《改行表示》79.《ネタバレ》 所有するDVD(未レビュー)の中で、一番上映時間の長いのが本作でした。原作もかなりの長編小説で、大きく3編に分かれているとのことで、最初は戸惑った各時代を行ったり来たりする映画の構成の理由が、何か納得できました。ただクライマーズ・ハイも時代が行ったり来たりしたっけ。 私は、アフリカ編の前段に当たる、労働組合と会社の闘いが一番興味深かったです。ストをタテに賃上げ要求(年末4.2?まじか…)に、時代と労働者側のエネルギーを感じ取れました。また会社側の陰湿な報復人事も巨大企業らしく、特に八木の扱いがあまりに酷くて怖くなりました。会社と労働者の闘いから、会社からの個人攻撃になるんだよな、恐ろしい。会社側の御用組合を創るところも、その経緯が裏側から観られて、とても興味深かったです。 御巣鷹山編がこの映画のメインだと思いますが、主人公の恩地は遺族係なので、会社や他の労働者のための大きな活躍をしません。あの労使交渉で、労働者の正当な賃金と空の安全を確保出来た。その報復として、恩地は海外の僻地に左遷された。にも関わらず『やっぱり事故は起きました。』では、どうにもスッキリ出来ないところ。遺族会の分断を図る行天の卑劣さが増していき、じっとりとした巨大企業の闇は感じられました。 会長室編でスカッとしたいところですが、行天という人物が、この時のために悪い方に育てられた人身御供でしたね。スタートは一緒だった恩地と行天。2人は国民航空の表と裏の関係なのでしょう。 3時間超えの超大作で、飽きずに楽しめましたが、3編それぞれが違うテイストのため、一本の映画としては平坦な印象でした。 【K&K】さん [地上波(邦画)] 5点(2024-09-06 12:01:33) |
78.他の作品と間違って録画したんですが、せっかくなんで最後まで見ました。う-ん、何が言いたいかよく分かりませんでした。大企業の腐敗と政治がらみの汚職なのか?一人の人間としての悲哀なのか?大自然の雄大さなのか?大河ドラマの総集編みたいで、きっと原作は面白いんだろうと思いました。主人公がなんだかんだ言って罪もないゾウを撃って象牙を飾っている時点でなんだかな-でした。 【木村一号】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2023-02-25 18:13:54) |
《改行表示》77.山崎豊子原作の長編ドラマですが、小説本の長さは1冊約500ページ単行本で5冊分。描かれた時代背景も昭和40年代から60年代と約20年と長い。 これを長時間とはいえ3時間半程度ではこのドラマの面白さは描き切れない。配役も恩地が渡辺謙で行天が三浦友和というのもしっくりこない。 いずれにしても中途半端な映画でした。そもそもこの作品は映画では無理な作品です。製作するにしても。小説と同じ"アフリカ篇""御巣鷹山編""会長室編"と3部作にしなければ物語の良さが伝わらない作品だと思います。(興行的には3部作に分けるなんてできないでしょうけど・・・) 2016年にWOWWOWで製作された同小説のドラマ化がとても良くできているだけにこの映画のつまらなさが際立ちます。 【みんてん】さん [DVD(邦画)] 5点(2017-08-01 14:41:35) |
76.《ネタバレ》 原作の書かれた時代背景や製作時期やら鑑賞のタイミングによって見方も変わるだろう。墜落事故に関しては30周年特番でかなりいろいろ見たので、映画では掘り下げも甘いし非常に物足りない。労使問題にフォーカスするなら墜落関係はバッサリカットしてもよかったと思うが、それはこのタイミングだから言える事で、製作当時では仕方ないかな。確かにいろいろと盛り込みすぎで何が言いたいのかわからない。主人公もそんなに活躍するわけでもないし、視点も定まらない。もっと主人公中心で主人公目線で描いた方がよかったのではないだろうか。目線が中途半端なので結果的にビジネス雑誌の記事のような内容になってしまって、総じて人間ドラマが弱かった。そのワリには変に仰々しく盛り上げる部分もあってなんかチグハグだった。ただし、「組織で生きる事とは何か?」という問題提起にはなっていて、それなりに見応えはある。自殺者はいたものの、各々組織にしがみついて誰も逃げる人がいなかったのは少々不思議ではあるが。JALは現在も解雇問題等々で裁判沙汰が続いている。体質はあまり変わってないように思う。会社組織なんてJALだけでなくどこも一緒だろうけど。先日も過労やパワハラで電通社員の自殺報道があったが、もっと労働組合・労働運動の重要性が認識されるべき。せっかくの題材なのに、その点でのアピールが弱いは残念である。映画会社も会社なので労働運動は盛り上げ難いのかもしれないが。 |
