5.予告編が作品の本質を伝えないということは、稀にあるようです。問題は、それが意図的なものなのかどうかという点です。作品に誤った期待を抱かせて動員数を増やそうという意図があるとすると、それは予告編編集者がその作品に否定的な評価を加えたということです。まあ、いずれにしろ、そういう意図の有無は判断できないわけですが。
最近ではアニメ映画「ふれる」がそうでした。複雑でシリアスな作品を単純なお伽噺に改変して、TV・CM展開にまで手を広げていました。結果は失敗のようでした。本作については基本的には劇場内予告だけのようですが、やはり全く別な印象を受ける物でした。もの凄い迫力の戦場映画という印象を受け、これは劇場で見なければと大きな期待を寄せました。
実際は、基本的にはジャーナリストの立ち位置や心情を描く人間ドラマでした。それが悪いわけではありません。ベテランが新人をかばって死ぬというベタなシーンが残念なくらいで、シリアスでリアリティのある充実作でした。
更に、前述した映画業界についての考察を深めることも出来たという付録まで付いて大もうけ…かな?。予告通りの作品を見たかった…とも。
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その後に得た情報によれば、予告編は専門の会社への丸投げで作られているそうです。スケジュール的に本編を見ることはかなわず、断片的な素材で作っていると。台本が手に入ればよい方だそうです。納得です。