66.《ネタバレ》 立ち振る舞い、緩急の付け方などホプキンスの存在が圧巻。厳重な体制にもかかわらず少しでも近づくと危ないのではないかと思わせる、あの緊張感漂う閉鎖的空間のやりとりは見応えがあり、ホプキンスと言えば個人的にはこの作品。また、彼をヒーローの如く仕上げたドラマ性も面白い。難を言えば皮剥ぎ事件の描かれ方が薄いということか。クライマックスのシーンもレクター博士のシーンよりも緊張感が弱かったのは残念。人質の叫びと羊のリンクなど随所に良い演出はあるものの杜撰な演出もちらほら、でもこの手の作品としてはよく出来てたかなと。 【きいろのくじら】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-25 03:57:02) |
【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-21 18:50:01) |
64.公開当時は衝撃的だったが、今みるとそうでもない。アンソニー・ホプキンス=レクター博士という図式が私の中で出来上がってしまいました。 【doctor T】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2006-12-31 02:08:39) |
【ホットチョコレート】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-05-21 08:00:02) |
62.ここのジョナサン・デミ作品評をつらつら眺めていて気がついた。『羊たちの沈黙』以外はえらく評価が低い…この人、名監督だと思っていたけど違うようだ。そう思ったら、本作の評価がどうして高いのかわかってきた。 この映画の価値は「レクター博士」の発明にある。ほぼ全て檻の中で演技しなければならないレクター役は、俳優にとって厳しい試練だ。アメリカ式のメソッド演技では、何カットもこなす前に早晩限界が来るだろう。レクターはアクターズ・スタジオ風の「なりきり演技」では突破できない矛盾だらけの難物だからだ。そこでやってきたのがアンソニー・ホプキンス。シェイクスピアのたっぷり染み込んだ舞台俳優だ。彼はほぼ立ったままで、表情も変えず、人物を象徴する装飾品もなく、長い長い科白だけで演技した。この爺さんはアメリカ演劇を無礼なまでに無視して、シェイクスピアを持ち込んだのだ…多分これはデミ監督の発案じゃないだろう。ロジャー・コーマン門下生の彼に、こんな大胆な発想ができるわけがない。この映画の特色は「ハリウッド演技の否定」から始まったと言って過言じゃない。 レクターの演技を生かすにはカウンター側のサポートも必要だ。しかもレクターは作中ほとんど主人公クラリスとしか話さない。こちらもシェイクスピアで行くべきか? だが、キャスティングされたジョデイ・フォスターはホプキンスに、張り裂けんばかりの大声で「NO!」を叩きつける。彼女の演技は教科書的なメソッド演技だと思うが、素性は天才子役だ。中学時代にデ・ニーロやカイテルと対等に渡り合った怪物サラブレッドで、知能指数もめっちゃ高く、素の人間としてはコッチの方がよっぽどレクターだ。そんな彼女は、シェイクスピア劇風のセリフの抑揚ではなく目の演技で対抗する。ほとんど表情のみで、強気の中に潜む「弱い少女」を浮かび上がらせる。これこそサラブレッドならではの、神域メソッド演技だ。彼女はこの役を演じる事が、必然的に「イギリス演劇界VSハリウッド映画界」の構図になってしまう事を理解していただろうか? オイラはそうだったと思いたい。 長い歴史、多くの作品によって培われてきた2つの演技方法のガチンコ対決。これが本作の魅力の根底になっていると考えていい。もちろん勝者はない。オイラには、対決をフィルムに収めたデミ監督が不当にも《漁夫の利》を得たような気がしてならないんだ…。 【エスねこ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-05-03 17:25:05) (良:5票) |
