《改行表示》41.《ネタバレ》 オープニングで崩壊した氷山が、エンディングでは逆戻しで元の状態に帰っていく。 自分自身を見失っていた主人公が、体の自由を失うことで、自分とは何かを見つめ直していく、そんな意味があるかなあなんて思いながら、ぼんやりとエンドロールを観ていた。 主人公の生き方が違っていれば、家族はもう少し彼に対して愛情を持って接してくれただろう。 あんな生き方では、最終的に頼りにできるのは、医療関係者しかいないんだろうなあ。 そんなことが気になった映画。 |
《改行表示》40.《ネタバレ》 マチューアマルリックは、アルノーデプレッシャン作品でよく見かける俳優さん。 ここでは目力だけで力演してる。 植物状態の人間が、まばたきだけで自分を表現する。 表現し終わったら、その10日後に他界する。 ラストは、崩れゆく氷河が元通りになっていくという映像。 僕がここをもう少し演出すれば面白くなるのではと思ったのは、 歴史ある病院で、時空を超えて、歴史上の女性や人物が彼を看護したら良かったのでは、 と思いました。 それがイマジネーションという蝶なのかもしれませんね。 でも奥さんの前で、愛人から電話がかかってきて、 奥さんに言葉を伝えさせるというのは、この看護されてる主人公の人物像を よく表してて、なんともいえない。 奥さん、泣いてたよ・・ 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-10-18 15:28:47) |
39.目力が持ち味のマチュー・アマルリックの「目は口ほどにものを言う」迫真の演技に息を呑みました。「僕は自分を憐れむ事を止めた」千鈞の重みのある言葉を忘れちゃならないと思う次第です。 |
《改行表示》38.《ネタバレ》 タイトルに興味をひかれ視聴。うーん、少々重いですが嫌いではないかな。 主人公の色々な葛藤が主人公視点で表現されているのがよかった。 【あずれも】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-12-13 08:49:21) |
37.《ネタバレ》 「ある日僕は自分を憐れむことをやめた」。この台詞に衝撃を受けた。閉じ込め症候群により、左まぶた以外が動かなくなった元ELLE編集長の、極限の絶望的な心境を考えると非常に勇気が要ることだ。似たような状況の映画で『海を飛ぶ夢』があるが、ほとんどの人だったらラモン・サンペドロと同じ選択をするだろう。成功者と自由人の違いなのかもしれない。他の実話ものとは違い、感動的な演出、過剰な演出は極力避け、危険と隣り合わせの美しい蝶が舞う日常のように淡々と綴っていく。なので、いつのまにか本が出版され、彼の死もテロップだけで済まされる。崩れ落ちる氷棚が逆再生される静かなエンドロール。瞬きだけで言葉を発した男の想像力が無常な世界に抗うかのよう。 |
36.苦手な実話に基づく系ですが、映画として楽しめました。楽しめたっていうと語弊が有るかもですが、実際にご本人がいらっしゃって、同じ様な症状の方々も世界中にいらっしゃるなんて、この映画を観るまで知りもしなかったし。実に辛く厳しい状況だと思いますが、ご本人著の原作がそうなのか、楽観的に描かれているので終始客観的に観ることが出来ました。 【movie海馬】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-10-25 01:39:17) |
《改行表示》35.とても、苦痛..苦手な映画だった..とにかく、物語の内容云々より、映し出された映像(カメラワーク)に、耐えられなかった..吹き替えで観れば、まだましだったかも.. 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 4点(2015-03-01 14:25:25) |
《改行表示》34.《ネタバレ》 ドキュメンタリーとして映画を見終えて、映画である必要あるのか疑問をもった。 身障者の1人称としての画はひたすら退屈だし、この映画が伝えられる程度の辛さや心中なんて容易に想像がつく範囲内だったので、映画を通して得られた気づきがなかった。 映画という手法で表現するのがベストな話だったのだろうか。どちらかと言えば不向きな方に思える。 具体的にこの男に起こった出来事を言葉で丁寧に説明してもらった方が、はるかに心動かされたのではないかと思う。 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-03-26 00:59:45) |
《改行表示》33.主人公の視点やその思いは想像もつきませんが、これを映像にしてしまうことが凄い。 また、これらの描写にリアリティがあるかどうかなんてことは知る由もなく安易な評価はできなのですが、とにかく映像が素晴らしかったです。 ストーリーにしてもお涙頂戴な作りをせず、あるがままの人間臭さが出ていました。 地味な作品ではありましたが、地味であるべき作品だと思います。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-03-08 18:04:19) |
32.重い内容なのだが決して暗くはない。それどころか、自分の思いを伝えようする主人公の意志には敬服するし、周囲の声と本人の思いの違いにはユーモラスささえ覚える。このように明るさが見られるのも、映画が主人公本人の目を通しての表現になっているからだろう。考えさせられる映画であると同時に励まされる映画でもあった。この点「海を飛ぶ夢」と比べてみるのもいいかもしれない。欲を言えば主人公の周りの女性が皆美人過ぎて、 療法士二人と妻それに執筆を助けた女性をまちがえてしまいそうになる。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-07-07 06:36:30) |
