傘を作るお春さん、千恵蔵演じる浪人を巡って、確かに何かとままならぬ訳です。しかし、作った傘を干しているとそこに通り雨、傘が濡れては大変と、これをキッカケに男女がうまく引き寄せられたりもする。はたまた、お春さんが父親の骨董道楽を嘆いている場面、千恵蔵が「そのうち掘り出しモノでもするかもよ」と言うのに対してお春さんは「そういう夢みたいなこと大っ嫌い」と言い放つんですけど、これがラストの伏線になってる。なってるけど、でもこのラストは、衝撃的です(笑)。いやホント、みんな笑ってていいのか~と思うんですけど、いいいんでしょう、きっと。もはや一種の躁状態。時代劇ミュージカルなんていうハチャメチャな作品ですから、オチもハチャメチャでいいんです。で、音楽はというと、一曲一曲は他愛ないものですが、会話の中に歌がピタッとはまってくるのが気持ちよく、とにかく楽しさ満点です。中でも、ディック・ミネのあまりに気持ちよさそうな歌いっぷりが、何やら悟りに近いものすら感じられて(笑)。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-09-29 22:47:17) |
8.退屈なストーリーも最後の壺を壊すあたりまで進んでくるとあまりのくだらなさに思わず笑ってしまう。画質は古くて見づらいが、中身云々よりも戦前の時代劇コメディミュージカルそのものが新鮮だった。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-08-27 22:08:25) |