7.これは面白い。群像劇というとキャラが紋切り型になったり、クビの皮一枚の関連性で無理やり1つの物語に仕立てたりする傾向がありますが、こちらの登場人物はいずれも個性的で魅力的。それぞれこんなはずじゃなかった感を背負っています。筋立てとしてはけっこう強引でしたが、いろいろ絡み合っていてよく練られている感じ。 終盤まで見ていると忘れそうになりますが、個人的にもっとも共感したのは中盤に唐突に現れて中盤に消えた小林克也。中年の悲哀や焦燥、嫉妬、そして諦観、自暴自棄を見事に表現していたように思います。こんなオッサンにはなりたくないと思いつつ、気がつけばこんなオッサンになっているんですよねぇ。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2023-06-06 23:55:48) |
6.ご都合主義的な部分はあるが、人間のどうしようもなさみたいなものは伝わってくる。その後鹿児島も変貌したので、88年当時はこんなんだったんだと思うと感慨深い。 |
5.アメリカで話題になっている某作品から、この作品を思い出しました。笑えます。見て損は絶対にありません。名作です。 【オドリー南の島】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2007-02-26 19:21:11) |
4.様々な人間模様がラストに向って終結していく、そうパルプフィクションかマグノリアかといった趣です。でも敏八ワールドはそんな洋画チックなオシャレさや軽快さはなく、ジメッとした割り切れない沈み込む重さを心の中に残してくれる。 【亜流派 十五郎】さん 5点(2005-01-27 23:29:49) |
3.いいですよねえ、この映画。何度見ても楽しい。年に一度くらいは見ています。ここの柄本明はほんとかっこいい。ああいう生活にあこがれますね。この映画には、ところどころにちょっとクサい言葉がちりばめられているのですが、映画に自然に溶け込んでいて、まったくクサく感じないというか、むしろかっこよく感じられます。 【コウモリ】さん 10点(2004-08-21 17:05:53) |
2.佐藤正午の同名小説の映画化作品。これは映画を先に観た(のが良かったかな)。わりと雰囲気のある作品だったと思う。柄本明と尾美としのりのコンビはなかなか味があって、スリリングな展開中にも妙に間の抜けた空間を創り出し、事件に知らず知らずに関わっていく過程においても彼らの日常性には全く変化がないことによって、事件そのものを相対化してしまう。それは突然やってきて、すぐに去っていくのである。事件を柄本・尾美コンビの横において見てみると、事件そのものすら間の抜けた喜劇のように思えてくる。この辺りは原作と同様の展開だが、ある意味で確信的な物語のずらしであり、事件と傍観者の関係を実に正確に捉えた作品であると思う。ただ、如何せん、全体的に力が抜けすぎたきらいが無きにしもあらず、それは原作の味なのか、藤田監督が永遠に捉えられた「やりきれなさ」の終着なのか。確かに藤田敏八氏の最後の監督映画作品でもあるか。<あ~ん、先にレビューされてしまったw。哀しい。。。←冗談ですw> |
1.あらっ、誰もレビューしてないぞ。この映画、中々隠れた名作ですよ。出てくる登場人物が結構みんないろんな人生背負っていて、まあ一種のロードムービーなんだけど、尾美としのりと柄本明のコンビなんて最後どう絡んでいくのかと思っていたら、意外な結末で笑わせてくれます。あんまりヒットしてないんで、レンタルも難しいかもしれないけど見てください。 【きつま】さん 8点(2004-06-13 23:40:20) |