3.飛び込み台の上で男が止まっている間に、すべてが語られる物語。止まって動かなくなると、何も聞こえなくなる趣向、ってのがあるの。そして登場する人たちがローマから出たがらない、ってのもある。だから戦後ローマ史でもある。あとブーフーウーみたいな童話の「3兄弟ものパターン」もあって、長男次男は金持ちであったりインテリであったりするけど家庭を失い、プロレタリアートの実直な末っ子は幸福な家庭を持ちましたとさ、って。そういったブーフーウーのパターンに寄りかかり過ぎたのが、若干弱点にも思える。「落伍者は物知り顔になる」なんてすごいセリフもあった。イタリア女性であるヒロインの25年後はもっと太ってるんじゃないか。まあイタリアお得意の微苦笑の世界です。4分写真で泣き顔になっていくとこ。お肉を吊るすギャグ。ブルジョワ家庭のガレージから車がどんどん出てくるとこ。などが印象的。