6.また逢う日を信じつつ、明日はどうなるかわからぬ時代を生きた人、死んでしまう人、とてもつらく切ない映画だ。映像にも古さが感じられ、同時代やそれ以前の同じテーマを持つ西欧・米国の映画の洗練さにも及ばない。しかしそれがまた敗戦の宿命をも感じさせる。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-02-07 23:40:16) |
5.主人公をナイーブな学生にしたのはきわどいところで、下手すると嫌なヤツになっちゃうのだが、学生仲間などを丁寧に描いていたから良かったんだろう。大事なことは何一つしゃべり合えない仲間たち。軍人になった次兄ともう一度昔のように語り合えたら、なんてのも、この主人公像のおかげで不自然でない。ナイーブな作品に登場人物を合わせてしまったわけだ。「弟的」なるものを見る目で主人公を眺めるわけ。しかし無邪気さがそのまま戦争の対極にあったかって言うとそうでもなく、無邪気さは戦争協力に使われていた部分もあったと思う。でも少なくとも軍隊的なものとは相容れなかったことは確かだ。この作品としてのナイーブさは現代では通用しないだろうなあ。こっちが照れてしまう。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-09-26 11:50:33) |
4.以前、CS放送でやった時のを録画してあるという知り合いに借りてきて見ましたが、これもまた同じ今井正監督の「青い山脈」に通じるものを感じる作りになっている。終戦の真っ最中の若い二人の青春、恋愛映画で、主演の二人が何とも爽やか、清々しい。その一方でちょっと反戦がテーマというのが色濃く出ていて、青春映画にしてはちょっと痛い。痛々しい感じがするのが欠点と言えば欠点のようであり、「青い山脈」ほどの爽快感はここにはない。この当時の時代背景の映し方、画き方は今井正監督、上手く描かれているのは感心させられた。それにしても久我美子のこの作品の中での可愛いことといったらない。本当に久我美子が可愛い。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-04-18 21:56:08) |
3.かの有名な「ガラス越しの接吻」も良かったが、杉村春子が連絡通路(階段を下りて、他のホームへ上がる)を駆けて行く姿をカメラが追って撮ったシーンが印象に残った。リアルタイムで鑑賞したものと、戦争未体験の私のようなモノが今観たのでは大分受け止めが違うとも感じた。(池袋・新文芸座) 【サーファローザ】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-10-11 15:09:54) |
2.軍国ムードの中をストイックに求め合う二人、となると愛の情念のほとばしりが控えめなのが逆に映画にプラスになっている印象です。その分、駅のホームに向かいひた走る杉村春子をカメラを後退させながら撮り続けたシーンは、溜めていたものが一気に爆発したようで親子の情愛が画面に滲んでいました。序盤で語られる「ケイコのケイは蛍のケイよ」が、二人の心に静かに熱く灯る明かりと「蛍の光」を想起させ、その後の二人の運命の儚さが低音に振動しております。伝説のガラス越しキスシーンは、これが伝説の!と映画的感動を得ることができますぞ~。また逢う日が保障されない時代にまた逢う日を信じた二人の物語、です。 【彦馬】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-04-11 20:55:26) (良:2票) |
1.今見れば多分古臭い話だと思うが、これは戦後まだ5年しか経っていない時で、当時としては身につまされる思いのする人も多かったことだろう。私が見たのもかなり昔だが印象は強く、恋人同士が引き裂かれ悲しいラストに切なくなった。話のプロットは「哀愁」に似ているがあれほどのロマンティックな作りではない。戦時下の暗くて重い話だが、唯一ガラス越しのキスシーンがロマンティック。 【キリコ】さん 7点(2004-02-04 10:57:41) |