20.アメリカ海兵隊の訓練をここまでテクニカルに映像化できたものは、このFMJくらいのものだろう。他の映画に出てくるベトナムモノなどまったく較べものにならない。ハートマン軍曹役の方は、元々単なるアドバイザーとして参加していた所を、その言葉の扱い方を買われて軍曹役に抜擢されたそうだ。つまり、前半に軍曹から繰り出される全ての悪口雑言は、実際の海兵隊訓練をやってきた人間の口から飛び出しているものなのだ。そこまでして人間性を剥奪していく過程を映しきったキューブリックの信念、ただ者ではない。人間性とはなにか、そして銃が人を何に変えてしまうのか。その二つを念頭に置いて見て欲しい。FMJが戦争映画の皮をかぶった化け物的作品だということがよくわかるだろう。 【J.B.】さん 10点(2003-12-03 03:30:10) |
19.《ネタバレ》 何度観ても擦り切れないスタンリー・キューブリックの映像に10点。 ラストのミッキーマウスマーチは兵士としてきわめて正気な日常の風景だろう。 正気を保つために歌っていると言ってもいい。 戦場で狂気に堕ちた者はフェードアウトしてゆく。 ヘリコプターの兵士も機関銃を乱射しながら理性的だ。 ハートマン軍曹のシゴキも戦場で正気を保つためのもの。 正気を保ったまま人と人が殺し合いをする、戦争と言う狂気のメカニズムを監督は冷静に炙り出している。 ジョーカーの引いたラストの引鉄も理性の力。 この世でもっとも残酷なものは、「正気」であり「理性」である、と言いたげにも見える。 【Beretta】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-11-09 00:26:17) |
18.戦争とは、人格破壊された狂人が繰り広げる殺戮、一市民である青年たちがドンドン狂人へ変貌してさせられてゆく様、これがホントの戦争なんだと思わされます。狂人が狂人を生み、狂人と殺しあう戦争、戦争において理性と狂気は表裏一体であり判断を誤ればそれはすぐさま死へ繋がる。 【亜流派 十五郎】さん 10点(2003-10-30 16:31:24) (良:2票) |
17.前半、地獄の訓練編。ゲラゲラ笑ってたら、えらいことになってしまった。唖然。そして後半、クソ地獄編。緊張感のない新兵が真の戦争を体験するまでの過程が、まるでそばにいて同じ空気を吸ってるかのように、リアルに体感できる、出色の演出、カメラワーク。ウサギのぬいぐるみを拾った兵士が爆死するシーン。「Shoot me・・・」と悪夢のように繰り返すベトナム少女。殺人機械と化した集団が、ミッキーマウスを歌いながら行進するラストシーン。凄すぎ。 【T・F】さん 10点(2003-07-20 07:08:54) |
16.良心的兵役拒否しそうなジョーカーが最後に兵士として一人前になり、アメリカの代表的なスーパースター、ミッキーマウス(心のよりどころ)を歌いながら帰っていく。やっぱりディズニーって嫌いやなー。 【ぴょん】さん 10点(2003-07-01 23:24:29) |
【たかし】さん 10点(2003-06-22 20:06:28) |
14.ラストが印象的でした。私が今までに観た映画のなかでコレが一番好きです。何度も観てしまいました。 【オカマン】さん 10点(2003-06-02 15:09:29) |
13.戦場において人間性を描くことをきっぱりと拒絶したキューブリックの誠意を賞賛したい。このような題材でこそ、彼の皮肉は素晴らしく光り輝く。この映画の前半部はフルメタル・ジャケット(完全鉄鋼被覆弾)の製造過程、後半部は消費過程として見ることができる。前半、「デブ」は殺人マシーンとして完成することなく人間のまま死んでいった。彼の狂気は正に人間としての狂気だった。後半、その秀逸なカメラワークによって、狂気の満ちた戦場に立ち会わされる私たち観客は、ジョーカーやカウボーイやあの少女といったかつて人間だったはずの彼らが「消費」されていく様に、ただ圧倒されれば良い。なぜならばそれだけが唯一の戦争の本質だからである。そして「それがまた人間の本質だろ?」とでも言いたげなキューブリックに、今回だけはやられた感じ。 【poppo】さん 10点(2003-05-21 13:36:01) (良:6票) |
