27.《ネタバレ》 周防監督作品だしもう少しコミカルなのかなぁ・・・と思っていきました。ところが、まるでリアル・・・主人公の加瀬亮くんにどんどん感情移入して、まるで一緒に身内の気分で、裁判に参加してるようでした。疲れましたぁ・・・でも、面白かった・・・色んな意味で。認めちゃえば、少しのお金で誰にも知られずに、事が済む・・・まったく日本の裁判制度の矛盾点とか、考えさせられました。監督は相当裁判所に通ったそうですね。さすがです。 さて、加瀬くんは硫黄島からの手紙でもいい味出してたし、と~っても素敵な役者さんですね。瀬戸朝香は、美人だけど、演技は今イチ(笑)そう思うと、小日向さんと役所さんは、やっぱり上手です。 【らふらんす】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-03-02 07:49:36) |
26.見入った。男性なら誰にでも起こりうる悲劇。これで、痴漢が減るか、強気になって増えるのかどっちだろう。それにしても、否認を続けたら反省の余地がないとみなされるなんて、どうしようもありませんな。裁判所も信じられないならほんと、何を信じればいいんだろう。信じられるのは自分だけ?でもそれでやっていけるわけないし。冤罪なんて全くのとばっちりだぜ。なんか世の中なげやりになっちゃうなー。と悲観的になってしまう映画。でも現実になったらほんと、どうすればいんだろう。。身内に起こったら・・・ 【Michael.K】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-02-25 00:16:50) |
25.面白いです。裁判のシーンになると劇場内の私を含めた観衆が、真剣に静かに映画に没頭している様子に感動を覚えました。本当に深く考えさせられる映画でした。出てくる俳優一人一人の個性や演技が際立っており、昨今好調と言われる邦画の中でも一際高い完成度を誇っています。とにかくいろんな人に勧めてみたくなる作品です。こういう映画に出合うと映画好きとしては嬉しくなります。が、長編映画で150分と非常に長く、見ていて若干緊張感が無くなってしまう時間帯があったのも事実。内容を考えると私でも150分という尺度を感じさせない作品なのですが、もう少し削っても良かったのではないのでは?と感じる箇所がいくつかありました。この為、1点マイナスで9点にしましたが、ほぼ10点満点に近い極めて高い完成度の映画である事は間違いありません。 【はむじん】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-02-14 03:06:40) |
24.日本の司法制度の根本的で深刻な「問題」。そしてその弊害は、決してテレビ報道の中だけではなく、普通に生きている市民全般に対し、突如としてふりかかるということをこの映画は物語る。 徹底したリアリティをもって描かれる「実情」は、怒りと愚かさを覚えると同時に、映画としての力強さに溢れている。 極力映画的な演出を廃し、「現実」を淡々と描き連ねることで、逆に興味を引き付けひとつの娯楽性をも生み出していると思う。150分という長尺でありながらその長さをほとんど感じさせなかった。 タイトルの通り、主人公は最初から最後まで「ボクはやってない」と訴え続ける。この映画がすごいのは、単に冤罪に陥りかけている主人公の奮闘を描いているのではなく、その主人公を含んだ群像が愚かしい司法制度の間で様々に葛藤する様を徹底して俯瞰的に描いていることだ。そのことが、実情を実情としてありありと映し出すことに成功した要因だと思う。 若くしてすでに日本映画界におけるバイプレーヤーの地位を確立している加瀬亮の初単独主演映画ということも、昔から彼の存在感を認識していた僕にとっては感慨深かった。この映画の主役は彼以外には考えられないだろう、というくらいに適役だったと思う。 この映画を観た事による認識が、少しでもこの国の社会の是正に繋がればと思う。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-02-10 21:38:18) |
23.「松川事件」「帝銀事件/死刑囚」「証人の椅子」等、40年以上前の冤罪告発映画の題材と比べれば、執行猶予付き懲役3ヶ月程度の「微罪」ではありますが、描かれてる内容はそれらの映画とほとんど違わない。日本の司法制度、と言うより司法レベルは、数々の冤罪を反省しながら全く進歩していないことに背筋が寒くなる。当然、「日本の黒い夏/冤罪」みたいな映画を生む土壌があった訳です。予断と自白強要だけで進められる警察の捜査、証拠を吟味することなく犯人を作り上げていく検察、そして国家権力におもねり、疑わしきは平気で罰していく裁判官…。近年に無い社会派の秀作で(この映画でもフジテレビが出資してることに文句を言う人がいるんだろうか?)、前述した作品群以上にセンスを感じさせる出来栄えでしたが、長さは感じなかったものの、余りにも淡々とした演出が個人的にはマイナス。もう少し「装飾」してくれても良かったと思います、7点献上。 【sayzin】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-02-09 00:04:24) |