75.山場がいくつもある連続ドラマを見ているようで一気に見るとダラダラ感がしんどい。正義と悪に無理矢理色分けするようなあの手この手の演出や策略が薄っぺらい。社員の恵まれた待遇も一因といわれるナショナル・フラッグ・キャリアのJAL倒産が映画公開後すぐだったのも皮肉っぽい。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2015-10-17 23:34:30) |
《改行表示》74.《ネタバレ》 JAL…あっ、ごめんなさい。NALは動物園の動物の様でした。 獲物を狩る努力ではなく、国の役人という飼育員から補助金という餌を貰い、それを奪い合う事に力を注ぎ、余った餌は飼育員の私服のポケットに返すといった印象です。 組合長の恩地の運行安全の為に賞与を上げるという理屈も詭弁に聞こえました。賞与アップと運行安全は直接繋がらないと思います。 もし、本気で安全性向上を考えるのなら、賞与の差額分で整備員を増やしダブルチェック体制を取るとか、整備機材などの設備投資に廻した方が現実的だと思います。 市場からの売上げのみで運営している一般の会社から見れば、労使交渉も含めて、JAL…あっ、ごめんなさい。NALは、お気楽な会社ごっこです。 作品自体は原作未読という事もあり楽しめました。長尺な時間も気にならず、役者さんの演技や配役も良かったと思います。 宇津井健さんの演技は安定していましたし、憎しみを持って見てしまうほど三浦友和さんも仕上がっていたと思います。 恩地が息子と牛丼を食べているシーンや、娘婿の親と喧嘩して手を繋いで奥さんと戻るシーンは良かったですし、特に八木の転落していく過程の中で、組合運動で自分が輝いていた頃の写真を縋る様に見つめ、現実から逃避している姿は、私も八木と同様に、主人公の様に強い人間ではないので目が潤んでしまいました。初めて香川照之さんという役者さんが良いと感じました。 映像に奥行きが無くのっぺりとしたカットが多い印象でしたが、社会派ドラマとしてなら許容だと思います。 唯一CGが悪い意味で際立っていました。調子が悪かったのでしょうか。 【しってるねこのち】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-04-13 15:49:34) |
《改行表示》73.色んな事を描きすぎてテーマがぼやけてる。序盤の転勤につぐ転勤の話をあんなにじっくり描く必要があったのか。その割に人を描くのがヘタクソで、イイヤツか嫌なやつしかいない上、主人公も活躍という活躍をするわけでもない。つまらなくはないんだけど、 この映画の見所は一体なんなのか。大きな組織ってのは汚いもんなんだよって言いたいだけなのか。行天さんとかを深堀りすれば、また違ったと思うのだが。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 5点(2014-04-10 01:36:56) |
72.長丁場にもかかわらず飽きずに楽しく観れた。悪もちゃんと裁かれて良かったです。 新おにぃはキターって感じでした。 【すたーちゃいるど】さん [地上波(邦画)] 7点(2012-05-06 10:07:10) |
71.伝えたい事が、イマイチ伝わってこない。企業の腐敗体質についての問題提起作品としてはあまりに冗長で、もっとコンパクトにまとめられたんじゃないか。結局最終的には小倉寛太郎の自伝ってだけなのか? 【Fukky】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-01-01 22:00:38) |
70.白い巨塔や不毛地帯を期待して見たが、それらには到底及ばず。善悪ハッキリし過ぎで、ドラマが薄っぺらく感じるのが前述の映画との決定的な違い。昭和っぽさは出ていたが、製作自体も昭和だったんじゃないかと思うほど古臭く感じられるのはいかがなものか。ノスタルジックな印象は全く受けず、昔の映画を見ているようでした。 【もんでんどん】さん [地上波(邦画)] 5点(2011-09-01 17:22:48) (良:1票) |
