201.《ネタバレ》 個人的には「脱出」の方が好きだし、カーティスにしても「ミルドレット・ピアース(カーティスの最高傑作!)」や「汚れた顔の天使」の方が出来は良い。
それに今回のハンフリー・ボガート&イングリッド・バーグマンは嫌いだ。
何回「君の瞳に乾杯(笑)」て言うんだよ。
くどいわ!!
まあバーグマンは「ガス燈」、ボガートは「デッド・エンド」と「黄金」で好きになったから良いんだがな。
そんなどうでもいい話はこの辺でいいだろう。
なんせ「カサブランカ」も充分すぎるくらい名作なんだから。
「ドイツ軍は奇跡が嫌いでね」というセリフは「モンスの天使事件」の事だろうか。
元々は小説に書かれた記述を、ドイツ兵を恨む人々があたかも「本当に起きた奇跡」としてでっち上げてしまったのだから。
嘘を本当にしてしまった人々の起こした奇跡と言えよう。
舞台は親ドイツの「ヴィシー政権」が支配するフランス領モロッコ。
そこに横たわる活動家たちが骨をうずめる街「カサブランカ」はドイツ、イタリアを始めとする枢軸国(日本とはこの時大戦が始まっていたから意図的に除外か)の支配が及ぶ街。
ストーリーは途中まで劇中曲「時の過ぎ行くままに」のように緩やかかつに進む。
最初はちと退屈だが(コチコチの演出&臭いメロドラマで反吐が出る)、それが終盤に近づくにつれて激しい演奏へと変わっていく。
この映画は音楽が結構充実している。
ハンフリー・ボガートを始めとする俳優陣の演技を音楽が後押しする。
ドイツ愛国歌の「ラインの護り」とフランス革命の歌だったフランス国家「ラ・マルセイエーズ」の合唱対決は正にそんな場面。
前半の甘ったれ野郎かと思ったリチャードが、騙されたにもかかわらず惚れた女のために行動していく様子。
逃げる男、逃がす女、それを助けてしまうリチャードの義理人情、そしてルノー署長の男気。
真のヒロインだね。
終盤の畳み掛けは流石カーティスだ。
でも、コレがカーティスのベストと言われるのは不服だ。この作品だけを見て「カーティスは一発屋」という連中も大いに気に入らない。