135.時は乱世。野武士集団による略奪と襲撃が横行する戦国の世。巨匠黒澤明の手による一級品の演出はもちろんのこと、舌を巻くカメラワーク、絶妙なストーリーテリング、そして俳優達の魅力溢れる演技…等々、どれを取り上げても文句の付けようがない。その後、国内外の諸作品にどれほど多大な影響を及ぼしたかは、言うまでもないことでしょう。志村喬演じる首領的な役割である勘兵衛を軸に、七人の侍それぞれが個性的かつ魅力的に描かれており、その中でもお互い対極に位置する三船敏郎と宮口精二の侍像が抜群に素晴らしい。優れた演技力で独自のモノにまで昇華させている。物語は二部構成となっており、前半はややユーモラスな展開の中、七人の侍個々の出揃うシーンが見どころ。とりわけ志村喬演じる侍が、幼子を人質に捕った盗人を仕留める演出は見事の一言。具体的な場面を見せず、観客の想像力にまかせるところが凄いしセンスの違いを感じさせる。後半クライマックス、七人の侍率いる百姓達と野武士集団による一進一退の攻防の盛り上がる事といったら。雨降りしきる中、リアルで迫力満点な描写も言うことなし。つねづね思うわけですが、傑作が傑作たる所以は視点を変えて観る度に何らかの新たな発見があり、しかも飽きないということです。文句なしに10点満点。 【光りやまねこ】さん 10点(2004-02-25 23:27:06) (良:1票) |
134.七人の救世主が崩壊寸前の村を救う。それだけでワクワクしますね。単純な話ではあるが、そこは黒澤さんだけに普通には描いてません。だってこんな単純な話で3時間を超えるハズがないふつう。黒澤さんの作品(すべてを観たわけではないが)で思うのは明るさと暗さのバランス。それは照明の事ではなく陽気ではなく、陰気でもないバランス。どちらかに偏れば軽くなりすぎメッセージ性が損なわれ、どちらかに偏れば重くなりすぎ観終わったあと疲れる。またいつか見よっと。 【wish】さん 9点(2004-02-22 18:27:51) |
133.ストーリーが非常にわかりやすく、面白い。タダ、3時間半は私にとって少し長すぎた。最後の戦闘シーンのところで眠くなってしまった。一番の見せ所で眠くなるようでは、黒澤もたいしたことがないなと思った。それから、最近の映画を見慣れているので、戦闘シーンに迫力を感じなかった。みなさんCGに反対されているようですが、見比べるとやはりCGを使った映像の方が迫力がある。当時私が見たら9点をつけていただろうとは思います。でも、今の私にとっては8点です。 【インセイン】さん 8点(2004-02-16 20:22:05) |
132.面白かった。50年前の作品とは思えない。声が聞き取りづらいのが最大の難点だが、それもストーリーの素晴らしさでカバーできている。特に後半の出来は秀逸。序盤はもう少しテンポが欲しかったかもしれない。 【kazu】さん 8点(2004-02-14 03:38:11) |
131.この手の映画の基本となる映画。この映画が発表されてから現在に至るまで、相当の数の監督・演出家がこの映画を参考にしてると思う。 【Я】さん 9点(2004-02-13 06:14:59) |
130.《ネタバレ》 見る前から「これは面白い。本当に面白い」とさんざん絶賛の声を聞いていたし、幾つかのシーンは知っていたのに、ちゃんと最初から見てみたらさらに想像以上に面白かったので驚いた。お百姓さん達が結構好きです。左朴全さんが愛くるしい。 【HAR】さん 10点(2004-02-09 17:53:45) |
129.名作の呼び名は伊達じゃない。日本、いや世界映画史上屈指の名作。三船敏郎、宮口精二の演技は素晴らしい。合戦のシーンの凄い迫力は、今のCG慣れした目で見ると、本当の凄さが伝わらないんじゃないかと心配になる。この映画では百姓が本当に汚らしく見える。でも、自分に置き換えて考えれば非難できない。そんな気持ちをそのまま菊千代が叫んでくれた。台詞は聞き取り難いが、全ての台詞が生きている。 【むぎごはん】さん 10点(2004-02-04 22:58:25) |
128.この映画に満点つけないで、他に満点つけられるわけが無い! 【T-zen】さん 10点(2004-02-03 12:26:28) |
127.世界の黒澤世界の三船、あんたらサイコーです。 【ヒューマンガス】さん 9点(2004-01-24 13:42:50) |
126.宿場で志村喬を説得する人足、人の優しさに涙ぐむ。野武士を追いつめる村人の眼、「大衆」の心の持つ恐ろしさに恐怖する。人間は良くもあり悪くもある。計り知れない底知れぬ恐怖と全てを包み込む温かな優しさを兼ね備える。だからこその人である。ただの娯楽時代劇ではないこの凄みが、この映画の後味を爽快さだけに終わらせてくれない。 【紅蓮天国】さん 9点(2004-01-22 17:19:28) (良:1票) |
