37.《ネタバレ》 岩井俊二監督がプロデューサーという立場からどの程度製作に手を加えたのか、詳しいことは何一つ知りませんが、それでもあの構図の撮り方や色彩の鮮やかさ、そして照明の美しさから考えると、かなり深いところまで監督が手を加えているような気がしました。映像的な部分で言うと、ひとカットひとカットの画がとても丁寧に作られているのに感動しました。手持ちの移動ショットや長回しのショットが、淡々と語られる平凡な台詞の掛け合いに臨場感をプラスさせていたように思いました。終始、そんななんともない物語が流れていきますが、この作品はそのなんともない感じに深い共感を僕は覚えました。片思いの切なさや、夢に対する不安と期待など、青春真っ只中な主人公たちの心が想像しなくとも勝手に感情へと深くしみこんできます。鈍感な主人公を愛す、純粋な心を持った女性。彼女の優しさや弱さが素晴らしすぎます。観ているこっちとしては何で気付かないんだとイライラしっぱなしです。しかもそれが延々と、リアルに描かれ続け、それでも主人公は気付かず、彼女が最後に直球とも言える賭けをするものの、やっぱり主人公は気付きません。この時点で観ているこっちはその後何が起きるかわかっているから主人公の愚かさを呪います。また、悔しくもあります。だからなのか、ラスト、彼女の想いが思いがけず主人公に伝わります。純粋で鈍感すぎたがゆえに気付けなかった主人公。そんな彼の鈍感な部分も、不器用な部分も、みんなみんな好きだと綴った手紙。もっと早くこの手紙が渡っていればと悔しくなる反面、想いが主人公に届いてよかったと嬉しくも思います。主人公の青年にも、女の子にも僕は無意識のうちに激しく感情移入していました。こんなことは滅多にないような気がします。この映画は僕は今出会えたのがベストだったような気がします。こんなにも共感した作品はあまり他に覚えがないです。主演の市原君と、草野樹里さん、あと蒼井優さんの三人の演技は素晴らしいの一言に尽きます。脚本、役者、映像。多くの要素が本当に素晴らしい作品でした。 【ボビー】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-11-16 23:31:20) (良:1票) |
36.《ネタバレ》 予告編時点で予め樹里っぺが死んじゃう役、っていうのはハッキリさせてましたし、映画でも冒頭で死んでしまったところから戻って映画が描かれてゆきますから、物語の向かってゆく方向はハッキリしているのですが、それにしては彼女が生きた証しを存分に描ききってるようには感じられなくて、最後はただ悲しみや喪失感が大きく存在してるようで、そこから先への広がりがあまり感じられませんでした。彼女が残した8ミリ映画こそが、彼女が生きた大きな証し、焼き付いた生として感動的だったりするのですが、映画はあの8ミリ映像に頼り過ぎかな。ただ、描き方はいいんですよね。リアルな演技の人達と、しっかりした芝居の人達とに分けられて、アンバランスではなくアンサンブルになってる、みたいな。樹里っぺは「のだめ」は放映してるし直前に「7月24日通りのクリスマス」は見てるしで、そのイメージとダブっちゃったらヒサンだなぁ、と思いましたが、等身大の演技で、もう全くの別人として見る事ができました。蒼井優と姉妹役、考えてみれば「亀は意外と速く泳ぐ」コンビでしたが、見ている間そんな事も全然思い出しもしませんでしたし。岩井俊二系映画共通の欠点、背景がちょっとやかまし過ぎな感じではありましたが、過ぎ去って、あるいは失って初めて判ること、人を好きになること、愛すること、1つ1つ刻まれてゆくこと、そんな普遍的なことを噛み締める時間を持てる映画でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 7点(2006-11-03 20:48:15) (良:1票) |
35.上野樹里の存在感はピカイチで、蒼井優にもインパクトがあり、さすがに若手女優を撮るのが上手いなあと感心させられる。ただし、全体的には甘ったるくストーリーも弱くて、中盤以降はダレル。特に、痛々しい相田翔子のパートは必要だったのかと。 |
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33.いい映画ですが、市原隼人がよくない。なんでこんなヘボ役者を使うのだろう。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-09-23 14:34:45) |
32.上野樹里が主演している作品は初見。世間では色々と言われているようだが、演技は素晴らしかった。蒼井優と共に作品をワンランク上げている印象。ただ岸田が・・・。あの年頃の男によくいるタイプだとは思うのだが、どうしても共感できず。男性と女性で評価の分かれる作品なのかもしれない。 【wood】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-09-24 19:09:27) |
31.どうせ中身のない薄っぺらな恋愛ドラマだろうと思っていたら、 予想以上に出来が良かった。主演の若い二人の気持が画面からよく伝わってくる。 特にボーイッシュなヒロインは、男性の立場から見るとこのストーリーではハマリ役。 ただ肝心の主役の男の子が、真面目なのか不真面目なのか、明るいのか暗いのか、 人物像が今イチ見えてこない。本人も理解できなかったのか、役作りをしていない印象を受けた。 後半からは無駄なシーンや演出が多くなり、徐々にパワーダウン。 相田翔子の役回りも訳がわからない。多少監督の自己満足的な部分が見受けられるが、 ベタなシーンが少なく、青春ドラマとしては良作の部類だと思う。 【MAHITO】さん [地上波(邦画)] 5点(2011-07-30 01:40:22) |
30.岩井俊二テイストが感じられ、美しい画やリアルな人物描写はさすがだと思った。でも職場の暴力はちょっと… 学生ならいいんだけど、社会人でやっちゃうと、どうも嫌な気分。相田翔子パートの「もう34にしか見えない」は面白かった。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-02-14 20:08:01) |
