日陽はしづかに発酵し・・・のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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日陽はしづかに発酵し・・・

[ヒビハシズカニハッコウシ]
(日蝕の日々)
THE DAYS OF ECLIPSE
(DNI ZATMENIYA)
1988年ソ連上映時間:128分
平均点:6.75 / 10(Review 4人) (点数分布表示)
ドラマ
新規登録(2005-05-17)【Qfwfq】さん
タイトル情報更新(2007-09-10)【まいか】さん
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監督アレクサンドル・ソクーロフ
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3.荒唐無稽なファンタジーともいえるが、単純にそう言ってしまってイメージできる範ちゅうを超えている。旧ソ連から現ロシアと近隣の小国に連なる歪んだ近代史が原型としてあるだろう、その独特の終末世界観は、荒唐無稽でありながら実に生々しく、登場する人間も生々しくもありながら実に「死」に満ちている。映される舞台は閉鎖的だが、画面は恐ろしいほど奔放である。そして色彩・・ソクーロフの何が凄いって、ソクーロフの作品それぞれが別個の独創性を持っていることだ。色彩はその独創性に大きく貢献している。これを観たときは、処女作『孤独な声』に衝撃を受け、その余韻も冷めやらぬうちに続けざまで観たせいで、また、あまりに異にする作風に戸惑いながら観たせいで、作品よりもソクーロフの才能に驚愕してしまったのだが、それゆえにもう一度観直したい映画。
R&Aさん [映画館(字幕)] 7点(2007-10-15 15:01:45)(良:1票)
2.何とも面白い、特異な作家の登場である。確実に映画史・映像史の基礎を踏まえた画作りでありながら、その因果関係を語ることを許さない。ソクーロフの映画としか言いようのない、生誕の瞬間から完成していたかのような気味の悪さがある。褐色のモノクローム、アイレベルではありえない垂直の俯瞰視線、その奇抜さを語ることさえ拒むかのような完成度なのだ。 色調の徹底はタルコフスキー的(というよりタルコフスキー以後ロシアの伝統的)であるし、紙に火をつけ燃やす(これがなかなか点かない)1ショット1シークエンスもまたタルコフスキー的である。 が、その色調はタルコフスキーのように自然を美化するためのものではなく、むしろありのままの広大な自然、荒野に人間を配置し、その人物を浮き立たせるためであるし、省略を恐れず、積極的に物を語る姿勢にも充ちている。惜しむらくは語るべき物の不在であろう。ソクーロフはいつか傑作を撮る。この作品に触れて、それだけは確信できる。
stroheimさん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-29 02:33:43)(良:1票)
1.トルクメニスタンは旧ソ連邦ではあっても非あるいは反ロシア的な風土で、そのエキゾチックな砂漠の大地にロシア的な美貌のアレクセイ・アナニシノフが立つだけで、終末をテーマにした一枚の絵画のようです。この主人公を演じる青年の美しさが尋常ではなく、奇跡的なほどに感じられるのが、色々な意味でこの映画のアブナいところです(笑)。宗教や民族の問題など、ロシアとその周辺の複雑な歴史が背景になっているので、この終末のイメージをロシアの人達と同じように共有することは難しいのですが、生気の無い子供や、撃たれる脱走兵、去ってゆく異民族の友など、次々と主人公のまわりで起こる幻のような出来事が、あたかも未来からの警鐘のように心の不安を呼び覚まします。「色」が人為的に加工された画面が特徴的で、この作品の茶色がかったオレンジ色は、熱気でもあり乾燥でもあり、警告の色でもあり、生命の色でもあってと、様々な表情を見せています。ソクーロフ監督のなかでは『静かなる一頁』と並んで好きな作品です。
あまみさん [映画館(字幕)] 10点(2005-06-21 01:51:23)(良:2票)
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【点数情報】

Review人数 4人
平均点数 6.75点
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