22.《ネタバレ》 痴漢と痴漢冤罪の問題。企画会議ででボツになりそうなところよくここまで作品にしたなあと思う。とりあげた問題があまりにも身近で具体的で大きくて「さてこれどうしますか?」とスクリーンの向こうから突きつけてくる。映画ではラストのモノローグで被告の冤罪が観客にだけ示されるがリアル社会にモノローグはない。 【stratos】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-02-08 01:31:45) |
21.こんな理不尽なことがあっていいものかと思った。加瀬亮演じる主人公が弱弱しくてこんな事件に巻き込まれて本当にかわいそうに思えてくる。終始漂う緊迫感と登場人物達の真に迫った演技はドキュメンタリーを見ているかのようで見応えがあった。現在の裁判制度の流れを詳しく知るという意味でも為になる映画だと思う。 【ヴレア】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-02-04 22:54:28) |
20.周防監督といえばシャルウィーダンス・シコふんじゃった等々 コメディちっくな作品が多いですが、この作品は本当ににとことん社会派です。 「とことん社会派」というキャッチフレーズがあったのでガチガチに堅い話かと思っていましたが、周防作品に多い個性的なキャラクターを登場させて社会的問題を取り扱った作品なのに見ていて疲れません。 そして「痴漢犯罪」という身近な事件を問題にし、日本の社会の暗い部分を描くことで、見ている途中で「見なければならない」といった義務感を感じました。 そして俳優の演技も素晴らしいです。まず主役の加瀬亮が上手いです。 そして役所広司・竹中直人・小日向文世といった周防監督作品に出ている演技派俳優を使い、脇もガチガチに固めています。 これは日本国民全員に見て欲しい映画です。 【チャカミソン】さん [映画館(邦画)] 10点(2007-02-03 20:19:06) |
19.《ネタバレ》 良く出来た映画だと思う。最初から最後までスクリーンから目を離させない力がある。感情移入できる方は、映画が終わった後しばらく立ち上がれないのではないだろうか。いつもは少しざわついている映画館も、この作品では最初から最後まで見事に「シーーーーーーン」という感じで、エンドロールが終わるまで誰も席を立とうとさえしなかった。 人間として社会生活を送っている以上、立場と理想と現実と真実と嘘が交錯し、それにきりきり舞いさせられることは受け入れるしかないが、その無常感のようなものまで映画のなかに空気としてとりこんでいて、いろんな意味で身につまされる。基本的に登場人物はみなある意味「いい人」なのに。 ひとつ気になったのは、後半の裁判官は被害者の姿を見てないはずなのに、なぜあの「○リコンオヤジがいたいけな少女に肩入れ」的な発言になったのか。 裁判官(前半)から裁判官(後半)への申し送りドキュメントにそこまで書いてあったのかな?。最初は被害者の女の子が、冤罪に気づいていながら押し通そうとするストーリーだと想像してたけど、どうも悪気は無い設定なのかな。あれは。「それでも私は触られた」的な視点、「実は俺(左のデブ)が触ってた」的な視点が見てみたいと思った。しょーもないスピンアウト映画を量産するよりも。ね、亀山さん。 【ジェフゆないてっど】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-02-03 00:46:23) |
18.《ネタバレ》 物凄く良く出来てた。正直このタイトルと日本の裁判制度に疑問を投げかけてるって聞いた時点で裁判の結論は分かってたけど、それにしても歯がゆかった!なんだこの判決!!って思った。この映画が本当だとしたら、有罪を受けるその過程と言ったら酷いもの。この映画によって少しでも多くの人が‘裁判=なんか難しいもの’に目を向けてくれれば本当にいいんじゃないかな。見てる間自分も次の尋問を考えてみたり、傍聴席にいる気分になったり、最後は主人公と同じ、証言台に立たされてる気分にもなって、物凄くのめりこんで見られる映画だった。名言も多かったと思う。とにかく良く出来た映画。面白かった!・・にしても、裁判物の映画ってなんか大概面白いね。 【ネフェルタリ】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-02-01 04:50:26) |