12.前半はマジですごい!しかも笑える!後半ちょい飽きる部分があったけど最後がまたすごい!キューブリックの最高傑作! 【小美】さん 10点(2003-05-15 18:31:19) |
11.すごい映画だ。見る者を圧倒させる。ハートマン軍曹怖すぎw 【gilbert】さん 10点(2003-05-11 13:35:08) |
|
10.この映画はそこらへんに転がっているような、安っぽい戦争批判映画ではない。戦争映画ですらないかもしれない。「これも人間の一部分だろう?」という事を、皮肉たっぷりに自分の作品に塗りこめてきた、キューブリックの最高傑作。視覚的効果でこの映画を越える事は、到底不可能である。 |
9.僕のキューブリック作品のフェイバリットです。彼の全盛期は「博士の」~「2001」~「時計じかけ」と思いますが、この作品でも独特の皮肉がこもっていると思われ。戦争をここまで馬鹿馬鹿しく描いた作品はないと思われ。それにしても(「シャイニング」もそうだが)少しづつ人間がとち狂っていく様をここまでうまく描くスタンリー監督にはリスペクトの意を捧げたい。 |
8.キューブリックが戦争映画を撮るとこうなる!やっぱり他のモノとは格が違いますね! 【K,K】さん 10点(2002-12-23 13:59:51) (良:1票) |
7.みれば見るほどはまりますねぇ。奥が深くて深くて見るたびに新鮮で考えさせられます。はじめてみたときはなげーよって感じですがはまってしまったらもう抜けれませんね。キューブリック!あんた最高!! 【しゃぶ】さん 10点(2002-11-20 22:36:39) |
6.《ネタバレ》 前半の訓練所で、教官がやたらと新米たちを「お嬢さん」などと呼んだり、「微笑みデブ」レナードが、失敗するたびに指をしゃぶらされたりする場面がしばしば出てきますが、今回見直してみてようやく(苦笑)その意味がわかったような気がしました。つまり新米は「女」でしかなく、ましてや無能力者はそもそも「子供」でしかないのであり、つまりは「男扱いされない」ということだったのですね・・・訓練所で新兵のこういう「女性性・幼児性」を見せ付け、屈辱を味わわせ、それをバネにして一人前の兵士、つまりは「男」に仕上げて行くという訓練の一面が、今回見直してみて見えた気がしました。他にも、「性」、「神」、「思想(自由、資本主義)」、そして「愛国」といった要素が見えますが、一人の人間を「殺し屋」に仕立てるには、何とも数多くの後ろ盾が必要になるみたいです。 【マーチェンカ】さん 10点(2002-02-11 16:31:24) |
5.《少しだけネタバレ》この作品は大掛かりな戦闘シーンよりも(こっちもいいけど)兵士達の心境が深く描かれた作品ではないでしょうか。ラスト、ミッキーマウス・マーチを歌う兵士達は方々の戦地へと駆け巡っていく・・・。 【ます】さん 10点(2001-08-06 13:57:12) |
4.あまりにも有名な、スタンリー・キューブリック監督の戦争映画。厳密に言うと「戦争映画」ではないかもしれない。時代背景は1960年代後半。泥沼化の一途を辿る「ベトナム戦争」。この映画は確かに「ベトナム戦争映画」と言えるのだけれども、物語の半分はアメリカの海兵隊訓練基地で展開する。キューブリックは色彩の明瞭な世界、左右対称の視界で「映像の神」と言われていますが、この映画では人間が「殺人兵器」へと大量生産されていく軍事訓練所と、実際に彼らが「殺し」を行う戦場の、見事なまでのコントラストを表現している。まさに神業。この2色の現実の狭間で、この映画を観る人間は「戦争のリアリティー」と「殺しの感触」を味わう。見事なまでに、計算されて構築された、無機質な世界。キューブリックは紛れもない天才です。 【DAWN】さん 10点(2001-06-07 17:11:15) |
3.ギャグだと思っている。実際前半の洪水のような下ネタ洪水にはかなり横隔膜が痛くなった(笑)ラストはもー最高! 【ZERO】さん 10点(2001-05-20 01:01:30) |
2.これは戦争映画ではなく、唯一無二の戦場映画です。そして真のヒューマニズムを具現化した映画です。一般的なコミュニケーションの手法を獲得し得なかったキューブリクゆえの、人間に対する“唾の吐き方”なのです。 【クロコス】さん 10点(2001-03-03 02:53:42) |
【ハートマン】さん 10点(2001-01-23 11:59:26) |