近松物語のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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近松物語

[チカマツモノガタリ]
1954年上映時間:100分
平均点:8.16 / 10(Review 56人) (点数分布表示)
公開開始日(1954-11-23)
ドラマラブストーリー時代劇モノクロ映画戯曲(舞台劇)の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-11-26)【イニシャルK】さん
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監督溝口健二
助監督田中徳三
キャスト長谷川一夫(男優)茂兵衛
香川京子(女優)おさん
南田洋子(女優)お玉
進藤英太郎(男優)以春
小沢栄(男優)助右衛門
菅井一郎(男優)源兵衛
田中春男(男優)道喜
石黒達也(男優)以三
浪花千栄子(女優)おこう
十朱久雄(男優)鞠小路侍従
荒木忍(男優)公卿の諸太夫
東良之助(男優)赤松梅龍
葛木香一(男優)僧侶
水野浩(男優)黒木大納言
天野一郎(男優)検校
橘公子(女優)お蝶
金剛麗子(女優)船宿の女中
小松みどり(1891年生まれ)(女優)茶店の老婆
小林加奈枝(女優)おたつ
仲上小夜子(女優)おその
小柳圭子(女優)おかや
伊達三郎(男優)堅田の役人
石原須磨男(男優)宿の番頭
横山文彦(男優)庄屋
藤川準(男優)村役人
玉置一恵(男優)梅垣重四郎
岩田正(男優)忠七
芝田総二(男優)職人
菊野昌代士(男優)講中の人
福井隆次(男優)伏見の役人
大国八郎(男優)
三浦志郎(男優)手代
沖時男(男優)
滝川潔(男優)
大崎史郎(男優)栗売り
三上哲[男優](男優)若い職人
谷洋子(女優)
原作近松門左衛門「大経師昔暦」
川口松太郎「おさん茂兵衛」(劇化)
脚本依田義賢
音楽早坂文雄
望月太明吉(和楽)
撮影宮川一夫
製作永田雅一
大映(京都撮影所)
企画辻久一
配給大映
美術水谷浩
内藤昭(美術助手)
ヘアメイク花井りつ(結髪)
編集菅沼完二
録音大谷巖
照明岡本健一[照明]
古谷賢次(照明助手)
その他マーティン・スコセッシ(4Kデジタル修復版)
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56.《ネタバレ》 溝口の中で一番好きな作品。香川京子良し。美術良し。全編の関西弁良し。そして、音楽良し。
にけさん [映画館(邦画)] 10点(2019-01-05 21:12:49)
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55.《ネタバレ》 粗暴な人間なんで、大勢の人が有り難がっていてもつまらないものはつまらないと言ってしまう。 とにかく主人公が馬鹿だなあと。 手形?の偽造をやるんなら、誰が見るかわからない店先は避けましょうよ。隠れてするくらいの配慮は欲しい。 というか、そんな自分の人生棒にふるくらいの犯罪を、ごくごく気軽に行ってしまう軽薄さ。しかもやたら店への忠義を口にする人間が。 あそこは、いかに主人を説得するか相談にのるぐらいが、ベストだらと。 あんな糞みたいな兄弟のせいで二人の真面目に生きてきた人間の人生が終了するのもむなしい。 逃亡するにしても、自分の実家はない、それは絶対ない、なぜ手が回ってると普通に思わないのか。 あげくが、実家の小屋で追手が来るまで眠りこけるボケ具合にはおいおいと笑ってしまいましたよ。  女も馬鹿だな。大店の嫁が、旦那が下女に手をだしたぐらいで、いきなりヒステリー起こすなよ。別に旦那の事、好きでもなくいやいや夫婦やってるんだからさ 女中と入れ替わって寝床に入り、旦那をとっちめようという発想の貧しさ、幼稚さ。 で誤解されたら、そのままでは不義扱いされてるのわかりきってて店を飛び出してしまうというぷっつんぶり。  ストーリーもかなりご都合主義。 これは自分の誤解かもしれないが、途中までは二人の指名書が出回って二人で追い回されてるのが、いつのまにか男一人追い回されてることに。 捕まえられた主人公は、そりゃお上に渡されるだろというこちらの想像を裏切って、実家の小屋に父親だけを見張りに放置、そりゃあ逃げるわ。 で、逃げたら無事につかまることもなく女の実家に。でそこまで無事だったのに女と一緒に逃げた途端つかまる。  さんざん貶したが、女優は美しく撮れていた。とくにヒロイン、最初の頃は、剃った眉、お歯黒にちょっとひいて糞リアリティもいいかげんにしろよと思ったが、 逃亡しててだんだん眉が生えてくるにつれて愛らしく。特に引き回しの時の表情とかたまらなかった。 南田洋子の女中も可愛らしかったな。
