14.《ネタバレ》 息子たちに、まるで邪魔者を押し付け合うような対応を受けるだけ受けておいて、後になって“昔はもっと優しい子だった”と語らい、それでも“まぁ幸せな方じゃのう”“幸せな方でさぁ”こう自らに言い聞かすように、寂しく、そして穏やかに語る老夫婦。この穏やかさが心に沁みる。たまらない。この映画には(人というものには、こういうところがある)という側面が次々と描かれている。その為、映画に没頭しながらも、いつの間にか自分に押し当て、心かき乱されてしまうのだ。一例として、母親の死に直面したしげ(杉村春子)が泣き崩れた場面と、葬式が終わった後のケロッとした態度は、配役の性格設定を超えた、人間というものの性質を映しているように感じる。、 大阪から遅れて馳せ参じた敬三の、どこか筋の取っていない立ち振る舞いや言動などもそうだろう・・・。人がそれぞれの境遇によって、その局面での取り繕う様子が生々しく描かれている。そしてどこか自分自身を見ているような気持になってくる。 【よし坊】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-11-06 05:29:09) |
13.《ネタバレ》 俺の母が死ぬときの様子を見せられているようだった。だから直視できなかった。 |
12.《ネタバレ》 小津安二郎の代表作で日本映画の最高傑作のひとつとも言われる「東京物語」。なんか有名すぎて今まで見てなかったけどやっと鑑賞。確かに名作だと思うし集大成的な作りになってると思う。今まで見てきた小津映画の中でもどこかで見たようなシーンが沢山出てくる。そしていつもの小津組の演技。個人的には杉村春子最高。この人こういうちょっと嫌味のある感じが抜群です。 【バカ王子】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2006-06-20 00:31:00) |
11.人間模様にリアリティーがあっておもしろい。主人公とお父さんがよくできた人過ぎるのが気に食わないが、小気味良くて、いい映画だとおもう。 【ホットチョコレート】さん [地上波(邦画)] 9点(2006-04-23 01:51:16) |
10.《ネタバレ》 日本が世界に誇る作品だと思います。日本らしさと言う意味では晩春より優れているかもしれません。晩春同様、笠智衆の演技は絶品です。妻を失った夫役と娘を嫁にやる父親役をやらせたら彼の右に出る役者はいません。私がはじめて笠智衆の演技を見たのは寅さんだったと思います。あのころははまり役!って思っていましたが、ちがいました。「晩春」と「東京物語」あと、「秋刀魚の味」。これがはまり役。反則!といいたくなります。<BR> 全体を流れる親子、家族のやさしくやるせなく無常な感じはとてつもなく切なさをそそります。 晩春のラストシーンもいいですが、東京物語もラストシーンの団扇をあおぐ笠智衆がいいですねえ。あのシーンを撮影したあと笠智衆の座っていた座布団からは湯気が出たとか。。。そのくらい大変な時間のかかる撮影だったようです。私はこれが小津作品の中では2番目に好きです。一番に挙げる人が多いこの作品ですが、私はやっぱり晩春が一番です。 【アポロ】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-07-22 13:14:43) |
9.切ない映画だった。この作品、舞台は戦後だが、親と子の距離関係や兄弟関係、夫婦の関係など、時代と関係なく現代にも通じるものがあるだろう。また、海外でも受けたのは、そうした家族模様は、日本だけでなく世界共通のものだから。ただ、この映画の背景には、高度成長時代黎明期の「親もとから離れ東京に出てひとはたあげて頑張ろう」という当時の青年・中年のハングリー精神があり、そこは裕福な現代では分からないものになっているかもしれない。杉村春子の嫌なオバサンぶりはすばらしい。原節子の役もいいのだけど、(アイドルさもあって)あまりにも良い人すぎに扱われているという印象。 【あまね】さん 9点(2005-03-28 01:58:34) |