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《改行表示》31.《ネタバレ》 夢を見ているのだろう。今私はいつまで続くのか分からない生死の分かれ目を漂っている。正確には、漂っているのは間違いないのだが足下の状況は数十センチのスペースをステップしながら、あっちに行ったりこっちに行ったりしている危険な立場、である。 私は今飛んでいて、その飛行はぎりぎりよりもやや飛べていないという外観がふさわしく、五〇メートルも飛ぶと都合よく現れる次の足場で蹴りあげなければ落ちてしまう。落ちたらどうなるのか、それを考えたらあまり意味のない無限回廊に入り込んで、少なくとも飛べている今を失ってしまう。それは私の望むところではない。 私はもう三人いる仲間と一緒に目的地に向かって飛んでいる途中なのだが、彼らはこのとんちの効いたコスチュームや私たちに指令を下すボスのかっこわるい乗り物に何の疑問も持っていないのだろうか。 潜水服は蝶の夢を見るか、見るんだろう。夢を見ていれば何とか逃げ続けられるのだから。閉息感と拘束を感じながらも、飛ぶ術を与えられたこの世界に放り込まれたのはこの映画を見たからなんだろうか。私自身の影響を受けやすい安っぽさが夢の中にある。 いや、だからってこの夢を終わらせる理由にはならない。目が覚めてしまえばこの飛行体験は終わりを告げて、現実の私と向き合わなければならない朝がきてしまう。だから私は必死に足を地面に蹴りつけて飛び続けるのだ。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-01-19 03:08:02) |
30.この状態でどれだけポジティブにいられるか。思い通りにいかない状況がうまく描かれている。また家族とのシーンも良かった。 【noji】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-09-16 20:58:29) |
29.《ネタバレ》 難病を扱った作品はやはり見ていてつらいのだけど、主人公の元ELLE編集長の彼の独白がドライで、からりと話が流れてゆく。「子供を見られるのは幸せだ」としみじみ言ったかと思うと、「自分を憐れんでるな、僕は」と自らを客観視する。元妻に愛人へのメッセージを言わせるくだりには、あんたねえ、とこちらが突っ込む余地も与えてくれる。彼の憎めない性格と、想像力の翼にのって波間に遊ぶ海辺のシーンの美しさに救われた。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-11-20 16:22:24) |
28.《ネタバレ》 麻痺してないのは左目と想像力と記憶だけという台詞がなんとも言えなかった。 【ないとれいん】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-11-14 00:13:21) |
《改行表示》27.《ネタバレ》 この映画で素晴らしかったのは、「閉じこめ症候群」になってしまった主人公の視点で始まったこと。 正常なコミュニケーションができなくなってしまった主人公の気持ちが、これ以上なく伝わります。 画も美しく、官能的でもあります。 ストーリーは淡々としていて、結構好き嫌いの分かれる映画だとは思います。 しかし、この映画に描かれる「希望」は医療関係の方に是非見てほしいものだと思いました。 【ヒナタカ】さん [DVD(吹替)] 8点(2011-03-14 18:02:53) |
《改行表示》26."生きる"とはなにか、そんなことを見終わった後に考えさせられる作品。 主人公は脳機能は生きているが、まばたきしか出来ない。それでも生きていた。必死に"まばたき"で言葉を綴っていた。 実話に基づく作品だということなので、どこまでが実話でどこからがフィクションなのかがわからないが、主人公が必死に生きた、これは確かなことだと思う。 若干酔うが、主人公の見ている映像を観客が見るという作り、すなわち主人公と"目"を共有するという演出は、とても感情移入しやすい。 しばしば、本当に自分に話しかけられているような錯覚に陥った。 随所に挿入される、主人公の想像から生まれる映像も美しい。 この作品がこれほど高い評価を受けたのは、実話に基づくからだと思うが、自分もこの"主人公"が綴った本を読んでみたくなった。 【Sugarbetter】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-01-27 15:45:44) (良:1票) |
25.このシチュエーションをこの角度(一人称)で現実に撮ってしまおうという発想が凄い。しかし、主人公の努力や業績とは別の次元で、作品の描写自体は、平坦で同じような流れで最後まで行ききってしまっているので、主人公以外の人たちがどこでどのように考えていたのかということについては、あまり浮かび上がってこない。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-12-23 00:27:54) |
《改行表示》24.変わった撮り方で序盤は惹きつけられたが、実話だということを知らずに見たため映画らしい展開を期待しすぎてしまった。 瞬き以外のコミュニケーションを制限されることについて、苦しさが伝わってくるとともに、患者に対する配慮や理解をすることは難しいものだなと感じました。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-12-15 13:29:36) |
23.《ネタバレ》 劇場公開時に観に行ったのですが、観返してみて、やっぱり佳い作品だなと。冒頭、状況把握が出来ないままぼんやりした映像で進み、徐々に事態が飲み込めてくると映像がハッキリしてくる。主人公と呼応した映し方も然ることながら、海を思わせる水色や緑を配した病院の描写にも、感じるものがありました。そして何といっても、自分を受け入れた時のジャンの、記憶と想像力の羽ばたく描写が素晴らしい!彼の物語が進むと同時に、彼の頭の海に誘われるようです。それと同時に映されるジャンの今の姿との対比により、より一層、死や絶望と対して、もしくは対になって、生命力の無限さと美しさを感じさせられました。病人を描いた作品でありながら、全くジメジメしていないのは、そういった描写力や表現力の素晴らしさはもちろん、ジャン本人の人間的な魅力、特にシニカルなユーモアも描かれているからでしょう。ただやっぱり、父親との電話の場面は涙が出ましたが。奥さんがいる前での愛人の電話は残酷だったけど、ズルいとこも非常に人間的だなあと思った次第です。 【泳ぐたい焼き】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-11-25 22:23:28) |
22.素晴らしい!最初からこれは!何っ?と思わせる診察場面から状況が呑み込めるまでグイグイ画面にくぎ付け状態。ほとんど植物状態のような実際にある病気のようですが、いやでも生きていかねばならない辛くて、怖い実話だからこそ人の親切というものの暖かさや有難さが身にしみます。ダルトン・トランボの「ジョニーは戦場へ行った」の暗さに比べてまだ救いがあるのは、耳は聞こえて、たとえ片方だけでも目が見えるという事の有難さを再認識させられました。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-11-12 00:10:15) |