rhforeverさん [映画館(邦画)] 6点(2018-11-03 19:58:40)
54.近松の心中ものかと思って観ていたが心中はなかった。期待というか予想とは違ったが、美しい川辺のシーンでお互いの思いを確認し合いともに生きていく決心をするシーンはとても気に入った場面だ。最終的には悲劇となるのだが、映像の美しさ、仕草の美しさ、そして女性の美しさ!が印象に残る作品であった。好み25/50、演出12/15、脚本8/15、演技8/10、技術8/10、合計61/100→6/10点
chachaboneさん [DVD(邦画)] 6点(2017-03-15 23:00:19)
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53.近松門左衛門に井原西鶴を取り入れ、さらに脚本家の依田義賢の独創を加えて作り上げられた、非常に緊密な脚本。 驚くべきは、その緊密な脚本を芸術にまで押し上げた溝口健二の腕前。  映画に芸術という言葉が当てはまるなら、まさにこの映画がそれでしょう。 溝口映画にしては晦渋さがなく非常に口当たりがよい。 溝口映画初心者にはうってつけの作品といえそうだが、それにもかかわらず、芸術的な完成度はとてつもなく高い。  問題なく10点と言いたいところだが・・・・・これを他の監督が撮ったなら何の問題もなく10点でしょう。 でも、溝口映画としてみたら、非常に天の邪鬼な言い方になるかもしれないが、きれいすぎる。 「祇園の姉妹」や「西鶴一代女」のように、荒削りだろうがなんだろうが破綻もかまわずぐいぐい突き詰めて行くような、溝口独特の気迫と言うか執念がやや薄い。 きれいすぎるというただその一点のために、大溝口に敬意を表して、10点に限りなく近い、辛口の9点。
kinksさん [映画館(邦画)] 9点(2016-11-20 23:39:18)
52.《ネタバレ》 このレベルの古典を理解するには、時代背景、当時の考え方等を知らないと難しいと思う。アメリカ人に忠臣蔵の面白さを理解させるのが難しいのと同じでしょう。少なくとも歌舞伎を観れるくらいの知識がほしいところ。今の邦画ドラマと違って、演出に全くの無駄がないところは、逆に現在の英米映画に近いのではと感じた。でも、真っ当な生き方が不幸になるストーリーって、面白くない。世の中は無情っていうことを受入れよってことか?
cogitoさん [DVD(字幕)] 7点(2016-08-20 17:46:05)
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51.《ネタバレ》  溝口健二監督作を幾つか観賞し終え「この人の映画って、登場人物が不幸になる話ばかりだなぁ……」という偏見を抱いていた自分を、痛快なまでに打ち倒してくれた一品ですね。   あらすじとしては、不義密通の濡れ衣を着せられた男女が、望まぬ逃避行を強いられる話になるのだと思います。  しかし、その過程で本当に愛情が芽生えてしまい、周囲の迷惑すらも顧みずに互いを求め合うようになるという、純粋極まる恋物語へと、鮮やかに変貌を遂げてくれるのです。  最後には「処刑場に連行される二人」という、悲壮感漂う場面になるのですが、そこには「逃亡の苦しみから解放された幸せ」「これで二人が引き裂かれる事は二度と無いという確信」といった感情も描かれており、不思議と後味は爽やか。  背中合わせに縛られた男女が、固く手を繋ぎ合い、満足気に笑みを浮かべる姿は、忘れ難い印象を与えてくれました。   なお、元ネタとなった「大経師昔暦」においては、主役の男女二人は死んでいません。  処刑の寸前、助けが入ってハッピーエンドを迎える事になっています。   それを「ほんまに、これから死なはんのやろか?」という呟き一つで、生存の可能性を示すだけで済ませてしまうのは、如何にも溝口監督らしく思えましたね。  「悲惨美」「芸術的な悲劇」を好む感性がそうさせた可能性もありますが、自分としては「殺されるのを承知の上で、愛を貫き通した二人の覚悟」こそが大事なのであり、この後に二人が死ぬか生きるかなんてのは、些細な事なんだ……というメッセージなのだと解釈した次第。   勿論、個人的好みとしては、二人はあのまま殺されてしまうのではなく、原作同様に危機一髪で助かったのだと思いたいところですね。  共に死ねる喜びではなく、共に生きる喜びを分かち合って、幸せな夫婦となって欲しいものです。
ゆきさん [DVD(邦画)] 7点(2016-08-04 10:47:22)