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17.《ネタバレ》 一人でも多くの日本人に観て欲しい作品。明日は我が身とはよく言ったもんですが、それだけではなく、近い将来始まる裁判員制度の為にも観るべき映画。裁判官によって判断が変わることや、無罪判決の持つ意味や裁判所の内情もわかり易く描いてます。そしてこの映画を一方的な角度からではなく、冷静に判断して欲しいと思います。この映画は主人公が「やってない」という前提で語られています。何故ならば、わたしたちは所謂「神様」の立場で主人公の内面が語られているのを見てるから。しかし本当に裁判員に選ばれたとしたら、わたしたちは客観的に判断しなくてはなりません。どちらが勘違いや嘘を言っているのかを見極め、どこまで情に流されず真摯に受け止められるのか、そして最初の裁判官のように、冷静に疑問点や矛盾点などを突くことができるのか?裁判官ですら間違いを犯すというのに、果たして本当に間違いない判断を下せるのか?本当に考えさせられます。キャストも皆はまり役ですが、中でも正名僕蔵さん演じる裁判官は本物にしか思えない、素晴らしい演技。他にも細やかな描写も違和感なく描かれており、監督が時間を掛けて調べたというだけのことはあります。例えば、裁判を少しでも有利にするために友人がたくさん人を連れてきたところで、主人公が違和感を持たないでスルーなどしていたら台無しでした。この立場ならこう思うだろう、ということをきちんとやってくれました。時間の長さは気になりませんでした。完成度の高い映画です。 【チャコ】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-01-31 11:43:41) |
16.《ネタバレ》 面白かった、とはとても言えない。なんたってこの後味の悪さは何?やってもいない犯罪で罰を受けなきゃいけないなんて・・・日本の裁判には問題があると、何となく知っていたとしても、それなりのショックを受けるでしょう。もし自分がこの主人公の立場ならこのように戦えるかなぁ・・・その前に耐えられるか?誰か助けてくれるんか?ココにはかけないようなメチャメチャな行動に出ちゃうかも。いや、そんな勇気も無いか・・・。最初に書いたがこの映画、ぼくはとても面白い作品とは言えない。でも見る価値、語る価値は十分ある映画だと思う。今はとにかく出来るだけ多くの方がこの映画を観て、いろいろ考えていただくことを願うばかりである。 【カズゥー柔術】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-01-30 01:21:39) |
15.《ネタバレ》 【裁判は真実を明らかにする場所ではない。裁判は被告人が有罪であるか、無罪であるかを集められた証拠で取り敢えず判断する場所に過ぎないのだ。】怖いですね。疑わしきは罰せずではなく、疑わしきは有罪ってのが前提になってる現状は変えていかないと冤罪は無くなりませんね。まぁでもやってる人には今以上の罰則を設けないと舐められてますよ、今の日本は。法を制定した時には想定出来ない事件だらけでしょ。特に少年法。ちょっと脱線。 【ロカホリ】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-01-29 23:03:56) |
14.主演男優より有名な周防正行の久しぶりの作品。 見終わってこれからも周防監督には1本1本丁寧に 作品を作り続けてもらいたいと思いました。そう思わせるいい作品です。 エンドロールが流れると、普通バラバラと客が席を立つところが、この映画の後では 私を含め他のお客さんも暫く席に座ったまま余韻に浸っていたようでした。 痴漢冤罪をテーマに拘留所、警察、検察官、裁判官、裁判マニア、 被害者、被告とその家族・友人をリズミカルに映し出しています。 言い方は悪いかもしれませんが、映画を見ているだけで いろんな角度から裁判にまつわる情報が入ってくる優れた教育映画のようでした。 後半の裁判シーンでの各役者の演技はよかったです。 感情的になる場面や、相手の嫌がるところを突いていく裁判のやりとりは 他の映画でもありますが、例えば被害者の中学生の問いかけに対する答えまでの微妙な間。普通の人なら一生に一回あるかないかの 裁判で答弁するという緊張感がリアルに伝わってきました。 減点ポイントは小太りのおせっかいな目撃者のキャラクター。 本田博太郎のオカマ役も竹中直人の変な管理人も前半はまだ笑えてよかったのですが、 リアルな裁判シーンが続く後半では、あざとく狙ったような 役作りは余計な演出に感じました。でもこのような映画は邦画の良心です。ぜひヒットして欲しいと思います。これからもがんばれ!周防監督。 【仏向】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-01-29 19:26:44) |
