7.《ネタバレ》 かなり残念な映画だった。登場人物で見る限り、妹は利発そうで愛嬌もあり、また叔母は本職の役者でないながらも独特の風格があって大変いいと思ったのだが、肝心の姉がこの顔でこの声で小学生でもやらない放埓な行動をするのは非常に苛立たしい。そのため姉が目覚めてからは一気に見るのがつらくなる。
またストーリーの面でも、「この夏は…」という唐突な発言以降は素直に納得できなくなる。それまでの妹は感性豊かで頭脳明晰で判断力もあってそれ自体何の問題もないように見えていたので、今回の事件で初めて世界が広がったという説明が取ってつけたように感じられる。また外国人の件はどういう意味だったのかわからず(ラテン系は小学生と仲良しになれる?)、手の写真も伏線回収しましたという以上のものになっていない。
ほか水の場面は映像的な見せ場なのだろうが、自分としては最近見たホラー「仄暗い水の底から」(2001)を連想して不吉感を覚えた。まあそれはこの映画のせいではないわけだが。
ところで、特典映像に収録されているサイドストーリー「夏美のなつ~いちばんきれいな夕日」(監督 武正晴、脚本 足立紳)の方は普通に面白い。当然ながら姉は出ないが妹が活発で可愛らしく、バカ少年らとのやり取りも微笑ましいほのぼのドラマである。何より妹役が女優として輝いており、本編の主役にも負けていない(勝っている)のが感動的だった。ほか「小林さん」(演・青木崇高)というのも何気にいい感じを出している。
以上のようなことで、点数は本編だけだと4点だが、サイドストーリー込みで5点にしておく。