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50.《ネタバレ》 おさんという一人の女のことを思う。人生の九割方を不憫に生きた人だなと思った。嫁ぎ先のみならず、実家の兄や母親ですら彼女の苦労を慮ってやらない連中ばかりだ。当時の風潮だからか「女は耐えるもの」と刷り込まれていたかのような おさん。けれど、自分を真に想ってくれた男の出現で、これまで眠っていた激情が人生の最後で噴出したかのよう。 疲弊するばかりの逃避行に一旦決着がついても、夫が(世間体の手前)許すと言っても、以前までの平穏だが理不尽な我慢人生を拒否して公開処刑へと突き進む彼女。その横顔たるや、うっすらと微笑みすら浮かべて凄絶ですらある。だんだんと瞳に狂気が宿ってゆく香川京子の演技は怖いほど。自らの人生に復讐をしているようにも思えた。
tottokoさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-08-03 00:25:21)(良:2票)
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49.《ネタバレ》 話は面白く映像は美しく役者は魅力的です。  主役の2人が登場人物達の波のように幾重にも重なった利己的な思惑に翻弄されながら話は進んでいきますが、お互いの愛を確認した所から利他的な行動を取っていた2人も徐々に自分達の幸せの為に周りが見えなくなりお互いを求め合うようになる話は、作中の時代と制作された時代の両方を考慮しているようで村社会から個人主義への変貌を表しているようにも見れます。 話自体も非常に良く出来ていますしストーリーの展開も俊逸です。 近松門左衛門の原作では2人はかなり強引な展開により助かってしまいますが脚色されている本作の流れから言えば、あのラストがベストだと思います。  茂兵衛とおさんが川を渡るシーンではフレームの右手前に朽木を配してそれを舐めるように2人が右奥から左手前に抜けていきます。 構図の良さは勿論ですが川を渡る2人とシルエットになっている山とそれより幾分明るい空の実像と、カメラアングルをローポジションにしている為にそれらをはっきりと映している水面とで上下でほぼシンメトリーとなっている画にわざとバランスを崩すように上記した朽木が配置されているカットは美し過ぎます。 2人が川を渡るだけでこんなにも美しい映像を堪能させて貰えるとは贅沢過ぎる作品です。 また、以三と助右衛門が障子と柱の後ろや前を見え隠れしながら行ったり来たりして密談している姿は、以三の腹黒さをまだ掴みきれていない助右衛門の不安な心境を表す十分な効果となっています。 そしてこの映像や構図の美しさを支えているのが的確なバランスで作られているライティングです。 ほぼ全てのシーンで違和感なく仕上げられている映像はこの照明に起因している所も大きいと思います。  南田さんの快活さと香川さんの品から色に変わっていく女性の演技はとても魅力的でした。 特に香川さんに関しては全編通して美しいの一言です。 長谷川さんの事はなんとなくは知っていましたが作品を見るのは初めてだと思います。 主役を貼れる人だとは物凄く良く分かりましたが職人さんには見えませんでした。 存在感が有り過ぎるのと演技としての所作が堂に入り過ぎている感じがしましたが、演出を少しだけ歌舞伎風にしているのでギリギリ作品には馴染めていたと思います。  ラストの馬上の2人の表情は見ている女中に台詞として説明させるのではなく、彼等の尺をもう少し長目にして表情を丁寧に撮る事によって2人の演技で語って欲しかったです。
しってるねこのちさん [CS・衛星(邦画)] 9点(2015-06-30 23:13:41)(良:1票)
48.《ネタバレ》 えっと、そんなに面白いと思わなかったのですが・・・周りの人は何かごちゃごちゃしていて、立ち位置がはっきりしない。肝心の二人も、禁忌をひっくり返そうというほどの情念や葛藤や緊迫感が感じられない(シナリオに即して動いているだけ)。最後の晒し連行シーンがなければ、まったく引き締まらないことになるところでした。
Oliasさん [CS・衛星(邦画)] 4点(2015-05-29 23:47:26)(良:1票)
47.溝口作品5本目の鑑賞ですが一番よかったです。原作未読ですが、ストーリーの面白さに引き込まれるだけでなく、当時の社会規範、身分制度、生活様式、人々の価値観がリアルに伝わってきます。製作年代も古く時代背景は江戸時代ですが、共感度が高かったのかとても身近に感じられる映画です。
ProPaceさん [CS・衛星(邦画)] 9点(2015-05-23 16:28:04)
46.○死がエロティシズムを昇華させる。 ○刑死とは言え、これはあきらかに心中。まさしくチカマツ。
火蛾さん [DVD(邦画)] 10点(2015-04-26 09:49:18)(良:1票)
