24.自らの誕生日にスピードバックを返す。次の誕生日にはビジネスライクなマネージャーを贈られ拒む。母に贈った家は喜んでもらえない。このバランスの崩れたマギーの贈与に正当な光を与えるのがフランキー。アイルランドへの郷愁、自家製のレモンパイへのこだわりに窺えるフランキーのホームへの渇望は、妹といっしょに犬を笑い、父と遊んだ幼き頃へのマギーの思慕と重なり、美しく無償の愛が交換される。市民ケーン的な形式を踏んでいた「アビエイター」よりもこの映画が市民ケーン的に見えるのは、始終マギーの瞳に透過された薔薇のつぼみを我々は見てしまう、見えてしまうからではないだろうか。 【彦馬】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-06-03 13:26:46) (良:1票) |
23.《ネタバレ》 あまりに悲しいエンディング… 素晴らしい映画だと思います。でももう一度観ようという気にはなれない、今のとこ。本論から離れたところだけコメント入れます。マギー・フィッツジェラルドという名前、フランキーがイェイツに凝っていたことからアイルランド=ゲール語ネタに結びつくところは、他国人にはわかりにくいですね。なんで緑のリングコスチュームなのかってとこ含めて。冒頭の教会カソリックです、あそこが伏線で合衆国、イギリス諸島の観客は「なるほど」って解釈するはずですが、日本人にはねぇ。ダンという姓もアイルランド系なのかな? 脊椎損傷後の姿、クリストファー・リーブ思い出して余計に悲しくなり、とてもつらかった。息でコントロールできる車椅子に乗ったりしてたら大泣きしてたかも知れない。クリント・イーストウッドの老いてたるんだ肉体の存在感、ヒラリー・スワンクの眼力(めぢから)が演技に深みを加えててとてもとても心に残りました。スクラップが、フランキーの娘ケイティに書き送る手紙の内容として物語が進行していたとは、最後のシーンまで気がつかなかった。うまいっ。でも、DVD出ても観ないだろうなぁ。 【shintax】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-06-02 14:13:23) |
22.全く文句のつけようのない映画です。主演3人の演技は素晴らしいし、演出・カメラワークも最高。音楽も物語全体にうまくマッチしており、観ながらここまで引き込まれた映画は久しぶりです。が、話の内容があまりにも悲しすぎる。映画自体の出来がよく、ものすごく感情移入できるだけに観終えた後の落ち込みは半端なものではありません。身を切られるような映画でした。 【ふじも】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-06-02 12:24:37) (良:1票) |
21.《ネタバレ》 今回のアカデミー賞では、確かに他のノミネート作を圧倒する映画的完成度なのは間違いないし、万人にとって判り易い「名演技」を披露したジェイミー・フォックスがいなければ、主演男優賞も本作が獲得していたことでしょう(個人的には音楽賞もあげたい)。私は本作を「逃げ場所を失った人達」のドラマと見ました。マギーが何故フランキーの元に押しかけて来たのかは判りませんが、とにかくフランキーが彼女の最後の逃げ場所となった。失い続けの人生を送ってきたフランキーにとっても、彼女が最後の逃げ場所となる。二人とも逃げ続けて、行き着いた場所がお互いだったのです。しかし運命は、彼らからそれさえも奪い取ってしまう。地上に逃げ場所を失った彼らの向かう所は一つしかない。…それにしても、暗い話だ。こんな暗い話では、私はとても感動できません。たまには、他人を不幸にしてでも生にしがみつく様な人達のドラマが観たいです、7点献上。 【sayzin】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-06-02 00:09:54) (良:1票) |
