5.笠智衆のおとこ先生が、夜中に奥さんと必死でオルガン練習してた「しーししーふ、みーみみー、いいいのいー」っていう唄がやけに耳に残ってます。(実は七つの子より好き)あれってなんていう曲なのかなあ・・・。唱歌の挿入が多すぎて、ちょっと感傷過多という些細な点以外文句のつけようがない素晴らしい映画。僕の中での美人の基準は、原節子でも吉永小百合でも、ましてや鈴木京香でもなく、三十年来この大石先生、高峰秀子さんって決まってます。 【放浪紳士チャーリー】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2005-06-04 16:27:27) (良:1票) |
4.タイトルロールに流れる「仰げば尊し」を筆頭に、「故郷」「七つの子」「浜辺の歌」などなど数多くの唱歌が作品全体を包み込み、これが抜群の効果を収める。音楽担当は監督木下恵介の実弟に当たる木下忠司。この人、兄恵介と毎回息がピッタリだが今作ではそれを極めている。場面、場面に流れる馴染みの唱歌を彩りのあるメロディーで微妙にアレンジしており、この作品にかける意気込みが充分過ぎるほど伝わってくる。また、小豆島の美しい風景と島民の生活模様が楠田浩之のカメラに余すところなく収まっており、これもまた監督と息がピッタリ。忍び寄る軍国主義に召集令状、貧苦に喘ぐ島民の生活、敗戦という新たな時代への出発…切々と暦をめくるように綴っており木下調の演出が冴えに冴え渡る。戦時の戦意高揚作「陸軍」の製作がよほど悔しかったのか、今作では平和へのメッセージがビシビシと伝わってくる。そして言うまでもなく、主人公の大石先生を演じた高峰秀子が文句なしに素晴らしい。純朴な子供たちに向ける優しい眼差しに、情感のこもった台詞回し。洋服の似合う新人の先生から人生の辛酸を体験し尽くした初老の先生までごく自然体で演じており、女性教師として一人の母親としての弱さと強さ、哀しさと美しさを見事表現しきっている。情感に訴える見事な反戦映画としてはクレマン作「禁じられた遊び」と双璧をなしており、日本映画史上、燦然と輝く名画。文句なしに10点満点。 【光りやまねこ】さん 10点(2004-11-01 17:57:37) (良:2票) |
3.人口少ない海辺の村、まるで自分の小学校時代(すでにこの母校は過疎で消滅、当時も同級生の瞳の数は24より少なかったですけどね)。この映画をはじめて見たのはたしか小学校の授業かなんかでビデオ見せられたとき。そのときは戦争って嫌だなあ程度の感想。中学に入って原作読んだら本を読んで泣いた初めての経験を味わう。風景がほとんど実体験のように目に浮かぶし(時代が違うけどね)、滅茶苦茶思い入れが深い作品となる。そして、テレビで再び映画を見てこれまた感動。使用される歌がいいなぁ。後年、再びこの映画を見たのは長距離バスのビデオで。すごいぞ○○バス!と思っていたら、上映終わってビデオデッキに差し込まれた次の作品は「マネキン2」・・。自分の中では原作は世界一の反戦小説(反戦小説なんてろくに読んでないけど)であり、この映画も文句なし10点。/(追加)ちょっと前にデジタルリマスター版を映画館に観に行きましたし、DVDも買っちゃいました。正直、ちんたら間延びした感じはするんですけど、監督が意図してるか否かはともかく、それも一つの表現じゃないでしょうか?。この映画がテンポ良かったり、理知的だったらヘンです。この作品に対するあらゆる偽悪もシニカルな批評も生半可な内容では太刀打ちできないでしょう。これはそんなほとんど危ういほどの自然さを持った映画です。私のレビューと正反対です。 【しったか偽善者】さん [映画館(邦画)] 10点(2003-12-03 23:08:49) |
2.物語冒頭はモガ丸出しの先進的教師だった女教師が、ラストでは貧乏臭い和服に身を包んで、一台の自転車に涙する……。時の流れを描かせたら天下一品の木下恵介監督の真骨頂。この人の映画はいつでも「どこにでもありそうな人生」を丹念に描いてくれて好感が持てる。 【柿木坂 護】さん 10点(2003-10-02 02:36:09) (良:1票) |
1.リメイクもあるけど高峰秀子の大石先生が一番!木下監督作品でも一番好きな作品。小学校でのエピソード、教え子たちの戦争とその後の話などいつ見ても一番泣ける映画です。小さな学校での教師と教え子たちとの暖かいお話は、実は戦争場面のない反戦映画でもあります。 【キリコ】さん 10点(2003-04-05 00:11:07) |