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45.《ネタバレ》 太鼓の連打で始まる冒頭、店先の混沌から始まる物語。それぞれの仕事に打ち込む男女、劇中人物にとって変わらない日常の風景。それが金をめぐり周辺人物を巻き込みんで人々の運命を狂わせていく。 京都御所の絵巻を任されるほどの大経師である以春。御所との違法な取引、若妻をはべらせ女中にまで手を出す。女の胸元ではなく袖の方から手を入れるエロ親父。 その以春に半ば強引な形で妻にされた女性おさん。 以春に次ぐ発言権を持つ彼女だが好きでもない男に芽生える筈も無い愛情、自分を嫁に出した家族への複雑な気持ちで満たされぬ日々。 うら若き彼女は以春の下で働く絵師である茂兵衛の若さに惹かれる。その茂兵衛は既にお玉という女性と婚約を誓う仲。 お玉と親しい間柄でもある彼女は二人を見守ろうと思いつつもどかしさに悶える。 中盤の逃走劇、逃げ出した後を物語る扉、闇夜の水面に浮かぶ船の中で激しく抱き合う二人。一度は覚悟した“死”を引き止める“言葉”。 「愛しています」・・・普通ならどうとない言葉、だが自分を立場でなく一人の人間として尽くす心を理解した女にとって何物にも代え難い生きた言葉となる。死ぬのは嫌だ生きていたいと揺れる船の上で激しく抱き合う二人。 「今更何をおっしゃいます」っておまえが「好き」だなんて言うからだろうがまったく。二人は絆を深めるように幾度となく抱き合う。髪を乱し、愛故に逃げる男を愛故に声をあげ追いかける女。心臓の鼓動の如く轟く太鼓。 だが愛していた筈の男からその言葉を聞けなかった女はただただ辛い。残され生きながらえるよりいっそ一緒に心中しようと言われた方がどんなに気が楽だったろう。 逃げた男の父親・女の母親も相当辛い。そんな二人を怒りながらも助けてしまう親心。だが逃げる男女二人も本気だ。 「もう“奉公人”やない!あたしの“旦那”さんや」 終盤の怒涛の追い込み、愛する女のために戻ってくる男、どうせ捕まるならテメエも道連れだ以春。冒頭の栄え具合と終盤の落ちぶれ振りの対比。 ラストで手を繋ぎ、幸せそうな顔で“あの場所”に向かう二人。どんな形であれ一緒に結ばれた事に満足した顔。本当は悲しいはずなんだが、この場面からは充足感が伝わって来る。上から罪人を見るように映されるロングショットは街の人々の視点、下から哀しき恋人たちを映すロングショットは店の仲間たちの視線。
すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 10点(2015-01-16 22:06:57)(良:1票)
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44.《ネタバレ》 日本人なら一度は観ておきたい古典的名作。 ……とはいうものの、愛の逃避行という限りなく女性向けの題材に共感するには、男性の自分には少々難しいところ。 およそ一般の町人と思えない歌舞伎顔の(公開当時の女性たちを虜にしたであろう顔立ちの)主人公にも、一抹の違和感がある。 時代考証の細やかさ、リアリティのある江戸の生活感には感嘆したが、それは本筋とはあまり関係がないだろう。 今も昔も、エンタメ作品というのは自分には合わないものなのかな、と考え込んでしまった。
ポン酢太郎さん [DVD(邦画)] 4点(2014-12-21 17:43:55)
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43.《ネタバレ》 溝口健二監督作品後期傑作群の頂点ではないでしょうか。 自分はモノクロスタンダードの邦画ではこれがナンバーワンだと思っています。展開、シチュエーションの面白さ、香川京子さんを始め、浪花千栄子さん田中春男さん菅井一郎さんといった役者陣の鉄壁の演技、建物のさりげない美術へのこだわり、全部最高、素晴らしいです。 ちなみに「新・平家物語」も10点献上していますが、あれは美術、風俗考証、監督の波動(謎)など10点中15点の要素があってドラマ自体は6点くらいかなと考え平均して10点にしたのですが、こちらは真っ直ぐに全てが素晴らしい傑作ですので文句なく10点です。
大経師さん [映画館(邦画)] 10点(2014-10-18 14:19:20)
42.絶賛されるほどのものではない。
aimihcimuimさん [DVD(邦画)] 4点(2014-09-12 01:08:57)
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41.《ネタバレ》 お話そのものを面白いと思わない人はそうそういないのではないでしょうか。儚くて美しく、最後には散る綺麗な話です。 私は、登場人物の感情の起伏がとてもいいバランスだと思いました。茂兵衛とおさんは中盤まで愛情を隠し続け、大爆発してからはその火の勢いとどまるところを知りません。真っ赤な炎から真っ黒な煙がたっている不完全燃焼状態から、最後にはガスコンロの青い炎、完全燃焼へと至るこの流れ。肝心なところは見せずに、二人の落ち着いた表情だけでどのようなやりとりがあったのかわかる素晴らしい表現だと思います。 群像劇としてもとても優れています。各々のエゴがこれでもかと炸裂する様はなんと惨めなことか。自分の子供を役人に突き出す二組の親の表情の違いが本当に恐ろしくて、惨めでした。  溝口の映画を見るたびに俺は溝口が好きなんだなあと実感させられます。雨月物語にあった、宮川一夫によるびっくりするような撮影はありませんでしたが、本当に大好きな映画です。
