《改行表示》93.「その男~」「3-4x10月」、本作ときて「ソナチネ」へ。 全く作風の違う前3作が絶妙に集約され、ソナチネへと昇華されているように思える。 その前3作の中でも言葉に出来ない北野武独特の切なさがいちばん表れているのが本作。 主役2人が聾唖だが、きっと誰よりも波の音が聞こえただろうし、誰よりも純粋に人からの愛情を感じていただろう。 真木蔵人は表情だけの演技だが、不器用な青春の瑞々しさを見事に演じ切っている。 時折優しさや、笑いを交えつつも、静かに淡々と物語りは進んでいく。 ラストに堰を切ったように溢れ出す感情に、誰もが胸を打たれるはず。 ひとつ難点を言えば、久石譲の音楽自体は良いのだが、音量が大きすぎて映像よりも前に出て来てしまっている点か。なんだか過剰に盛り上げようと演出しているように思えてしまう。 北野武にしか創れない青春物語。 良いです。 【おーる】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-12-16 04:31:10) |
《改行表示》92.《ネタバレ》 主人公は耳が聞こえないですが、これは耳の聞こえない者の物語ではないようです。つまり言葉なんてのは、さして重要ではなく排除しても差し支えないものであるから、主人公から台詞を奪うために、あえて耳を聞こえなくしたのではないかと思います。実際、ほとんどの台詞が無意味でしょうもないもので、例えば、バスで距離がひらいた恋人二人が歩いて再会するシーンだけで台詞など無くとも充分に物語っているのです。 さらに、ラストの楽しい思い出のようなシーンの数々は作中では省かれてしまっています。強面の河原さぶさんがトロフィーを手にし嬉しそうに酒を飲む姿などは感動的で、普通なら本編に挿し込んで簡単にお涙頂戴モンにしそうなものですが、そんなことはせず、ただただ黙々と歩き移動する姿を映し続けていて、それでも胸に響いてしまうところが凄いです。 ・・・と言っておきながら、私のお気に入りのシーンは思い出の方に近い、彼女がサーフボードの後ろを持ってあげるところだったりします。サーフボードが持ち上がり二人が顔を合わせニッコリと笑うのが微笑ましいですし、それを後で男のコンビで笑いとして使ってしまうのも良いですね。 それから、これは海の映画なんですが海そのものよりもビーチの方が魅力的に見えます。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-08-28 18:36:26) (良:1票) |
91.《ネタバレ》 他レビュアー諸氏の感想を読みながら、何年も前、初鑑賞の時の気持ちを思い出した。淡々とした展開が続くハッキリ言って退屈な映画なのだが、妙に心に残る。 キーワードは「優しさ」だろうか。 最後の最後、あの展開の後でタイトルが出る所で私は体が震えた。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-08-07 13:00:24) |
90.静かな映画でした。サーフィン好きにはお勧めできます。 【よしふみ】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-03-28 20:58:21) |
《改行表示》89.《ネタバレ》 聴覚障害者が主人公とだけあってタイトル通り、とても静かな映画には違いない。サーファーを主人公にしたいわゆる青春映画として、この静かさは異常。しかし、雰囲気は静かではあるが静寂ではなく、一聴しただけでわかる(トトロっぽい)久石御大の鳴り止まぬ音楽に頼りすぎている気がなきにしもあらずかな。 徹底的に、説明的な感情/感傷を排除しているなーと思いながら見てたらラストシーンの妙に感傷的な回想に戸惑ってしまいました。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-03-16 12:09:00) |
88.静寂の極みに挑んだかのような実験的手法はなかなか新鮮なのですが、そればっかり最初から最後まで繰り返されると、途中で飽きてきます。画面の構図が似たような感じのものが執拗なほど多いのも気になります。 【Olias】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-02-17 02:27:11) |
87.北野武らしい表現な気がします。言葉はいらないんですね。堰を切ったように零れ出す悲しみ。胸が熱くなります。 【まりんこ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2009-01-12 17:51:52) |
86.いっそのことサイレント映画にしちゃえばよかったのに。お気に入りの作品ですが、もっかい頭から見ようという気にはなれないですね。ラスト5分くらいは何度でも見返したいですが。 【堕リ会長】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-12-12 23:21:30) |
85.ぽつんとたっているふたり。スニーカー飛ぶ窓。こういうシーンの空気が好き。静かで淡々としているけれど、不思議と心に残る。 |