20.マギーは最後の最後まで涙を流さなかった。フランキーにトレーナーになってもらえた時、本当は嬉しくて泣きたかっただろう。始めてフランキーと一緒に勝ち取った勝利の瞬間、この時も本当は泣きたかっただろう。鼻の骨が折れて無理矢理止血された時も本当は泣きたいほど痛かっただろう。そして愛する母への贈った家を母に喜んでもらえず、逆に馬鹿にされた時、本当は悔しくて、辛くて悲しくて声に出して泣きたかっただろう。それでもマギーは一滴の涙も流さなかった。どんなに嬉しい時もどんなに痛い時も、そしてどんなに辛くて悲しい時も決してマギーは涙を流す事はなかった。しかしフランキーと「絶対に泣かない」と約束したとは言え、彼女はやっぱり女性なのだ。タフで心と身体が強くてどんなに逞しくてもやっぱり彼女は美しい女性なのだ。それでもそんなマギーが泣かなかったのは、彼女の傍らにはいつもフランキーがいたから。励まし、共に喜び共に苦しみ、笑い、そして抱き締め合った二人は、いつしか硬い信頼と深い愛情で結ばれていた。マギーは試合を重ね勝つに連れて輝きを増して行った。しかし、彼女が本当に輝いて行った理由は、フランキーと過ごす時間が長くなり、彼に信頼され深く愛される事によってマギーは眩しいくらい輝いていったのだ。家族の愛を受けずに育ったマギーが、人生の最後にフランキーから受けた深い愛情は彼女の人生に“幸せ”という言葉を残した。それは彼女が最後に流した一粒の涙が物語っている。そしてフランキーは今も、マギーとの思い出の店でレモンパイを食べながらマギーの為に本を読んでいる事だろう。 【ボビー】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-06-01 20:50:58) (良:10票) |
19.「ミスティック・リバー」同様、クリントの描く人生は死ぬまで罪を背負い続けなければならない、ある種理不尽なもの。でも「ミスティック・・・」で描かれた誰もが流されて生きるストーリーと違い、この映画の登場人物は必死で自分の人生を掴もうとする人たちで、だからこそ生きるということはそういうことなのかもしれないと、この映画を見て素直に思った。決定的瞬間をわざわざスローモーションで大げさに見せる他のスポーツ映画とは違い、淡々と戦いを映し出すボクシングシーンが素晴らしく、またメイン3人の演技も文句のつけようがない。おそらく今年最良の1作。 【ぽん太】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-06-01 18:00:09) (良:1票) |
18.《ネタバレ》 母親に家を贈ったものの、「こんなものより金をよこせ!」と毒づかれたヒラリー・スワンク演じるヒロイン。傷心の彼女は故郷からの帰り、イーストウッドの老トレーナーに「あたしには、もうあなただけ」と言う。ふたりは、老トレーナーが大好物のレモンパイが美味しい店に立ち寄る。そしてひとくちほおばった彼は、「もう死んでもいい…」とつぶやくのだ。 それは、もちろんレモンパイの美味しさに対してのつぶやきではあるだろう。けれどぼくたちは確信する。それが、「あたしには、もうあなただけ」というヒロインのひと言に呼応するものであったことを…。 イーストウッドはこれを、「父と娘のラブストーリーだ」と言う。つまり、それぞれ相手の中に「父親」と「娘」を見出していく主人公たちの“精神的な絆”と、その精神的な「愛」を描いたものだ、ということか。けれど映画を見終わってぼく(たち)は思うのだ。いや、違う。これは、「父親」のような男と「娘」のような女の「ラブストーリー」以外の何物でもない、と。「女がボクシングなんて!」とまったく相手にされなかった彼女が、それでもこの老トレーナーだけを頼りにした時から、すでにふたりは愛しあっていた。だから彼女は、まるで生を燃焼し尽くすように戦い続けたのだ。自分のためじゃなく、老トレーナーのために。彼のため、一刻もはやく「年老いる」ために! …年老いることを、「死を目前にした肉体と精神」あるいは「死へとなだれ込んでいく状態」と定義するなら、全身マヒで寝たきりになった彼女は、もはや老トレーナー以上に「年老いた」存在に他ならない。そして彼女は、ある意味こうなることを望んでいたのではないか。何故ならこのふたりは、そういうかたちでしか「愛」を成就できなかったからだ(「父」と「娘」ではなく、ひとりの「男」と「女」になるための試練…)。確かにそれは悲劇的で残酷な結末かもしれない、けれどその時、誰がこのふたりを「不幸」だなどと言えるだろう。 ゆえに、最後に老トレーナーがとった行為は、決して社会的倫理的に“許されざるもの”ではあり得ない。あれは、まさしくひとつの、絶対的な「愛の行為」であり、ふたりが“ひとつ”になった瞬間なのだ。 そう、これは74歳のイーストウッドだからこそ撮れ、演じ得た、唯一無二のラブストーリーである。ただただ、素晴らしい。 【やましんの巻】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-05-31 16:25:37) (良:8票) |
