1.《ネタバレ》 最近の映画界では、ヤングアダルトはバカにできない顧客層となっているようで、「ハンガー・ゲーム」や、チョイ前では「トワイライト」などが、いずれも大ヒットを記録した。本作もその流れを狙って制作されたヤングアダルト向けのアクション大作である。
ティーン以外の大人層が、このストーリーを楽しめるかはいささか疑問だが、キャストは結構豪華だし、そのシリーズを通してブレイクしそうな若手の出演など、それなりに見所はある。「ダイバージェント」は、その点では中々楽しませてくれる。
主演はシェイリーン・ウッドリー。ジョージ兄貴主演の「ファミリー・ツリー」で、眩しい水着姿を披露した子だ。
その親友を演じるのはレニー・クラヴィッツの娘であるゾーイ。「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」に出ていたので、顔を覚えている人も多いだろう。更にシェイリーンの兄を演じるアンセル・エルゴート(新キャリーに出てた。)は、新作でシェイリーンと再演。イケメン俳優テオ・ジェームズも存在感があり、若手キャストにはいい面子が揃っている。
内容はというと、特にひねった展開もなく、大きなミスもないが典型的すぎる出来だ。
性格によって分けられた集団が、秩序を保つ世界に、どこにも属さない異端者が現れたことによって、世界が揺れ動くというお話。主人公はもちろん異端者ダイバージェントだ。
「イケメン吸血鬼に惚れられたアタシ」、「殺し合いゲームに抜擢された悲劇のヒロイン、アタシ」など、いつになっても中二びょ…、ヤングアダルト層は「特別な自分」が大好きだ。
ともかく主人公は異端者であることを隠すため、派閥を選ぶことにになり、一番楽しそうな「勇敢」を選択。そりゃそうだ。あのポッター君だってレイブンクローに入ってたら、冒険にもでなかったろう。本作は、リア充集団に入りたいという観客の願望も、しっかりと満たしてくれるわけだ。
この後は、鬼教官とダメ生徒の恋愛という、どこの図書館戦争と言いたくなる展開。背伸びして政治問題を絡めるものの、結局はショボいクーデターに納まっちゃうのも、この手のヤングアダルト映画っぽいところだ。
性格診断ですべてが決まるという斬新な世界観を提示したが、ふたを開けてみればヤングアダルトのテンプレ的内容。つまらないわけではないが、凡作といった印象か。
あと久しぶりにみたケイト・ウィンスレット…、デカっ!