1.テロリズムの蔓延るフランス占領下のシリア・ダマスカス。
シビアな政情を生きる男たちの面構えがいい。
ハンフリー・ボガートの居所をフランス軍に売る男は職業俳優だろうか。
脇役ながら、如何にも殺伐とした世界を生き抜いてきたというような
凄みを感じさせるしたたかな顔貌がいい。
リー・J・コッブの強面がそれに負けていないのもいい。
映画は夜のシーン、地下のシーンが中心となり、閉塞感を増す。
狭い路地や地下住居の設計が独特の闇を創り出し、異国の趣を漂わせている。
とりわけ、ゲリラ達との接触場所となるローマ時代のカタコンベの美術が素晴らしい。