17.クリント、すごい。この作品と彼の演技、素晴らしいの一言。もともと、映画を見る前は、そのタイトルから、アメリカンドリームをつかむ少女の話をもとにアメリカ社会を描く社会派の作品だろうな、とたかをくくっていたのだけど、良い意味で裏切られた。もちろん、安楽死の問題など社会派の内容もあるけど、クリントがここで描きたかったのは、「人間」そのもの。人間の生、人間の死、人間の欲望、怒り、愛、醜さなどなどなど。そしてそうした生生しい人間の姿は、社会や宗教とは関係なく、世界共通、人類共通のものであるといえるだろう。最後のクリントの行動と気持ちについて、ほんとに、いろいろと考えさせられた。もう一度みたい映画。ちなみに、ヒラリースワンクの主演女優賞は納得、モーガン・フリーマンは良かったけど、助演男優賞をあげるほどではないな(彼には、この作品の役どころよりももっと良い役がこれまでにもたくさんあった)。個人的には、助演女優賞は、ビッチなマギーの母親と妹にでもあげたいね(笑)。 【あまね】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-05-31 14:27:43) (良:1票) |
16.《ネタバレ》 神様はどうしてそこまでマギーに試練を与えたのだろうか?小さい頃からウェートレスをして働き自分自身を食べさせてきたマギー、やっとつかみかけた大きなチャンスを相手の反則によって、失ってしまったマギー、暗闇のジムでひたすらサンドバックをたたく健気な彼女を思うと涙が止まらない。生き続けるよりも、命を絶つ方が彼女の幸せだったのでしょう。信頼しているフランキーにそれをやってもらったのだから。残されたフランキーも恐らくは・・・それは見た人がそれぞれ考えればよい事ですね。 【みんてん】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-05-31 12:39:39) |
15.《ネタバレ》 正直、前半はボクシングの話に少し飽きかけていた。いきなり右フックがどうとか言われても素人には分かんないよ、って感じだった。しかし後半、じわじわと悲しみがこみ上げて涙が止まらなかった。クリント・イーストウッドの演技には頭が下がる。私はこの作品を知り合い4人で見に行ったのだが、見終わった感想で「マギーはフランキーの娘じゃないのか」という疑問がうかんだ。4人のうち2人がその疑問を言ってきて、最後に「愛する人よ。私の血」というのがあって私の血というのは自分の娘だからなのではと思った。それにマギーは「お父さんにお願いしてもいい?」などと言っている。題名の「ミリオン・ダラー・ベイビー」も100万ドルの娘と訳せば納得はいくだろう。しかし、ホントにマギーの父がフランキーだとしたら家族で病室に来たときも母親は気づくはずだし、ケイティというフランキーの娘の名前もつじつまが合わなくなる。見た直後かなり余韻が残り、私のようにフランキーの娘がマギーだとしたら…と思う人がいるかもしれないと思ってレビューを見たが…あれ?あたしは間違った解釈をいていたのかしら。もう1度見なきゃ謎は解かれないかもしれませんね。最後、フランキーは注射器を2本カバンの中に入れていたから、マギーを殺して自分も死のうと思ったんじゃないかな。 【アンナ】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-05-30 19:50:10) (良:1票) |
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14.予測した内容と違って面食らいました。とても痛い映画でした。もう少し救いがあれば‥ 【ジョー大泉】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-05-30 08:00:52) (良:1票) |