|
125.《ネタバレ》 この映画に出て来る百姓、というか村民の醜さ、汚らわしさと言ったら筆舌に尽くし難い程だ。冒頭で村民全員が項垂れてるシーンやら、敵が攻めこんできたという菊千代による嘘の知らせに村民が大袈裟に右往左往するシーンやら、志乃が父親に激しく追ったてられるシーン(2回もあった!)やら、菊千代の奇天烈な行動を面白がる村民の笑顔が一人一人大写しになるシーンやら・・・他にも幾つもあったが・・・もう見ていて不愉快極まりない。腹立たしい。侍達が実に生き生きと朗らかに描かれているのと比較すると、黒澤さんはもうこの村民を敵視してるとしか思えない。しかしそれでも「戦に勝ったのは俺達じゃない、百姓だ」。この点は、映像の迫力等々よりも非常に重要な点だと思う。 【仔豚】さん 7点(2004-01-22 08:59:46) (良:1票) |
124.僕としては「羅生門」の方が断然いいです。メジャーすぎる。 |
123. 個性ある7人であるとともに、組織を形成する上での、鑑でもあります。 50年間賞讃し続けられてきて、さらに今後50年間後世に受け継がれていくに違いありません。そうなると、1世紀に渡って日本映画界に君臨することになります。まさに神のような存在です。神を越える、または神に近づける日本映画が生まれることを期待しています。 【映画の味方】さん 10点(2004-01-12 23:13:20) |
|
121.先日十数年ぶりに再度観る事になりました。すごいと思わずにいられない迫力。昭和29年という戦後の復興もこれからと言う時期に、勝ったのは農民だと言い切る志村喬の言葉は、敗戦の焼け野原から復興していく日本そのままであったでしょう。ラストサムライでハリウッド化された日本のサムライ像と比較するのも野暮な話ですが、真のサムライはこの映画にあり!と今こそ語るべきではないでしょうか? 【クルイベル】さん 9点(2004-01-08 10:57:53) |
120.うかつに評価できない、超ナイーブ作品。この作品に影響を受けた監督、役者、作品は数知れずなワケで、それ以前をほとんど見ていないが為、率直な感評価でいくと、作品・ストーリーに7点、久蔵に1点、時代描画に1点。菊千代は狙ったキャラとしか思えないので±0。面白い頃の日本映画ってのはこんな作品がたくさんあったのだろうか、と思える一品。 【もた】さん 9点(2004-01-08 03:26:34) |
119.《ネタバレ》 久しぶりに、正月早々、観てしまいました。愚かな話ですが、これを見た後、この作品を基準に他の作品を見てしまうという、ほんとーに愚かに思考に走ってしまいます。百姓は、なぁんて見苦しいんだ!黒澤監督は、あったかい、とかでなくシビア-な眼で描いているなあと感じました。でも、信じてるんだなあ、とも思った。言葉足らずでお恥ずかしいのですが、人間を信じる監督の瞳を感じて、感動しました。長い!しかし、ほんとーに、日本人であることを誇れる、ありがた作品です。もう、志村喬さんが、かっこ良くって、中高年の、容姿に特筆すべきものがあまりない男性(三船さん除く)が主役の映画で、こんなにかっこ良いのって他にあるのでしょうか? 【きなこ餅】さん 10点(2004-01-03 20:31:55) (良:2票) |
118.以後、黒沢は結局これを超えることができなかったと思う。 映画の全てのエッセンスが詰まった作品。 絶対テレビの小画面でみて評価してはならない映画。 これこそ、シネマックスで大公開すべきだろう。 【うさぎ】さん 9点(2004-01-02 11:33:59) |
117.リアリティーはあったけど何せ長い。ビデオで見たが何故か途中で眠くなり何回かに分けてやっと見終わった作品。 【珈琲時間】さん 7点(2004-01-01 08:00:59) |
116.《ネタバレ》 見るまでは堅苦しい映画だと思っていましたが結局のところ村を救うために7人の侍を集めて守ってもらうという単純なシミュレーションゲームのような感じだったので非常に分かりやすく面白かったです.それにしてもこういう戦いものの映画で人を数人斬った刀はその脂で切れなくなるといった細部までこだわっている映画は少ないと思います.安っぽい時代劇とは違う,こだわりを感じさせる映画でした. 7人の侍の中では個人的に平八が好きですね.ですので死んだ時にはホントに泣きました. この平八役の千秋実さんは凄い好きになったのですが,最初に見たのがこの映画で良かったです.「隠し砦~」とかだとどうしようもない役ですもんね. |