4.《ネタバレ》 二転三転するストーリーでサスペンス性はあるが、大事なものが欠けている。
サイコなシリアスキラーなんだけど、その犯人から肝心の狂気を感じない。
そういった点でいうと、韓国映画の描くサイコキラーは実に不快で嫌悪感と殺意を抱かせる。
この映画からはそうした感情は沸かなかった。
ということは、キャストを含めて狙った犯人像が描ききれなかったということだろう。
韓国映画でリメイクすればもっと面白くなりそうな気がする。
と思っていたら、原作は韓国映画の「殺人の告白」だった。
ストーリーや設定、キャストのイメージ、演出など、かなり違ったテイストになっていたので気づかなかった。
やっぱり犯人のインパクトは「殺人の告白」のほうが遥かに上で、ひたすら気持ち悪い。
日本版は韓国版にはなかった犯行動機にスポットを当てて戦場でのトラウマが語られているが、それが理屈っぽくなって迫力に欠け、かえってわけのわからない不気味な犯人像を損ねてしまった。
犯人にちょっとしたダンディズムのようなものを感じて、韓国版の動機もわからないどうしようもない気持ち悪さがない。
が、韓国版はいろいろ詰め込みすぎてリアリティーがなくアクションに偏りすぎで、ストーリーとしては日本版のほうが良かった。
終盤で真犯人のどんでん返しも加えて、捻りも入れている。
日本は理詰め、韓国は情緒で訴えかける印象。