61.《ネタバレ》 究極の悪ハンニバル・レクターという題材を手に入れ、さらにアンソニー・ホプキンスという素晴らしい役者を迎え入れた時点でこの作品は勝利していたのだろう。 並外れた知性を持ち、あらゆる倫理規範を軽々と飛び越えてしまう怪物。クラリスはバッファロー・ビルから「羊」を救出するが、レクター博士という獣の前には無力だった。恐怖を感じつつも、その超人的な能力に不思議と惹かれてしまう人も少なくないはずだ。 実際のFBI捜査官は、レクター博士を連続殺人者としてはリアリティがなくむしろカルト宗教の幹部にふさわしいと評していて、それを聞いたときはなるほどと思った(そういえば犯行も儀式的で、被害者の死体が殉教者に見立てられている)。これほど強烈なカリスマ性を獲得した犯罪者は他になく、悪役としては史上もっとも秀逸な人物造型だと思う。 ――と褒めつつも微妙な点数なのは、なぜか個人的にはあまりはまれないから。本作と不幸な出会い方をしたのもあるし、久しぶりに再見してレクター博士も脱走方法も「ありえないなー」と冷静に見てしまった。終盤があまり盛り上がらないというのもストーリー展開としてきれいじゃない。自分はむしろあまりの高評価に違和感を覚えてしまう側の人。素直に楽しめなくて非常に残念に思う。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-12 21:42:51) |
60.レクター博士が凄いです。終盤ではなぜか外へ飛び出して大暴れしますが、この人の怖さってそういう「人食い」の要素じゃないと思う。むしろ独房の中から微笑みながら、静かにクラリスを見つめる前半にこそ彼の恐ろしさがある。それに比べたら、バッファロービルなんてただの気色悪い変態にしか見えなかったなぁ。 【とかげ12号】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-19 20:46:11) |
59.いいのはわかる、演技がうまいのもわかる。だけど繰り返しみたくはならない。 【アオイ】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-09-04 21:22:08) |
58.リングとか日本のホラーが新しいタイプのホラーだと注目を集めたのも納得というか、「恐怖」の演出を昆虫のグロさや犬の泣き声、悲鳴、暗闇に頼ってる感じで今ひとつ前代的なやり方と感じた。日本のホラーとは怖さの方向性が違いますね。役者達の名演もあってストーリー自体は楽しめたがこれだけ何処行っても評価の高い映画で『「ホラー」部分は全くの駄作』と思ったくらいなので、やっぱりホラーは合わないんだなあと実感。 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-08-29 09:10:51) |
57.「人の価値観を形成するのは環境と志向性であり、その価値観を屈折させる要素、つまり、個性を漂わせるポイントはコンプレックスと性である」 リリー・フランキー。 アンソニー・ホプキンスがいちばんおいしい役には間違いないし、クラリスのトラウマと題名のリンクがうまい。また何より雰囲気を作り出した美術スタッフがオスカー級だし、テンポを失わせない編集もいい。レクター博士が救急車を襲って逃亡した詳細を映像ではなく、口頭で説明させるのは地味にうまいと思う。残念な点はラスト。ジョディ・フォスターの捕り物劇。あそこまで分かりやすくホラーしないほうがよかった。 <2016/11>再投稿。題名にリンクさせるほどクラリスのトラウマにインパクトはなかったと思うけど しかし地味ではあるが、真実味はあるだけにそれをうまそうに食すレクター博士は名医なのだろう。 斬新だった編集もレクター博士の逃亡トリックも今みると小手先感があり、手垢がついてしまったけど、 アンソニー・ホプキンスとジョディ・フォスターの演技は恒久的なものだと分かった。 <2021/9>レクター博士のガタイの良さが怖い。 【michell】さん [地上波(字幕)] 7点(2005-08-27 05:26:05) |
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56.よく傑作やら名作やらといわれている作品なので、かなり期待をして見てたのだが、あまりの平凡さに拍子抜けしてしまった。確かにアンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レクター博士は魅力的なキャラクターであり、猟奇的な人食いでありながら頭のキレる精神科医の雰囲気は十分に出ているのだが、どうもこの映画の魅力はその一点に集中しすぎてしまっているような気がする。まずストーリーが弱い。この手の映画で、先が読めてしまうようでは、ドキドキハラハラなんてあったもんじゃない。そしてなんといっても今回の事件の犯人、バッファロー・ビルの存在感が薄い。あれではただの変体男(いや女?)ではないか。最後のやられ方がアホすぎる。もっとねちっこい犯人像を想像していたのだが…。というわけで、どうも思ったよりも楽しむことができなかった。ただ、やはりレクター博士は魅力的で、明らかに偽善者ぶり周りに同情を求める上院議員に向かって「娘さんが死んだら あんた どこで痛みを感じる?」と言い放つシーンなんか特に気に入っている。 【zahrky】さん 7点(2004-12-04 22:40:17) |