8.この物語の雰囲気と低い視点から撮られた安定感のある映像がとてもあっていた 人がしゃべるときに胸から上の映したカットがさらに映像の安定感を増していてとてもよかった 台詞は普段よく使うような言葉であるのに一言一言が心に響いた 今の時代は騒がしすぎてこのような静かな作品は記憶に残らないかもしれない しかし僕はそうは思わない 静かな作品だからこそメッセージがストレートに伝わり記憶に残るのだと思う 人生において見落としがちな重要なことを気づかせてくれるようなとてもよい作品でした 【ぺぷとりじ】さん 9点(2004-06-08 21:50:18) |
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7.小津映画の代表の一つといえる秀作である。淡々と日常が流れ、簡素過ぎてつまらないという人もいて賛否両論になるが、私はこれほど人間の本質を掘り下げ、感情の露骨さを表現された映画はないと思う。台詞に無駄な装飾もなく、有り触れた台詞しか使っていない。独特の小津調で語られる台詞は奇才故の絶妙な間隔が敷き詰められており、言葉々々の間の背景に哀愁と深遠さを附加させるものである。またモノクロ映像がもつ世界観は未完映像として、観る側に色の創造性と人間がもつ蒙昧な意識を揺動させる力がある。だから、私は観る度に進行する記憶と連鎖し呱々の声として心に鳴り響くのである。習慣性の幸せは淡々と消費され、必然のものとして受け入れられてしまう。突如失われる残酷な現実を突きつけれるまで軽薄なものだけにしかないのである。喪失感からしか生まれない存在意義の大きさに悔恨の念を含みながら人間愛を瞑想に耽る。それにうちひしがれそうになりながらも強靱の力で活きようとする人間たちの同志が憧憬の人間像として垣間見せられるのである。小津の抒情が収斂された雅やかな映像を真摯になって受け入れなければならないことであり、自信を内省的に反芻させられた映画でもある。半世紀を過ぎても色褪せることなく現在も不動の名画として活き続け、変わり行く時代と共に進化し続ける。 【ぼん】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-05-16 06:43:10) |
6.この監督の作り出す空間は本当に居心地がよい!しかし、雲のようにやわらかい空間は眠気を誘うどころかビシビシと心に突き刺さる。小津の映画を観てると実家に帰ってきたような安堵感がつきまとうなー。 【マイアミバイス】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2004-02-03 03:49:46) |
5.日本にもこういう時代があったらしい。その頃に生活していた人たちの幸せを羨みます。 【KINKIN】さん 9点(2003-07-10 21:50:35) |
4.笠智衆の老け役・・どうしても若かったとは思えない・・素晴らしいですね。原節子は今こういうタイプの孤高の美女っていないから、すごく貴重な感じがします。小津映画は時々小劇場で特集組まれるけど、もっと頻繁に観たい!ひとりで観て、ひとりで余韻に浸りたい。感想を誰かと語り合いたくないのが私の中の小津映画です。 【Rei】さん 9点(2003-06-01 22:53:58) |
3.あの老夫婦に20世紀のベストカップル賞をあげたいです。広島弁も良いです。笠さんまだめちゃくちゃ若かったらしいですねあのころ。とても心に浸みる作品でした。熱海の堤防で一休みするシーンをはじめ印象的なシーンが随所にちりばめられていてどれも主張していないし、無駄なシーンもないこんな映画に出会えて良かったと思いました。 【てっつん】さん 9点(2003-04-17 03:28:33) |
2.会話がほのぼのしていて笑ってしまうような場面もありました。最後にのりこさんの笑顔がはがれた所が印象的でした 【きりり】さん 9点(2003-04-08 18:32:02) |
1.日本映画の名作とも言われているし、とりあえず見ておくかというつもりだった。所詮、退屈な古典映画だろうと思っていた。しかし何だろうこの胸に沸き上がって来る懐かしさは。何度でも見たくなる大好きな作品になった。 【masa】さん 9点(2002-08-23 00:38:10) |