カニばさみさん [DVD(邦画)] 9点(2014-04-17 18:21:51)
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40.《ネタバレ》 とにかく逃避行中のおさんが気持ちを爆発させる姿が熱すぎる! 船上で1度は死をためらったおさんが、最後には死を受け入れている様。茂兵衛といた数日は、それまでの日々よりはるかに濃密で幸福だったことがよく伝わりました。 普遍的な愛の表現と、その時代の背景の切なさが交差して、味わい深い情緒を醸し出していると思います。 でも現代に生きる者としては、あの結末をハッピーエンドとは言いたくない気もしますね。
さわきさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-04-14 02:11:16)
39.《ネタバレ》 溝口健二ってシャープですねぇ。この人の映画は、始まると何やら心地よい緊張感に包まれて、あれよあれよと話がすすんで、一気にさわやかな悲劇に連れてこられてしまう。映画って本来、このような心地よい緊張感を観客と共有するのが普通だったんだよね。今の映画はオープニングから見せ場があるから、襟を正して鑑賞する、なんてことなくなったもんね。
トントさん [DVD(邦画)] 8点(2013-04-10 08:59:06)
38.初めて観た時は、主人公2人の逃避行ばかりに目が行っていました。久々に観てみると、周りの人たちの人間ドラマにも目が行くようになりましたね。独りよがりで保身ばかりの奴も入れば、「あんたたちの気持ちはよう分かる」と言いつつも密告する奴もいる。自分の都合のいいように事実をねじ曲げ地位を得ようとする奴もいる。茂兵衛と父親とのエピソードは一番好きです。映画の中では登場しない母親は???などと想像もしてしまいます。いろんな登場人物がいるけれど、彼らは彼らで当時の社会の中でなんとか生きていこうとしてたんだろうな。だからこそ2人のラブストーリーが引き立つんでしょうね。下手なラブストーリーだと、主人公2人だけで盛り上がって、脇役は主人公を邪魔するだけ、みたいな作品もあるしね。そんな簡単にも割り切れられない、群像劇としても面白い映画です。
ゆうろうさん [DVD(邦画)] 7点(2013-02-06 17:35:24)
《改行表示》
37.《ネタバレ》 こう言うのも何ですが、日本にもシェイクスピアに比肩するような悲劇があったことは欣快。ちょっとした間違いから、坂を転がるように事態が悪くなっていくさまは、悲劇の王道です。ただ、通常の悲劇は前提として恋愛があって始まるのですが、これは話の進行とともに愛が結ばれていくのが珍しい。まあ、お玉の茂兵衛への想いとかもあるわけですが。後半のおさん茂兵衛には、抑えていたものが一気にあふれ出す激しさがあります。大経師の悪役ぶりと、凋落する展開もすばらしい。構図がどうこうとかいう難しいことはわかりませんし、特に美しいとも思わなかったのですが、不要なものをそぎ落としたかのようなシンプルな画面はよかったと思います。 ラスト、馬上のおさんがほほえんでいたように見えたのですが、見間違いではないですよね?……
アングロファイルさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-08-07 20:37:02)
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【点数情報】

Review人数 56人
平均点数 8.16点
000.00%
100.00%
200.00%
311.79%
435.36%
500.00%
635.36%
71017.86%
81221.43%
91221.43%
101526.79%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.33点 Review3人
2 ストーリー評価 8.00点 Review5人
3 鑑賞後の後味 9.25点 Review4人
4 音楽評価 9.33点 Review3人
5 感泣評価 8.75点 Review4人
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