【みんな嫌い】さん 7点(2004-10-25 13:44:02) |
54.もはや「あの羊たちの沈黙!見とけ!」てなポジションですけど、正直そこまで乗り切れませんでした。最後までクラリスは博士にとっては「ただの小娘」、ラストくらいにちょこっと「まあ君は多少は面白かったかくらいかな、わはは」くらいだったんではと思います。何故か「ハンニバル」のあと見たのでなおさら。あちらはクラリスを半ば愛した話ですから、なんでこんな小娘扱いで終わった女に、しかも冒頭からこんな興味を示してるのだ?と、謎でいっぱいに。あまり本作のレビューにならなかったかも、すみません。 |
53.最近になってようやく観ました。その後の亜流作品を先に何個も見てきただけに、衝撃度は若干弱まっていたかもしれません。しかし映像の効果を利用して最大限に恐怖と不気味さを演習していて、これぞサイコスリラーのお手本、といった感じで予想通りコワ面白かったです。 【プミポン】さん 7点(2004-10-07 02:43:45) |
52.《ネタバレ》 レクターとクラリスの奇妙な信頼関係が面白い。 サイコスリラーとしては代表作になったと思います。 当時はかなり衝撃的な感じでしたが、ちょっとアンソニー・ホプキンスがおじいちゃんであるのに対して、暴力で異常さを表現するのにはギャップを感じました。(看守の警官を襲うシーンなど、弱弱しいおじいちゃんには荷が重そうに見えました。)ハンニバルでのレクター(ホプキンス)の方がしっくりくる感じがします。ジョディー・フォスターは上手いですね。ただ、上手すぎて逆に自然さに少し欠ける気が僕はしました。(暗闇のシーンでは演技してますっ!て印象があります)高得点としなかった理由は、異常さを表すのに脚色が強い点です。レクターしかり、バッファロー・ビルしかり。異常さを一生懸命出そうとして、判り易い異常者となってしまっているような気がします。ストーリーとホプキンス、フォスターの持つ雰囲気はとても良かったです。 |
51.完成度の高い作品ですが、好みじゃなかったです。 【よしふみ】さん 7点(2004-08-21 19:16:36) |
50.サスペンスものとして久々のアカデミー受賞作、しかも主要4部門制覇と話題になったので期待して観た覚えがある。主演2人が演技賞を獲るだけあり、すぐに引き込まれた。レクター博士の存在感が圧倒的すぎて、いくつかのシーンには鳥肌が立つ程。確か、アメリカで行われた映画史に残るキャラクター投票で、上位にランクされていたような気がする。それも納得の演技である。2作目のクラリスがジョディ・フォスターでなかったことが残念でならない。 【やすたろ】さん 7点(2004-08-16 23:10:28) |
49.レクター博士はやっぱすごく不気味で下手なホラーより全然怖い。話自体は普通かなあって感じがするんだけど。3部作のなかではまあ一番いい出来だけど。 【rainbow】さん 7点(2004-07-15 05:13:36) |
48.レクター博士の会話のインパクトと芸術的な殺人、それだけでも見る価値はありますが、残念な事に猟奇殺人とバッファロウ・ビルに魅力がない気がします。犯人については精神異常みたいなのはよく表現できていましたが、レクター博士や捜査の緊張感との落差が大きすぎます。他の猟奇殺人映画の犯人を見て「レクター博士ほど~」といわれることが多いようですが、この映画の犯人の方はどうなのでしょうか? 犯人の家の地下室の不気味さが良くできていただけに残念です。 【マイカルシネマ】さん [地上波(吹替)] 7点(2004-07-10 12:35:43) |
47.《ネタバレ》 1990年以降のサイコサスペンスのひとつの方向性を決めた一作という評価になりましょうかね。私には、レトリカルで難しい部分がたくさんありました。が、この難しさがまた魅力なのかもしれません。 |