84.最後の最後で、淡々と流れていた映画の感情が一気に溢れ出す、見事です。 【njld】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-09-15 19:39:25) |
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83.《ネタバレ》 ふむ。こっ恥ずかしい台詞や展開が多いラブストーリーが横行する様を見て、タケシは「けっ!くっせぇ。日本男児はベラベラ喋らなくてもいいんだよバカヤロ~」などと言いながらこの作品を作っていたのだろうと拙者は想像する。しかし台詞が少ない分、音楽が饒舌に語りまくるのである。タケシは喋らな過ぎだが、ジョーは喋り過ぎである。それでバランスとれてるんだからいいじゃないかと言われればそれまでだが、拙者は広い海を眼前にするとクールでぱりっとした音を夢想するので、こういうファンタジックな音色は女々しく感じるのである。全体的な雰囲気はいいのだが、来た波が静かに去って消えていく様な終わり方なのだから、ラストのタイトルバックはちょっとくどく感じる。そのまま暗転して潔く消え去るべきである。それとどうでもいいことだが、砂浜がゴミだらけで汚すぎるでござる。サーファーどもは女達と遊び楽しむ前に、砂浜のゴミ拾いをするべきである。 【あろえりーな】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-08-19 19:16:16) (良:1票) |
82.変に飾らない作りは非常に好感が持てる。あの武が!?というギャップもこの映画における優しさ、淡さを増大させる結果となった。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-08-05 19:44:33) |
81.何なんだろうか、この気持ちは。淡々とした展開、そして最後には、心の中に何かをそっと残し去る。そんな作品。 【アンリ】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-04-04 22:35:10) (良:1票) |
【にじばぶ】さん [地上波(邦画)] 6点(2007-09-09 00:46:44) |
79.《ネタバレ》 静かな日常のような映画でした。ラストが良かったです。 【osamurai】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-09-02 01:10:10) |
《改行表示》78.《ネタバレ》 主人公・ヒロインが全く言葉を喋らない映画を見たのは初めてでした、言葉を発せずとも二人の表情や行動が関係の深さをうまく醸し出してる。 タイトルを最後に出す事で物語が完結させる手法も面白かったです。 北野映画は暴力描写の多い作品を選んで見ていましたが、今作のような静香でやさしい作品のほうが実は良いのでは?(監督が出演していないからかなぁ) 『DOLLS』のこの作品の作調を受け継いだ物だったというのが見てわかりました。 【kapoera】さん [DVD(吹替)] 9点(2007-08-29 05:53:50) |
77.音楽が良いだけでなくそれに負けないストーリーがあって、素直に感動した。シーンの一つ一つはどうも冗長な感がするのであるが、冗長であるが故に映画というよりホームビデオのような親近感のある感触が味わえる。これを確信犯的にやったのだろうなと感じさせる辺りが北野武監督の鬼才っぷりなのだろう。 【kinou】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-08-04 11:01:57) |
76.《ネタバレ》 主人公が死んだのちの描写、あまりにも淡々としてて静かすぎる。そういう悲しい局面もあえて悲しく暗く見せなかったのも逆にいえばこの作品の持ち味なのかもしれないけど。 でも彼女の反応もあまりにも作りすぎる淡々さ、なんですよね。めちゃくちゃ面白くはないけど、なぜかまた繰り返してみたいなと思った不思議な作品。主役の真木蔵人の表情はよかった。封切り当時の16年前にみていたら、きっと感想は違うものになっていたと思う。【07年12月・2回目の鑑賞で追記】北野監督はセリフのない主人公たちの世界をよく描ききっていたと思う。ストーリーうんぬんではなく、聾唖の彼のそういう日常を感じ取る作品。小説やドラマではなく映画ならではこそ表現できる物語だと思う。 【☆Tiffany☆】さん [地上波(邦画)] 5点(2007-07-31 05:32:57) |
75.《ネタバレ》 北野武の世界に余計な言葉はいらない、久石譲の音楽さえあればそれでいい・・・・という感じの秀作。 【TM】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-07-28 17:43:41) (良:1票) |
74.《ネタバレ》 主人公が聾唖なので、セリフはない。しかし、久石譲の曲が雄弁に語りかけるのだ。波間に消えた切ない恋を… 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-07-27 00:27:38) |