13.《ネタバレ》 ミラーマンも無実かもしれないと思わせる映画です。つい先だっても富山で婦女暴行の冤罪事件が発生し、警察から検察、裁判へと向かう制度そのものの欠点が見えてきた時期に、タイムリーですね。さて、この映画でもっとも感じた事は、登場人物全てが自分が一番正しいと感じ行動している。そんな環境で裁判官は有罪か無罪かを決めなければならず、もしも私が裁くとすれば、まずは容疑者が嘘をついていると疑ってしまう気がします。それ以上にこの映画を見て考えた事、それは裁判官になる上で経験したであろう国語の試験での「作者の主張するところ書け」という試験問題。よくよく考えればあれは「作者」ではなく、「問題作成者」の主張を探さなければならない。だって漱石や鴎外、芥川に答えを聞くことなどできないのですから。そのような試験を一般人以上に多く行ってきた裁判官が本来は「被告の主張を聞くべき裁判の場」において、設問に答えるかのごとく「問題作成者」たる検察の主張を無意識に汲み取ろうとしているのではないか?それがもしも正しければ、案外、裁判官自身は有罪判決を出す事を「自己保身」ではなく「本能」でしているのかもしれない。結局のところ、冤罪が裁判官の「本能」だとすれば司法制度を根本から変えない限り「疑わしきは罰せ」られていくのかもしれません。問題を提起する上でも、映画としても非常によいと思います。 【クルイベル】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-01-29 09:13:15) |
12.《ネタバレ》 そういうふうに作ってある映画だとは解っていても、観ていてイライラしっぱなし。憤りを何かにぶつけたくなり、ひじょ~にストレスが溜まりますね。娯楽になっておらず全く面白くなかったので、そういう意味では1点くらいなのですが、また別の役目を負った作品としては傑作だと思うのでこの点数で。 ところで、私は女ですが、常日頃「女性専用車両」だけではなく「男性専用車両」も作るべきだと思っています。この映画の影響で電車の乗車数が減ったら面白いですね(ある意味)。 【えむぁっ。】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-01-29 00:16:10) |
11.これが現実ならひどい話。一方的に犯人と決め付けて、人を人として扱わない警察のモノの言い方には本当に腹が立った。自分の身にふりかからないように電車乗るときは気を付けます。 【アーリー】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-01-27 22:28:56) |
10.これはひどい・・・とてもひどい話です。こんなことが本当に起こってるなら日本は早急に裁判制度を見直すべきです。最後の山本耕史の台詞に激しく同意。 【ヴィン】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-01-27 02:48:24) |
9.《ネタバレ》 日本の司法・裁判制度の問題点、なかなか世間の注目を浴びることの無い部分をこの映画が世間に多少なりとも知らしめた事は評価します。しかし、何ででしょう?妻子ある中年サラリーマンが主役の方が現実感があってよかったと思うのだが・・・それにこの主人公は本当に”やっていない”のか???”やっていない”という彼の証言を信じすぎるのもたいへん危険なことじゃないでしょうか?私は彼が本当は”やっていた”という目線でずっと見ていたんですが。。。彼の行動に疑われるような不審は動きがあまりにも多すぎる以上、疑われるのは当然、クロ判決を受けても致し方ない。少なくとも私は電車通勤時代、満員電車に乗る時は極力疑いを持たれる事がないように心掛けていたし、疑われたくなければそれぐらい注意深く行動すべき。またこの映画を観た一部の悪意を持った人間による”痴漢恐喝”が増えやしないか、とても気がかりです。 【亜流派 十五郎】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-01-26 21:13:58) |
8.《ネタバレ》 やはり周防監督は只者では無い。正直、ずっとコメディを待っていたはずが、まったく違う分野でまざまざと力量を見せつけられた。目撃者の存在とその女性が見つかる過程に安直さを感じさせたが、でもそれをわざと利用しないところを逆に評価したい。設定に手抜きが無く、丹念に調べ尽くされ、近い将来に始まる陪審員制度に対してもある意味影響を与えるだろう。蛇足ながらあの最初の裁判長は俳優なのだろうか、妙な話、彼を見いだした時点で、法廷物としての完成度が揺るぎないこととなった。 |