55.《ネタバレ》 元旦に鑑賞。新幹線3時間乗車でも酔い止め薬を飲む私に3Dは無理と判断して通常版です;でも、パンドラの美しい世界を体感出来ました。CGなのに質感があるのがすごい!
これは、若い世代の人に観てもらいたくて作った映画だと思います。
内容は「ダンス・ウィズ・ウルブス」などと同じ、侵略による破壊と絶望の物語。
が、今時、インディアが開拓者に略奪、破壊された話では誰も観てくれないんですよ(泣)
今も侵略者(先進国)による資源の詐取・略奪、自然破壊、虐殺は地球上で起きているのに。破壊と略奪をしながらも、罪悪感さえ覚えない人間がいかに醜いか、グロテスクか感じて欲しいのだと思う。
グレースが地球人として初めてエイワの元に還ったのは大きな意味があると思います(この星の生物はテレパシー能力があるみたいだし)
ラストにパンドラの生物達が一斉に攻撃してきますが、私は「自然」が「人間」を拒絶したように感じました。
自然がなければ生きていけないくせに、すべてを陵辱する「人間」を完全に否定した。
ジェイクは最初は赤ん坊と言われていた。つまり「あれもこれも欲しい」と奪うだけだった(彼の場合は「足」とか)
自然は常に「環」になっている。何かをもらえば何かを還す。
ナヴィの教えでも命のエネルギーは借り物、だから最後の土になって還す(土の栄養分などになる)一方通行はありえない。ジェイクは最後に人間を捨てた。その犠牲を払ったからエイワに受け入れられたのでしょう。「今の人間」では自然に否定され続け、いつか滅びる。
これは警鐘の映画だと思う(ヒーローものではなく。だから伝説の男はすぐに退場した)
人間に「いつまで赤ん坊でいる?いい加減、愚考を繰り返さず成長しろ。目を開け!」というメッセージではないだろうか。
軍隊の中で唯一の良心だったトゥルーディが死んでしまったのは悲しかったです
(ジェームズ・キャメロンって強い「女戦士」好きですよね(笑)エイリアン2でもいたし)
「相手の立場になって考える」を出来る人が少なくなってきたので、3Dで「略奪される側の絶望」を体感させようとしたのかな~とも思ったり。
逆にいえば「それぐらいしないと考えない」という事かも…;(ちょっと淋しい;)