60.《ネタバレ》 レモンが見たことがバガーという謎の黒人キャディの伝説というお話。
実は主役かとも思える落ちぶれた栄光のゴルファーがディモンで、
その彼女が亡き父の残したゴルフ場の娘セロン。
さすがにセロンはこういう時代の役はきれいです。
前半がかなりたいくつなんですが一応時代の筋を読んでおくということで。
相変わらず真面目な作りだなぁと思いながら観ていくと、
暗闇で練習をするマットのところへスミスがトランクを持ちスーツに帽子で現れる。
5ドルでキャディをさせてくれというのです。
当初の予定はブラッド・ピットとモーガン・フリーマンだったのです。
私もソレがいいとは思ったのですがスミスで正解。
モーガンだと暗闇からの登場は怖いです(笑)
マットについてキャディをしながら哲学じみたうんちくを語るのですが、
これもうまくても固いモーガンではなくひょうひょうとしたスミスだからよい。
この演技は私は最後には(うまいよなぁ~)と感心したくらいですから。
押し付けがましいうんちくをいい続けるのにうるさくないんです。
独特のキャラを見抜いた制作陣に感心。
「チャンス」を思い出したのもそこなんです。
人生をやり直させるきっかけとなった謎のキャディ。
林の中での問いかけはちょっとしんみりとほのぼのしました。
たぶん私が想像するには彼は、
守護神という見方もできますがマットの過去なのではないでしょうか。
なんて優しい映画なんだとしみじみ思ったのですが、
真面目で優等生な監督の色がそのままマットにも反映されたかのような、
ゴルフのきれいさを強調するかのようなルール。
これがきっかけでキャディ・スミスはもう役割は終わったと笑顔で去るのです。
もちろんよい話なんですがゴルフの清廉なんだというルールがちょっと・・
紳士のきれいなスポーツなんだと見てくれみたいな演出が合わなかった。
最後の意識の戻ったレモンの現在のシーンに帰ったときは、
やはりいい映画かも・・とまたなごやかになっちゃうんです。
見えない謎のキャディとプレイしているんですよね。
勝負ではなくプレイすること。
私は今でもその場所を探している・・
相変わらず哲学的できれいな世界です。
惚れ惚れしますよ(苦笑)