13.ごめんなさい。映画として何一つケチのつけようのない素晴らしい出来だと思うのですが、話がどうしてもダメでした。泣かされ損というか、この救いの無さに、たとえようのないあざとさを感じます。これほどまでに欠点の少ない映画は何年に1回見るかどうかというほどのこの出来栄えの中で、どうしてこれほどまでに嫌な話を描かなければならなかったのか、わたしにはとても理解出来ません。シナリオは非常に良く出来ていますし、ヒラリー・スワンクの卑屈な個性もこの役柄に怖いくらいハマりました。モーガン・フリーマン、クリント・イーストウッドも、おそらく当たり役と言って良いでしょう。何箇所か、ありがちな、でも必要なカタルシスはありますし、ラストでは伝えたいものもしっかり伝わって来ます。でもこの映画が、イーストウッド監督作品でありながら都市部を中心とした小規模な公開に終わったのは、この映画が実際にここで描かれている地方の貧しい人々の目に、入れられるものではなかったからでしょう。アメリカで貧しい家に生まれるというのがどういうことか、この作品は徹底的に残酷にそのテーマを取り上げながら、結局絶望しか描けていない。貧困は「ミスティック・リバー」でも強調されたテーマですし、イーストウッドにはそれを描きたいという強い渇望があるように見えますが、こうしたテーマに悲しさだけしか見出せないところが、実はハリウッドスターとしての彼の限界なのではないかと感じました。皿洗いをして、床掃除をして、人生に後悔しながら死んでいく人たちが、この映画を観て素晴らしいと思うでしょうか。映画が本当に夢を与えなければならない人たちに対して、この映画が勇気や力を与えるでしょうか。大変良く出来た映画であるという観点から高い点をつけますが、わたし自身はこの映画を二度と観ないと思います。もしかしたらわたしがイーストウッドの作品を観るのは、これが最後になるかも知れません。それぐらい、嫌な映画でした。 【anemone】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-05-30 00:02:57) (良:3票) |
12.どこかのサイトで「イーストウッドは世界一美しい74歳だ」といっている人がいたが、本当にそうだと思う。良い意味で「ハリウッドの反逆児」であるイーストウッドが今回は観客の予想するアメリカンドリームとは異なるストーリーを扱っている。もともと淡々とした短編小説であった原作を見事にフィルムに転化させた監督の演出には脱帽してしまう。淡々としていながらどこかもの悲しい雰囲気があり、最後までフランキー、マギー、スクラップの3人の生き様を捉える。人を愛する事の悲しみを体現するフランキー、夢に全てを賭けて生きるマギー、そんな二人を見守るスクラップ。役者の演技はどれも素晴らしい。特にイーストウッドは良い意味で年をとったなぁ、と思わされた。一方でスクラップはマギーと対照的な人物として捉える事もできるだろう。スクラップはマギー同様夢を諦め、人生の傍観者となった。これからはデンジャーを励まし生きがいを見出していくのかもしれない。さらに劇中に出てくるゲール語も隠れた意味をもつ。ゲール語とは「消えゆく言語」。これがフランキーやマギーによって示されるテーマとなっているのだ。ラストの哀愁のあるフランキーの後姿、スクラップの独白も深い余韻を残してくれた。人生について観客に問いかける重く切ない映画。 【マイカルシネマ】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-05-29 21:54:20) |
11.ヒラリースワンクの素晴らしい演技力。モーガンフリーマンの渋さ。イーストウッドの徹底した監督力。全てにおいて、全てが素晴らしかった。見終わった後、本当に考えさせられる映画。でも、とにかく、主役3人の演技力に圧巻。モーガンフリーマン、ホントにいいわぁ。素晴らしい。 【あしたかこ】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-05-29 06:04:54) |
10.《ネタバレ》 迫力のカメラワークと観る手を決して飽きさせないテンポ、何よりも素晴らしい主役の3人の存在が光りに光った良い映画だった。「ショーシャンクの空に」同様、やっぱりモーガン・フリーマンの語り口はいい。カスレた重厚感を感じさせるイーストウッドの凄みのある演技は彼ならではだ。この映画を観ると人間の生きる意味を考えさせられる。人生の価値は他人が決めるものではなく、その人生を歩んでいる当の本人が決めるものだ。夢をかなえるということは、何かを手に入れるということではなく、「目標である自分になる」ということだ。その「目標である自分」に一歩でも、二歩でも、いかに近付けるか、それで人の一生の価値は決まるのだ。不断の努力でその夢を叶えたマギーの一生は、彼女自身にとってきっと価値あるものだったに違いない。尊厳死の問題は賛否両論あるだろうが、「死」が彼女自身が自分の一生を価値あるものにする為に選んだ道であるならば、ひいては夢をかなえる為であれば、それもひとつの立派な人生の選択であるのではないだろうか。彼女をチャンピオンへと育て上げ、そして自らの手で幕を下ろす。彼女の一生の価値を理解しながら、自ら育て上げた愛する者の一生に幕を下ろさねばならないフランキーの苦悩が痛い。私個人も彼女に近い年齢になった。成りたい自分に少しでも近付く為に、自分の一生を価値あるものにする為に、もっと真剣に努力をしたいと思う。 【six-coin】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-05-29 01:39:50) (良:2票) |
