1.コメディじゃないのでご注意ください。切ない大人向けの映画です。
仕事にへとへとになって、恋人もいなくて、なんだか何もかも上手くいかない。
日々、戦わなくちゃいけない現実は、自分の理想とはかけ離れていて、
全てが嫌なになっちゃって、日常生活から脱したい。
そんな時きっと誰でもあると思うんだよね。
それが、何回がでてくる台詞「騙されることを被害者が望んだんだ」っていう心理につながるんだと思う。
最初は、その台詞を理解できなかったけど、少し分かった気がする。
夢を語ってばかりいられない大人だからこそ、非現実的な世界に惹かれるんだと思う。
それが、たとえ騙されたという行為によって、成り立つ世界だとしても。
だから、何?って言われたら、それまでだけど、そんな人間の弱さを物悲しく、愛しく描いている作品。
「辛くても現実と向き合わなくちゃいけないんだよ」とまで、この映画では言っていない。ただ、人間の弱さを切なく描いているだけ。それを中途半端と受け取るか、良い味として受け取るか、見方次第かな。
ただ、ちょっと松雪泰子と堺雅人の人物像の掘り下げが足りなかったのが残念。
演技は悪くないけれど、なんせキャラクターが弱いので、ストーリーの重みがでなかったという感じ。んー惜しいと思って、4点。
あと、脇役の新井さんは味があって存在感のある良い役どころでしたよ。必見です。