7.久しぶりの溝口作品! それだけで既にワクワク。 オープニングも溝口作品らしく素敵。 しかしながら、内容的には突出したものは感じられず、少し不満あり。 溝口監督らしさは十分に出ていたと思うが、この不足感はいかんともし難い。 これで現存する溝口作品の全制覇まで、あと7作品となってしまった・・・ あー、寂しい。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 6点(2021-07-23 08:33:22) |
6.他の溝口作品に比べ地味というか少々物足りない。特に前半は退屈で、後半若い医者をめぐって田中絹代と久我美子が対立するあたりからおもしろくなった。ところであの的場という医者、木村功かなとちょっとまちがえたのだけど、何だったんだろう。ラストの明るく再生した 久我美子に安堵。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-08-03 06:14:55) |
5.娘が母に代わって、店を切り盛りしている姿に、それまでの曲折を思い感慨深いものがありました。監督の女性に対する労わりと励ましが仄かに滲み出ている秀作。 |
4.おっと、これまた皆さん、かなりの評価をしているみたいですね。うん!確かに相変わらず観ていて感じるのは、溝口健二監督の女性の心理状態に対しての映し方、複雑な気持ちのゆれ、その他色々と上手い。いや、上手すぎる。でも、何だか私としては溝口健二監督作品としては平均的な感じ、ちょっと物足りない。それでも面白かったことは否定は致しません。田中絹代と久我美子の二人が親と娘であるにも関わらず同じ男を愛してしまうという何ともドロドロした複雑な関係のドラマも下手な監督が撮るとただのドロドロしたものに終わるところを溝口健二監督は単なるドロドロしたままでは終わらせないところは流石です。それでも個人的好みからしたらこのぐらいの点数が妥当かな? 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-08-30 21:41:58) |
3.人が動く動く。それにあわせてカメラも動く動く。どういう空間に人物たちがいて、そこでどう生きているかを見せてくれる。その一方で非常に情報量が多いのが溝口監督の画の特徴だと思います。どこに目を向けるべき、当然ながら見るべき人は決まっているのだが、奥にも手前にも見たいものはある。あぁ、やっぱり溝口監督の作品は映画館で拝見したいなとつくづく思う。苦しみや悲しみなどの重みの詰まった一軒の遊女屋。そこに出入りする人間のドラマを描いたこの作品。そこにはそれぞれの人生があり、見応えがある。母と娘の話を真ん中に、遊女たちの悲しみや遊女になろうとする少女の葛藤が出入りしている。結局、この作品の主人公はその全ての人間なのではないかと思ってしまう。最初と最後のカットが同じなのが、僕には最も印象的だった。 【ボビー】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-04-30 14:02:31) |
2.田中絹代が溝口作品に出演した最後の映画で、溝口の遺作「赤線地帯」と同じような世界を描いている。溝口作品としては「山椒大夫」と「近松物語」の間に作られていて、両作品ほどの完成度の高さはないけど「赤線地帯」よりは面白かった。でも、田中絹代と久我美子演じる親子が一人の男を同時に愛してしまうドロドロした展開にもう少し深いドラマがほしかった気もする。黛敏郎の音楽が「赤線地帯」同様不気味で印象的。大谷友右衛門を初めて見たけど、最初は木村功かと思った。雰囲気が似てる気がする。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-17 11:29:32) |
1.STINGさんに逆らうようで何なのだが、私はこの「噂の女」がえらく楽しめた。もともと溝口の良さがあんまりわからないせいなのかどうなのか、「赤線地帯」や「祇園の姉妹」に通じる遊郭ものなのだけれど、STINGさんが書かれてるとおり深みに欠けるありきたりなメロドラマなのが、逆に楽しめた理由なのかもしれない。■さらに、物語にみられるそのような底の浅さと共に、固定画面とささやかなパンショットによるリズムや役者の動きが実に軽やかで心地よいのだ。■芸者やら下働きの女中さんらが行き交うのを背景に田中絹代と久我美子を切り返し、久我の不安や孤独を的確に演出した冒頭シーンや、久我美子が夜更けに水を飲みに行くために渡り廊下を歩くシーンのサスペンスや、田中絹代が愛人である大谷友右衛門のまわりをくるくるとその居場所を変えながら甘えるシーン、久我と友右衛門の会話を盗み聞くシーン、さらには舞台上での狂言や日本舞踏の演者をフォローするゆるやかなカメラまでが、なんというか、カメラや役者たちの動きが実にさりげに良い。クレーンでぐぉんごぉんとか流麗な移動ショットや墨絵のごとき宮川タッチとは異なる、軽やかな何かをふと目にしたかのような快感。■もしかしたらこの作品は、遊郭に生きる女性たちの悲哀を描いた作品といったものではなく、久我美子がその軽やかな動きを取り戻すまでを描いた映画であるのかもしれない。■そういえば、この作品のクライマックスで、田中絹代はハサミをふりかざしながら愛人を追いかけ、久我美子はグレーのスカートを床に広げてきりりとカメラをにらんでいた。そのシーンを契機に田中は病に倒れ床に伏せ、久我美子はぽつねんと孤独に佇んでいたはずの玄関先を、黒のタートルネックとショートカットでくるくるくると歩き回るのだ。■関係ないが、久我の台詞「そんなイージーなことを考えるものではないわ」に笑った。そう、すごくイージーで楽しい「噂の女」。溝口ってあんまり…、って人が好きになる映画かもしれまへん。 ■(追記)1954年の久我美子が「イージー」なんて言うわけないわな。「意固地」つってたんだな、きっと。ま、いいけど。 【まぶぜたろう】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-04-30 22:43:08) |