9.ミスティックリーバーに引き続き、後味の悪い映画です。一言で言って、痛さを感じる映画です。 肉体的にも、精神的にも痛さがひしひしと伝わる映画です。正直言ってもう一度みたいと思いませんが、 心地よい言葉ではないからかもしれません。クリントイーストウッドは何故、あの年で、こうも救いの ない映画を続けて撮れるのでしょうか..... 【KAZU】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-05-29 01:14:54) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 公開初日の初回に早速いってきました。登場人物、伏線、一分の隙がありません。まさに完璧な映画でした。大満足です。超お勧め!!ショーシャンクの最後の青い空とは異質なるも根底通ずる「人間賛歌」があるこの映画、ショーシャンクで感動した人は絶対見るといいですよ。ちなみにモーガンフリーマンは今回も語り部です。あっそれから、この映画を見てイースストウッド作品が好きになった人は、ブロンコ・ビリーをお勧めします!!(しかし、伊丹の映画館にいったのですが今回もガラガラ大丈夫かしらん。)〔以下ネタバレ。見てない人本当に絶対に読じゃだめ。〕まさかこういう展開になるとは驚きです。全身マヒ、片足壊死切断で、生きる希望をなくした主人公が尊厳死を求めます。かつてモーガンフリーマンの意思を尊重した結果、片目を失明させボクサー廃業させたという重い十字架を背負ったイーストウッドは23年間も贖罪のために教会に通うのですが、その彼が苦悩の末、ひとつの選択をします。最後の30分、涙がとまりません。家族愛、人間の尊厳という大きな永遠のテーマは見事に描ききりました。本当にすばらしい。脇役のヘナチョコボクサーが最後に帰ってきたのが唯一の救いでした。 【ぴよっち】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-05-28 23:52:21) |
7.イーストウッドには彼のお母さんの様に長生きして、これからも素晴らしい映画を撮り続けて欲しい。 【たま】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-05-28 21:36:03) |
6.《ネタバレ》 単なるスポコンものにしては話がトントン拍子に進みすぎるので何かある、と思っていたらやはり・・・。でもあんなに汚いボクサーはいませんよ・・・非現実的!あんなことしたらただじゃすみませんよ・・・非現実的!まあ、叙情性に的を絞っているから気にならない人も多いでしょうけど・・・。というわけで、今までコメントをしたみなさんはみんな褒めて高い点数をつけていますが、私は辛いめの点数をつけます。俳優陣の演技とカメラワークがこれだけ優れているんだから、ストーリーがこんなに大味じゃないほうがいいと思います。原作がそうだからしかたがないのかもしれませんけれどね。 【かわまり】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-05-26 13:17:58) (良:1票) |
5.年に何本かの素晴らしい映画でした。過剰な演出はなく淡々と話は進んで行きます。この映画の一貫した愛の物語にちりばめられているナショナル、宗教、差別、貧困などの問題がうまく融合し、とても味わい深く重みのあるものに仕上がっていました。並みの監督ですとあざとくなりがちなテーマもイーストウッドにかかると見事に料理されています。マギーとフランキーはアイリッシュでともに家族に見放され疎外されたもの同士。それを見守るエディ。フランキーはカトリック教徒(妊娠中絶や自殺を絶対に認めていない)なのですが、彼が最後に選択する決断は胸に迫るものがあります。 【シュンペーター】さん [試写会(字幕)] 9点(2005-05-19 12:23:20) |