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《改行表示》69.大長編が原作の映画化作品。 これはひどいというハショリはなく、意外にまとまっているなとは思ったんだけど、 やっぱりどうしてもじっくりと観たいというシーンは結構出てくる。 演出は映画というより、テレビのスペシャル版にやや近いぐらいの雰囲気かな。 某航空会社の協力が得られなかったということで、寂しいなぁというシーンの映像も。 今のこの時代に描かれた企業戦士の姿は、若い人たちが見てもピンとこないかもね。 何か別の世界のお話を覗き見ているような感じで、不思議な感覚を覚えてしまった。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 4点(2011-08-25 11:11:39) |
68.《ネタバレ》 ●ううーん、ひっさしぶりに、ド汚い画面の、しょうもない紙芝居映画を観たという感じではある。いろいろな場面での画面の汚さというのはもう特筆モノで、こんな汚い画面を撮れるのはやっぱり、あの「出口のない海」とかのあの監督か、と思ったら、これはこれでまた別の監督ではあった。ところがこの作品、ナイロビでのロケの場面だけ、撮影クルーががんばっている。この場面だけ、ふつうに映画としていい画面になっている。ここだけはどうやら別クルーでの撮影になったわけだろうけれど、演出姿勢が一貫していないので、ここでの鳥瞰撮影などいいんだけど、映画としてはまったく無意味だったりする。まあナイロビでのドキュメント撮影とかになれている現地によく行っているスタッフが、ここでがんばっちゃったんだろう。まるで映画のなかでナイロビにとばされた主人公「恩地」そのままのような状況ではないのか。●70年代以降、この日本では露骨な組合つぶしが国の政策になり、たとえば国鉄の民営化などがその最大のイヴェントだったりするわけだけれども、この作品でのマフィア映画の観すぎのような演出で、そのような状況が観客に伝わるだろうか。ドライに伝えたいのか、それともウェットにせまりたいのか、根本的な演出姿勢がぐらついているという印象。 【keiji】さん [CS・衛星(邦画)] 1点(2011-07-13 11:34:39) |
《改行表示》67.内容からしてしかたがないが、最初から最後まで重い気持ちで見なければならず、つらかった。録画して、何日にも分けて見なければならなかった。特に、最初の事故のシーンはつらくてつらくて、もう見るのをよそうかと思ったが、何とか最後まで見られた。個人的には、豪華俳優陣を揃えた映画は好きではない。西村雅彦は西村雅彦として、小林稔侍は小林稔侍として見てしまい、役柄として見ることができないからだ。しかし、渡辺謙だけは恩地元として見ることができた。本当にいい俳優だと思った。ただ、渡辺謙と三浦友和が同世代の設定なのが非常に違和感があった。この2人の俳優の実年齢は7年9か月の差があり、私の感覚としては、三浦友和は渡辺謙の1時代前の俳優だからだ。 【チョコレクター】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-05-17 10:24:44) |
66.《ネタバレ》 豪華メンバーをずらりと揃え、業界は異なるけど企業で働く自分にとっては興味深い内容だったが、演出がヘボかった。60年代、70年代をメインにしているのに現代にしか見えない服装、街並み、建物(特に一般家屋)。その中で車や電話などを当時のものを持ってこられても滑稽にしか見えなかった。それにしても年末手当4.2ヶ月って・・・今風に直すと一時金8.4ヶ月?・・・凄すぎる。 【のははすひ】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-05-15 11:49:26) |
《改行表示》65.日の丸親方の大企業を軸とした様々な人間の、様々な思惑、正義、悪意がめくるめく様を描いた長ーい物語。 202分にも及ぶ大長編で、内容が内容なので、とてもじゃないが気軽には観られない。数ヶ月前に録画しておいたものをようやく観ることができた。 山崎豊子の長編を渡辺謙をはじめとする映画スタッフが気合いを入れて長い長い映画に仕上げただけあって、骨太で見応えのある作品だったとは思う。 個人的に、こういうそれなりに名を馳せた多くのキャストが色々な役で登場する作品は好きなので、次々に登場する俳優陣の顔ぶれを見ているだけでも、興奮させられた。 冒頭にも記した通り、様々な人間の様々な思惑が絡み合う人間ドラマなので、最終的に「誰が正しい」ということは言えないもどかしさを、ラストシーンを観ながら感じた。 