29.《ネタバレ》 淡く切ない恋物語・・・ 個人的に、こういう映画に弱いです。 岩井俊二プロデュースだけあって、らしい?部分があったような(映像美や小道具の使い方のうまさとか・・・) 相田翔子のエピソードは浮いていて必要ないような気も・・・ まぁ、コントだと思えばいいのか? 主人公が彼女に対して『もう、34にしか見えない・・・』と言い放った場面は吹き出してしまいました。 しかし、上野樹里の演技は最高ですね。 が、それにもまして蒼井優が存在感あって素晴らしかったです。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-02-08 05:01:45) |
28.《ネタバレ》 素直になれないあおいと鈍感な岸田君がリアルで良い。蒼井優の盲目の妹役なんてもう反則技みたいなもの。全体を包む空気感が非常にユーモラスで切なく心地良い。ラストの携帯が喪失感を非常にうまく表現している。「花とアリス」で蒼井優の母役を演じていた相田翔子が、歳をごまかしていたとはいえ岸田君の恋愛の対象にもなりえるところがある意味凄い。このシークエンスはかなり不評だが、個人的には相田翔子にもう少しましな役を与えて欲しいと思う。 【きーとん】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-08-28 00:11:17) |
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27.《ネタバレ》 映画の主人公で、これくらい全く共感できない、友達にすらなりたくないのは岸田君が初めてです。 ・ストーカー ・空気読めない ・周りの人間を利用するのに全く躊躇いがない ・他人の気持ちに無関心、塚、知ろうとする気がそもそも無い ・そのくせ、他人の内面に単なる好奇心から平気でずかずか踏み込む。 ・仕事で向上心が無く、凡ミスを繰り返す と言うわけで、主人公の言動がいちいち気に障る非常に苦痛な映画でした。 あと、日常的に暴力が行われる職場って、見ててあまり気持ちのいいもんじゃないですね。 【rhforever】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-07-26 12:22:40) |
26.END OF THE WORLDが意外に良い出来で、面白かった。 僕も外見だけで女性を判断してるからあかんのやろなあ・・。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-01-22 19:39:12) |
25.蒼井優と小日向さんがここでもおいしいとこどり。主演の二人も上手で見直した。 【はるこり】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-06-23 14:10:44) |
24.切ない感じで好きです。雰囲気が岩井俊二です。主演三人が良いです。相田翔子の編は「女運が悪い」というのは実は「外見だけで人を判断する」からだということを強調する役割だったのではないでしょうか。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-04-25 00:20:04) |
23.劇中の短編映画の方が面白そうだけど、本編もなかなか切なくていいです。この映画に関しては、市原隼人はまり役でした。 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-04-02 23:14:32) |
22.《ネタバレ》 観終わった後深い余韻の残る、素晴らしい映画。ただ、相田翔子がらみの話はいらないに一票。 【クレイバード】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-24 15:30:01) |
21.《ネタバレ》 これぞ等身大の恋愛映画だと思う。あおいの突然の死は決して観客を泣かせるための道具ではなかった。 【しっぽり】さん [DVD(吹替)] 9点(2008-02-03 22:58:17) |
20.《ネタバレ》 アオイが死んだという実感がないトモヤが、終盤のアオイの部屋のシーンで泣き崩れたとき感動しました。最近の映画でありがちな主人公の死、でもこの映画の場合は少し違う感じがします。悲しいけど後味は悪くない感じ。全体的な感想としては、ベリグー。物語の中を流れる時間?空気が全く違和感なく、むしろ心地よかった。演技の点でも問題はなかった。ただトモヤの性格というか人間性がちょっと好きになれなかったかな。そこだけ引っかかります。こんだけ書いておいて5点。期待していた為かちょっとあれでした。あと鈴木アミ出ててびっくりした。 【天国のコロ】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-01-29 00:39:36) |
19.《ネタバレ》 相田祥子の場面だけが面白かった。主役の二人がお互いを想いあってるって「ネタバレ」なのかなあ。 私は最後の妹のセリフで「そうなのかな?」って考えたクチです。だから2時間ほとんど何がおこってるのかわかんないでボーっと観てました。 【紫電】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-01-27 19:13:14) |
18.《ネタバレ》 ふと本屋で小説版を買ったのがこの映画との出会いです。小説がすごい面白かったので映画も観に行きたかったんですが、映画館で観た映画ってDVDで観ると物足り無さを感じるので、映画館には行かず我慢してDVDを買いました。で、結局映画館に見に行かなかったのを後悔してます・・・。それくらい大好きだし、いい映画だと思います。 上野樹里演じる佐藤あおいが自分と被りました。好きなのに関係を壊したくないから彼女を紹介していくっていうのが切なすぎます・・・。 【ポドルスキ】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-01-16 23:07:55) |