そのことが、見終わった後のカタルシスの欠如に繋がったことも否めない。 ただし、この物語はまさにそういう社会自体のもどかしさを描いたものであり、それをしっかりと表現したこの映画の方向性は決して間違っていないと思う。 そして、「フィクションだ」と濁してはいるけれど、この物語が実在の巨大企業の顛末をモチーフにして描かれていることは明らかであり、実際にどういう問題があって現状に至っているのかという「実情」がとてもリアルに理解できた。 現実に即し、安直なドラマティックを排除した実直な映画だと思う。 でも、渡辺謙演じる主人公が、自らの信念に対してあまりにも頑すぎて、その絶対的な実直さが逆に人間として共感できないなあと、個人的には思ってしまった。 【鉄腕麗人】さん [地上波(邦画)] 6点(2011-05-02 15:48:03) |
64.人命を預かる企業としての厳しさ、難しさが伝わります。自然と渡辺謙に感情移入しますが、ここまで頑張るのは大変ですね。 【noji】さん [地上波(邦画)] 6点(2011-04-23 22:00:12) |
63.原作は遠い昔に既読。映画はその中身をいろいろ盛り込んでます。が、そのために散漫な印象は拭えません。これは原作にも言えることですが、「完全無欠な聖人君子の主人公」vs「保身と出世しか頭にない悪人たち」という水戸黄門的な図式なので、ものすごく安っぽく見えてしまう(しかも「印籠」も登場しないし…)。悪人には悪人なりの「ロジック」があるはずで、その「ロジック」どうしの激突があって初めてドラマが成り立つのではないでしょうか。「鳴り物入りの邦画」も、やっぱりこの程度なんですね。残念。ついでにいえば、私は組合活動というものにまったく共感も同情も抱きません。そんなことやってるヒマがあったら、もっといい待遇を求めてとっとと転職すりゃいいのに…。 【眉山】さん [地上波(邦画)] 3点(2011-04-16 01:21:30) |
62.《ネタバレ》 原作未読。中盤あたりの上層部の思惑や政治家の駆け引きは、端折った感じがしてならなかった。しかし、内容は共感できた。どんな状況でも負けなかった主人公とそれを支える家族。最後に飛行機事故の遺族に、私の今まで受けた苦しみはあなたには到底及ばないと言い切る。俺もあんなふうに生きたいね。 【ラグ】さん [地上波(邦画)] 7点(2011-02-28 22:14:34) |
61.《ネタバレ》 小説が発表された頃から宣伝などで存在は知っていましたが、自虐的、露悪的内容であることが分かっていたので敢えて避けて来ましたが、今回テレビで視聴させてもらいました。政治家、官僚に食い物にされ、幹部の私利私欲に翻弄された国策会社の実情を見せられるのは正直楽しいものではありませんでしたが、作品としてはそれなりの評価は出来ると思いました。それにしても恩地さんは、社内的には正義を通したヒーローなのかもしれませんが、所詮彼自身が親方日の丸の1社員でしかないなあ、というのが率直なところです。カラチやテヘランがまるで流刑地のように描かれていましたが、あれでは、今でも企業の駐在員事務所で必死に働いている人たちが救われませんね私自身海外駐在歴7年半、中近東などにも長期出張しましたし、同僚で現地の紛争などに巻き込まれた人間も多くいます。でも赴任した土地でがんばって働いていたんですよね。 【キムリン】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2011-02-17 17:56:31) |
《改行表示》60.《ネタバレ》 冒頭のジャンボ機墜落シーンはさすがにインパクトがあったが、国航労組の「期末手当4.2カ月分」との要求には高度経済成長時代のこととはいえ少し引いたし、恩地が仲間のためとか安全のためとか熱く語っても、その点についてはあまり共感できなかった。 それにしても、チョイ役に至るまで有名な俳優を起用しており、海外ロケも含めて相当金かけてる感ありますけど、ヘボなCGも含めて効果が薄い。 さらに、CM入りのテレビ放映はこの手の作品にはマイナス効果しかない。 原作は未読だが、破綻した某航空会社の必然的な腐敗とそれに翻弄されたサラリーマンおよびその家族を描いた映画としては、いささか冗長すぎた感が否めなかった。 ただ「アウトレイジ」にもつながる三浦友和のシブい演技は見所だった。 【田吾作】さん [地上波(邦画)] 5点(2011-02-14 10:39:10) |